FC2ブログ

ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜

2019年01月29日
sn_20181129192201538.jpg

ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜
2019年1月11日(金)~3月31日(日)
郡山市立美術館

16世紀のフランドル(現在のベルギーにほぼ相当する地域)を代表する画家ピーテル・ブリューゲル1世。聖書の世界や農民の生活、風景などを時に皮肉も交えながら描き、当時から高い評価を得ました。

息子のピーテル2世、ヤン1世も父と同じ道を歩みました。長男のピーテル2世は人気の高かった父の作品の忠実な模倣作(コピー)を描き、次男のヤン1世は父の模倣にとどまらず、花など静物を積極的に描き、「花のブリューゲル」などと呼ばれ名声を得ました。
さらにヤン1世の息子ヤン2世も、子供の頃から父の工房で絵を学んで画家となり、ヤン2世の息子たちもまた同じ道を歩み、ブリューゲル一族は150年に渡り画家を輩出し続けたのです。(ちなみに農民の生活を多く描き、本展にも出展されるダーフィット・テニールス2世は、ヤン1世の娘の夫です。)
本展では、このブリューゲル一族の作品を中心に、16、17世紀のフランドル絵画を紹介します。

貴重なプライベート・コレクション、そのほとんどが日本初
本展では、ピーテル・ブリューゲル2世による《野外での婚礼の踊り》などブリューゲル一族の画家たちが生み出した宗教画、風景画、寓意画、静物画などおよそ100点を展示。その多くが、通常観ることのできない貴重なプライベート・コレクションに収められています。そのため、出展される作品のほとんどが日本初公開となります。


ブリューゲル展は、昨年1月東京から始まり全国を巡回、この福島展が最後です。
やはり名の知れた画家となると人の入りが違う、駐車場には県外ナンバーの車も多く見られました。人が多いと言っても、東京からしたら空いてる…ってくらいの人出ですが(笑)
ブリューゲルと言えば、一昨年「バベルの塔展」を見ていたので、ブリューゲルはわかったような気でいましたが、バベルの塔展が、バベルを微に入り細に入り味わい尽くす!という観点だとしたら、今回はブリューゲル一族が時代の中でどのように作品を生み出していったのかという視点です。アプローチが違うと、また別のおもしろさがあり、楽しめました。

47ccaf70bf474423c7eda291cef35fc6-e1513752517220.jpg
ヤン・ブリューゲル1世《ノアの箱舟への乗船》1615年頃

初代ブリューゲルは、初期の頃はボスの影響でへんてこな、でもちょっとかわいい絵を描いていましたが、やがて宗教画や農民の生活などを描くようになりました。
ちょっとくどいノアの箱舟は、肉食獣も一緒、ノアの箱舟はこうなんだよ!って意味付けも大事なんだと思います。
風刺画、教訓、道徳を説くような、絵画はそういう役割を担っていた時代です。

top_gallery_works05_small.jpg
ヤン・ブリューゲル1世(?) ルカス・ファン・ファルケンボルフ アーチ状の橋のある海沿いの町 1590–1595年頃

現実世界と幻想的な神々の世界を同時に描いたようなミスマッチ。合成した風景画。
指輪物語のラスト、フロドがエルフの国に旅立つシーンを思い出したり。
この時代ではないようなな透明感のある明るい色彩は、フランドルで絵の具の開発?が進んでいたかららしい。

photo03.jpg
マールテン・ファン・ファルケンボルフ、ヘンドリク・ファン・クレーフェ《バベルの塔》1580年頃

1世のあの有名な「バベルの塔」の影響をうけているとされています。言われなくともそう思うくらい捉え方が似ています。巨匠作でなくとも、天使が舞っていたり、より大衆受けする宗教画なのかもしれません。

top_gallery_works06_small.jpg
ピーテル・ブリューゲル2世《鳥罠》1601年

オリジナルは父、人気のあった作品を息子がコピーすることも普通に多かったらしい。いったい何枚あるのか?ですが、贋作とは別物、ブリューゲルは工房、お客様の要望に職人さん達がこたえていたということですね。
オリジナルと比べてどうかというより、目の前のこの作品はとても美しい。印刷でセピアっぽい色は、バラ色に近いような優しい肌の色のような感じで癒されます。色も構図もいい。
うちにも1枚、ブリューゲル工房にお願いしたい(笑)

チラシ2
ヤン・ブリューゲル1世、ヤン・ブリューゲル2世《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》
1615-1620年頃

花のブリューゲルと言われる、息子のヤン。美しいですねえ!じっくり見入ってしまいます。季節の違う花もあるので、きれいなものを集めて再構築ってことでしょうか。
チューリップが流行を越え、高値売買されていたバブルの時代です。こういう絵画も人気があったのでしょう。
ヤンは素描も美しいです。

39560586615_76ab5217b4_b.jpg
ヤン・ブリューゲル 2 世作「籠と陶器の花瓶に入った花束」、1640–1645年頃

img1618129509509043940_e5d3c71a9f4c97d354d48d79ef8fb6bb.jpg
ヤン・ブリューゲル2世《聴覚の寓意》1645-1650年頃

芸術というより、ここにバイオリンが、さえずりの美しい鳥が、聴覚がいい鹿が…いるとか、細かく楽しむ感じ。
柱にアルチンボルトのような意匠が…はやっていたのかな?
他に「平和の寓意」「戦争の寓意」「嗅覚の寓意」(スカンクがいた!)、「愛の寓意」もありました。

main_7.jpg
ヤン・ファン・ケッセル1世《蝶、カブトムシ、コウモリの習作》 1659年

ちょっとない…くらいの透明感のある色は、大理石に描かれているかららしい。
大理石は重いので、飾るのは大変そう、大きなサイズでは無理ですね。

main_6_20190121190212698.jpg
アブラハム・ブリューゲル《果物の静物がある風景》 1670年

ひ孫の時代になると、作品も大きくなってきます。画材、絵の具なども良くなってきたということのよう。
流行やオーダーも変わってきます。イタリアに学んだアブラハムは、様式もイタリア風、フランドルの雰囲気ではないですね。

photo20.jpg
ピーテル・ブリューゲル2世《聖霊降臨祭の花嫁》1616年以降

なんか楽しそう。みんなずんぐりしていて、やはりホビット族を連想してしまう。

img7533501684828826970_e5d3c71a9f4c97d354d48d79ef8fb6bb.jpg
ピーテル・ブリューゲル2世《野外での婚礼の踊り》1610年頃

当時の結婚式はこんな感じというのがわかりますね。明るい赤が効いています。
食べて飲んで歌って踊って、楽しそうです。どさくさにまぎれてチューとか(笑)
婚礼なのに、奥に座る花嫁が浮かない顔をしています。マリッジブルーかと思ったら、妊娠しているので踊りに加われないかららしい。
おっちゃんたちの「股間」につい目がいきますが、当時はでっかく見せる詰め物が流行していたからです(笑)

2019011402_20190122111735c7b.jpg
マールテン・ファン・クレーフェ《農民の婚礼(6点連作)》1558-1560年頃

このブースのみ撮影可。連作だと、結婚式がより盛り上がる一大イベントってのがわかりますねえ。

2019011401.jpg
アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)

Dear Ms.Crook 〜パメーラ・ジューン・クルック展

2018年10月03日
0000091009.jpg
《レッドドア》1995年《グリーンドア》1995年
《ふくろう》2016年

Dear Ms.Crook 〜パメーラ・ジューン・クルック展
2018年7月8日(日)〜2018年10月21日(日)
諸橋近代美術館
ダリに次ぐ当館のメインコレクション、英国の現代芸術家パメーラ・ジューン・クルック(1945年〜)。彼女の作品は英国のプログレッシヴ・ロックバンド「キング・クリムゾン」のCDジャケットに数多く採用されています。新収蔵の動物シリーズ4点をはじめ、所蔵作品31点を一堂に公開。額縁まで描く独創的な彼女の作品の数々をお楽しみください。
「パメーラ・ジューン・クルック展」諸橋近代美術館で、キング・クリムゾンのジャケットで知られる芸術家 FASHION PRESS
パメーラ・ジューン・クルック(1945〜)は、英国生まれの現代アーティスト。変形カンヴァスを効果的に活用し、額縁にまで画面を拡張させて描く独創的な手法で知られる。1996年にイギリスのプログレッシブロックバンド「キング・クリムゾン」のリーダーであるロバート・フリップと知り合って以降は、度々CDジャケットのカバーアートに彼女の作品が使用されており、その世界観が世界的に広まっていく1つのきっかけとなっている。


japo.png
《ジャポニカ》2001〜2003年

感想がすっかり遅くなりましたが、とても良かったです。
クルックの作品は、諸橋近代美術館のコレクションとして見たのが初めてで、それ以外のところではたぶん見ていません。
ただ最初に見た1990年代頃の作品は、好きかと聞かれると微妙。
人々がひしめき合う都会の暮らしをや都会に疲れてしまった人々をリアルに描き、あるいは「レッドドア」「グリーンドア」に見られるような、内と外、自己と他人を強く意識する、境界に悩む自分をシニカルな目で見つめているような印象。
今回改めて、画家としての(人としての)変遷を意識しながら作品を見ると、とても魅力的でおもしろかったです。

JGs.jpg
波型キャンバスは屏風のよう、なんか落ち着かないのは動画見てるような感覚になるから。
実際見ないとわかりにくいですね。

Crook-PR08-1000x788.jpg
《現在-過去》 2001年

迷宮のような庭園でさまよう女たち、無表情、動いていても時間は止っているような…シュールで、マグリットやルソーを思い起こさせる。
似た感じで花嫁がさまよって作品がありますが、画家自身のうまくいっていなかった結婚生活が反映されてるらしい。
そう考えると90年代の作品は、都会や人間関係に悩むそのままの作品なのかなと思う。

QwM.jpg
《ふくろう》2016年

美術館の新しいコレクション、ふくろう、きつね、野うさぎは、とても好きな作品。
これを見ただけで、今日来て良かったなと思う。
夜の町を舞台にしたファンタジーのようでもあり、画家自身が自由に羽ばたいているように見えます。
画家に新しい出会いがあり、家族の形も時代と共に変わり、今とてもバランスのいい環境にあるのかなと思う。

I_c.jpg
《きつね》2015 年

クールにこちらを見る目が最高。
クルックは下書きをしない。デッサンなしで直感で描くらしい。
狐の背後には、孤独な男性と女性が出会い、結ばれ、赤ちゃんが誕生するまでが描かれています。
深読みすると、変わることのできない自分自身(自分の中の野生)を認めつつ、時を経て他者や外との関わり方を学んできたような。
他者と関わりあいながらも迎合せず、自分はどこまでも自由であることを知った喜び…ようなものを感じます。
作品は人生そのもの…当たり前か(笑)

7Jc.jpg
《野うさぎ》 2015年




アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)

ターナー風景の詩(ターナー展 2018)

2018年08月17日
turner-01.jpg
《キリスト教の黎明(エジプトへの逃避)》1841年展示油彩、カンヴァス

ターナー風景の詩
郡山市立美術館
2018年7月7日(土曜日)~9月9日(日曜日)
イギリスを代表する風景画の巨匠、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775~1851)の展覧会です。穏やかな田園風景、嵐の海、聳(そび)え立つ山岳など、自然の様々な表情を優れた技法で表現したターナー。独特の光や空気感に包まれたターナーの風景画は、フランスの印象派をはじめ、多くの芸術家に影響をあたえました。本展覧会はターナーの水彩、油彩、版画作品約120点を、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」という4つの章でご紹介し、その核心と魅力に迫ります。
ターナー展 2018|京都・東京・郡山

20180424_art08.jpg
《コールトン・ヒルから見たエディンバラ》 1819年頃水彩、鉛筆、グワッシュ、スクレイピングアウト・網目紙

風景が光に溶け込むようなターナーらしさを期待するとちょっと違う。職業画家ターナーの勤勉な作品が多数。
写真がない時代、記録や観光ガイドとしての需要が大きかったこともあるのでしょう。そうした堅実な作品によって生計を立てることができた恵まれた画家人生だったのかもしれません。
17歳で描いたペン画(廃墟の修道院)、俯瞰で描かれたエディンバラ、町のにぎわい、ターナーの非凡な才能がわかります。

20180424_art01.jpg
ソマーヒル、トンブリッジ》 1811年展示油彩・カンヴァス

湖畔に建つ貴族の館、光があふれる空は、やはりターナー。
町や建物を描いていても、時代共に空や光の空間が大きくなっていく。主役が建物や人から光や空気に移っていくのがわかります。

20180424_art09.jpg
《モンテ・マリオから見たローマ》 1820年水彩、スクレイピングアウト・紙

ターナーの方向性を決定づけたとされるイタリア旅行。
ロマンチックな想像をかき立てる遺跡、光あふれる空、絵全体が明るくなりました。

20180424_art02.jpg
《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》1802年展示油彩・カンヴァス

これはターナーとしては意外な作品。荒々しい海に飲み込まれそうな漁師の緊迫感が伝わってきます。
イギリスやノルマンディの暗い海、嵐の海に翻弄される人々を描いた作品は多いけれど、ターナーにもこのような作風があったのかと。

20180424_art05.jpg
《セント・オールバンズ・ヘッド沖》 1822年頃水彩・紙

船を熟知していたターナー。優雅で緻密、帆船が美しいですねえ。

20180424_art03.jpg
《ストーンヘンジ、ウィルトシャー》1827~28年水彩・紙

版画の原画も数多く制作していたターナー。
なぜか、雷に打たれて倒れている羊飼いと羊が描かれている。
水彩画にはたくさんの技法が使われています。ウオッシュ、スクラッチアウトなど、ターナーらしいにじみやぼかしはこうした技法によって生み出されたものなんですね。

20180424_art07.jpg
《20ヴィニェットのうちの1点-ヘルゴラントの死の舟》1835年頃水彩、鉛筆・紙

版画の原画と版画作品も多数。
ターナーは、たくさん刷ることで多くの人に見てもらえる版画を重要な位置づけとし、優秀な彫り師と共に制作していました。上の作品のような本の挿絵も多いです。
しかし版画はどれも小さくて、虫メガネもってくれば良かったと思うくらい(汗)紙も貴重、広く普及させるものなので、必然的に小さくなるのだろうな、それにしても小さい、彫り師の仕事にも感心。


アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)

ポーラ美術館コレクション ―モネ、ルノワールからピカソまで

2018年05月16日
pola-museum-of-art1.png
(ポスター)レースの帽子の少女(1891)オーギュスト・ルノワール

ポーラ美術館コレクション―モネ、ルノワールからピカソまで
2018年4月28日(土)~6月24日(日)
福島県立美術館
2002 年、箱根に開館したポーラ美術館は、西洋近代絵画をはじめ、日本の洋画・日本画、ガラス工芸、 東洋陶磁など、約1万点にもおよぶ美術品を所蔵しています。
この展覧会では、同美術館が誇る西洋美術のコレクションより、19 世紀後半から 20 世紀まで、フラ ンスを中心に活動した計 20 名の美術家たちの作品 72 点をご紹介します。うつろいゆく光の表現を追求 した印象派から、色彩の解放を目指したフォーヴィスム(野獣派)、造形の冒険を試みたキュビスム(立 体派)まで、西洋美術の個性豊かな展開をたどります。
同美術館を代表するルノワールの《レースの帽子の少女》をはじめ、モネ、ルノワール、ピカソは各 8 点、そのほかピサロ、セザンヌ、ゴーガン、マティスなどが出品されます。選び抜かれた珠玉の作品 を会場でお楽しみください。
出品内容
カミーユ・ピサロ、クロード・モネ、ピエール・オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌ、ポール・ゴ ーガン、アンリ・マティス、パブロ・ピカソなど、計 20 作家、72 作品を出品予定


ポーラ美術館から、日本でもよく知られる印象派を中心とした企画展。
万人向け、既視感といえばそうだけど、有名どころをじっくり見られるのはうれしいです。

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0002280001.jpg
「花咲く堤、アルジャントゥイユ」(1877)クロード・モネ

モネの色彩には癒されます。
印象派は、写実やテーマ(宗教・肖像・歴史など)が明確な時代において、とんでもなく革新だったわけですが、こちらとしては、子どもの頃から教科書で見慣れている画風、時代とはこうもかわる。
遠景に描かれているのは工場、この頃モネは、産業化によって風景が変貌し、また下水で汚染されたセーヌ川が嫌になり、郊外のジヴェルニーに越していったらしい。

main_1.jpg
ジヴェルニーの積みわら(1884)クロード・モネ

私が美術館に出向いた日は晴天、緑あふれる美術館の周辺も美術館の中の作品も光があふれていました。
色彩、光と影のコントラストが外の日差しと同じというのもいいじゃないですか(笑)

12_20180509194456851.jpg
「砂糖壷、梨とテーブルクロス」(1893-1894) ポール・ゼザンヌ

遠近感、構図がおかしいセザンヌの典型的な静物画。

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0000650001.jpg
「アルルカン」(1888-1890)ポール・セザンヌ

やはりちょっと不思議な構図ですが、この色彩はとても好きです。静物画も不思議だけれど、人物を描くとより変人っぷりがわかるような気がする。

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0006170001.jpg
「浴槽、ブルーのハーモニー」(1917)ピエール・ボナール

明るい浴室で体を洗う女。モデルはパートナーのマルト、親密でなければ描けないですよね。
一日の時間のなかに埋もれてしまいそうは、あまりにも日常的なシーンを作品にしてしまうことが革新なわけだ。
ただ、マルト的にこれでいいのか?…って余計なお世話か?(汗)

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0000032329.jpg
「中国の花瓶」(1922)アンリ・マティス

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0002060001.jpg
「襟巻の女」(1936)アンリ・マティス

マティスの作品がいくつか。のびやかな曲線、明るい色彩に、見てるこちらの気持ちも明るくなるような。
とてもデザイン的、おしゃれです。

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0000820001.jpg
「ドーヴィルの競馬場」(1935-1940)ラウル・デュフィ

競馬場の雰囲気が好きでなければ描けない作品。
軽やかなリズムが感じられます。透明感のある色彩もすてきです。

th_d8399901d709490dbf8a92fe7c7970ba_0001160001.jpg
「母子像」(1921)パブロ・ピカソ

印象派の画家達が、俗っぽくなったパリから去り、代わってパリには、外国人の画家達が多く住むようになったらしい。ピカソや藤田嗣治など。
ロシア貴族出身のオルガと結婚したピカソは、裕福で安定した生活をおくっていました。暮らしを反映するように作風も王道、コンサバに(笑)
モデルは妻オルガと息子パウロ、新古典主義時代の作品。

o0480070313721772723.jpg
「花売り」(1937)パブロ・ピカソ

名作「ゲルニカ」や「泣く女」を描いた頃の作品。妻オルガとはとっくに破綻、この頃の恋人はドラ・マール。この極端な変化がピカソ大先生。
ただしこの作品のモデルは、詩人エリュアールの妻。
四角い太陽、三日月みたいな顔、デフォルメを超えた形、激しい色彩、ピカソはこうでなくては(笑)


アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)

飯舘村「オオカミ絵に会いに行く」バスツアー

2018年03月30日
2018032412.jpg

飯舘村主催のイベントに参加して参りました。
「美術ライター 橋本麻里さんと山津見神社のオオカミ 絵を鑑賞するバスツアー」
飯舘村山津見神社の拝殿には、オオカミの天井絵がありましたが、原発事故後の2013年に焼失、その後、拝殿と天井画が復元されました。
芸大大学院を中心に復元された天井画は、設置される前、2016年福島県立美術館の企画展で見ていました。狼信仰の神社が福島県にあることをその時初めて知りました。そして天井に設置された所を見てみたいなあとずっと思っていました。

以前の記事 よみがえるオオカミ 飯舘村山津見神社・復元天井絵 2016年07月01日

山津見(やまつみ)神社
福島県相馬郡の山中、虎捕山に鎮座する神社で、永承6年(1051年)創立の古社です。
 山津見神社は山の神を祭る神社で、山神は山仕事の守護、および農業の守護、産業守護などを司ります。また、山津見神社の眷属は白狼であり、御眷属様と呼ばれて信仰の対象となっています。御眷属の狼は、火伏せ、また盗賊除けの力があると信じられています。
麓の拝殿は明治時代の建設で、拝殿天井には二百を越えるさまざまな姿の狼画が描かれています。


2018032402.jpg

福島駅集合、バス2台で飯舘村に向かいます。
年齢、男女、雰囲気様々…地元の年配の方、20代くらいの方、雑誌のライターらしい方…。
私が乗ったバスは遠方からの方が多く、一番遠いのは神戸(!)関東方面も多い。遠方から来るのは、オオカミ信仰、山岳信仰などに興味のあるマニアックな方々か?

2018032432.jpg
道すがら、村のあちこちには除染土の山も見られますが、この日は晴天、どこもかしこも明るく、太陽の光がみちあふれてました。
バスの中では飯舘村役場の方のお話。飯舘村は原発事故の全村避難から、一部を除いて帰還可能になりましたが、戻っているのは約1割、そのほか福島市などからここ似通っている人を入れると2〜3割ではないかとのこと。
農業もぼちぼち再開しているとのこと。

2018032403.jpg
昼近く、飯舘村交流センターに到着、郷土料理の昼食と地元の方のお話を聞きました。

2018032404.jpg
地元の方が打ったそばと郷土料理(みそかんぷら、なます、干し大根の煮物、凍み餅など)
まあ、我家のおかずとそう遠くないかも(笑)ただ、白菜の粕煮(白菜漬けと塩鮭と酒粕で煮る)は初めて食べました。

2018032431.jpg
テーブルには飯舘村特産のアルストロメリア。

2018032406.jpg
いよいよ山津見神社へ。杉花粉が…(涙)

2018032408.jpg
2018032409.jpg
こちらが復元された拝殿。

2018032411.jpg
拝殿の前には狛犬ではなくオオカミ、みんな狼撮影に夢中。

2018032414.jpg
真新しい拝殿で、橋本麻里さんのお話を聞きます。
山の神の使い白狼は「御眷属様」…守り神のような存在だったらしい。
オオカミ信仰は、実は歴史が浅く江戸中期から、農業において害獣を追い払うことから信仰の対象になったらしい。
氏子の方に、昔はこのあたりにオオカミがいたんですか?と聞いたみたのですが、「俺は聞いたことねえなあ」と(笑)
ニホンオオカミは1905年(明治38年)に奈良県で確認されたのが最後、絶滅しています。山津見神社の拝殿は明治時代の建設、すでに滅多に見られない神の使いだったのかもしれません。

2018032413.jpg
これが復元された狼の天井画、数の多さに圧倒されます。もちろん全て違います。天井画は中国の絵を参考に想像で描いたらしい。ポーズは猫を参考…どうりでかなんかかわいいのか(笑)
天井画は花がモチーフであることが多く、オオカミはまれだとか。

2018032416_2018033020090321c.jpg

2018032410.jpg
オオカミ信仰はまだわからないことも多そう。
それゆえ引きつけられる人も多いのかもしれません。

2018032407.jpg
虎捕山(とらとりやま)鎮座山津見神社
私たちは拝殿見学だけですが、背後には虎捕山、30分〜1時間くらいの山道で山頂の本殿までいけるらしい。
山頂からは太平洋が見える…つまり、海からも虎捕山が見えることから、海の神様、漁業の神様として進行されているらしい。

2018032430.jpg
帰り道のバスの中から、遠く雪の残る安達太良山が光っていました。
--------------------------------------------------
山津見神社オオカミ天井絵復元プロジェクト
東京電力福島第1原発事故以来全村避難となっている福島県相馬郡飯館村佐須の山津見神社で、2013年4月に焼失したオオカミ天井絵を復元するプロジェクトです。
山津見神社拝殿のオオカミ天井絵は1904年に当時の宮司、久米中時氏が旧相馬中村藩の御用絵師に描かせたとされ、237枚の杉板にオオカミが自然の中で生き生きと暮らす情景が描かれていました。焼失直前に天井画を調査していた和歌山大学観光学部加藤久美教授、写真撮影した同サイモン・ワーン助教が三井物産環境基金の助成を得、NPO法人「ふくしま再生の会」、佐須地区の皆様の協力を得て復元企画を進めてきました。
復元作業は東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室の荒井経准教授を中心として同大学院の学生たちで行い、今年8月完成予定の拝殿に来春、237枚のうち96枚の復元天井絵が納められる予定です。
アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)
« Prev | HOME | Next »