「ルノワール展」宮城県美術館

2017年03月24日
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ルノワール展
2017年 1月14日(土)~4月16日(日)
宮城県美術館
明るい陽光のなかで、あどけない表情を浮かべる少女。あるいは、柔らかい光のなかで、静かに読書する女性。これらのイメージには、ひとかけらの悩みもなく、画面の隅々まで幸せな情感に満たされています。このことが、ルノワールが多くの人々に愛され続ける理由ではないでしょうか。ルノワールが幸福感に満たされた絵を描いた背景には、楽しげな主題だけが楽しげな絵画を生み出すという確信があったからだといわれています。
今ではルノワールの描き出す光り輝く表現に、私たちは無条件に心地よさを感じますが、当時の美術界ではなかなか受け入れられず、厳しい評価にさらされました。私たちが親しんでいるルノワールのやさしい表現は、実は絵画における革命でもあったのです。
本展覧会では、ルノワールがその才能と絵画の革命を一気に花開かせたいわゆる『第1回印象派展』出品の代表作、《バレリーナ》(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)をはじめ、初期の印象派展の時代から、後期の無邪気にたわむれる明るい裸婦像まで、国内外の作品を展示し、ルノワールの魅力をあますところなくご紹介します。


昨年国立新美術館で開催された、オルセー美術館、オランジュリー美術館収蔵メインの企画展とは全く別の、宮城県美術館のみの企画展。
巡回展と勘違いしそう(汗)

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《ボート》1878年頃

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《ポール・ムーニエの肖像》1877年頃

こうして年代を追ってまとまってルノワール(1841〜1919)の作品を見ると、時代時代の方向性や思いがよくわかります。
印象派にどっぷりつかっていた30代。色彩が乱れ飛ぶような…モネとの共通点が多い印象です。
初期の肖像画は収入のためで、具象的で依頼主に応えてるなという画風。
ところが家族を描く時は一転淡く、光に融けていくような輪郭と色彩。ルノワールにとっていごこちのいい空気、理想の空間はこれなんだなと言うことがわかります。
注文を受けた作品とプライベートは全く別、使い分けていたんですね。

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《雛菊を持つ少女》 1889年

1980年代は印象派を離れ新古典派の影響。この時代の作品はより具象的で、はっきりしたフォルムがあり、美人はより美人らしく(笑)巨匠にいうのも変ですが、代表作だけ見るとわかりにくい、デッサン力の確かさを実感できます。
いかにもルノワールという感じではないですが、この時代のルノワールはけっこう好きです。
画風だけでなくテーマも明確でわかりやすいような気がします。

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《ピンクと黒の帽子を被る少女》 1891年頃

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《二人の浴女》1918-19年

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《赤いブラウスの少女》1907年)

1990年代になると、リューマチの病もあり、南仏に引っ越して、好きなモチーフを好きなだけ描く、そんな時代。
広大な地所を購入、経済的にも余裕があるからですね。
体はどんどん不自由になっていくと同時に、作品には光にあふれた明るい色彩ばかり、裸婦やどんどん豊満に、表情もあいまいになり、輪郭はますます空間になじんでいく。
人物そのものにはあまり興味はなくて、健康で幸福な少女がいる、豊かな肉体が存在する空間を描きたかった…そんな感じだろうか。

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《バレリーナ》1874年
142.5×94.5cm、油彩・キャンバス
ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵

今回の企画展の目玉、バレリーナ。第一回印象派展への出品された作品だとか。
バラ色の頬をした少女のあどけなさ、ふんわりした白い衣装は背景のグリーンに融けていくよう。差し色の青、桜色のトゥシューズ、アクセントで引き締めるの黒いチョーカー。
すべてがバランスよくなじみ、うっとりと見とれます。
印刷物や画像では平面的で粗い感じですが、実際目にすると、少女が二本の足でしっかりと立っている存在感と背景になじんでいくチュチュのひろがりや奥行きが、3次元のような感じなのです。
これだけでも見る価値はあります。

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デトロイト美術館展

2017年01月06日
デトロイト

デトロイト美術館展
2016年10月7日(金)~1月21日(土)
上野の森美術館
かつて富の象徴であった、その町が可能にした奇跡のコレクション。
モネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、マティス、モディリアーニ、ピカソほか、まさにヨーロッパ近代絵画の「顔」ともいうべき巨匠たちの名画が一挙来日。
1885年に創立して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を通じて、世界屈指のコレクションを誇る美術館として成長したデトロイト美術館。ゴッホやマティスの作品をアメリカの公共美術館として初めて購入したのもデトロイト美術館でした。
このデトロイト美術館は、2013年、デトロイト市の財政破綻を機に、市の財源確保を目的として所蔵品売却の可能性が取りざたされました。しかし、国内外からの協力、そしてデトロイト市民の声により、作品は1点も失われることなく市民の憩い・学びの場として存続しています。
危機を乗り越え、今なお美術館のコレクションの中核を成している印象派、ポスト印象派、20世紀のフランス、ドイツの数々の傑作の中から選りすぐりの全52点をご紹介します。


近代絵画の様々な作品が展示されています。鑑賞にはちょっと忙しいけれど、いろいろ見られて楽しい。
誰でも知っているピカソやルノワールもあれば、私の知らない画家も多数。
ポスターになっているゴッホの自画像は、タッチがとても美しくてすてきです。激しいエピソードがクローズアップされてしまうゴッホですが、作品の多くは構図や色彩が緻密に構築されていて、ゴッホの聡明さが感じられます。この自画像もそこが見所ではないでしょうか。

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クロード・モネ
≪グラジオラス≫1876年 油彩、カンヴァス

冬に見ると、夏の庭が懐かしくなり、つい立ち止まってじっと見てしまう。

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エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー≪月下の冬景色≫
1919年 油彩、カンヴァス

鮮やかなピンクの雪山には禍々しさも、ファンタジー小説の表紙にありそう。
ナチスに迫害されていたキルヒナー、作品はアトリエの窓からの景色、不眠症に悩まされていたという。妄想世界の冬景色という感じもしてきますね。

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パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 年老いた農婦

頭に対し大きく力強い手が、農婦の人生を語っている。

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パブロ・ピカソ《読書する女性》

ピカソ大先生らしい作品、モデルは恋人ドラ・マール。落ち着いた色彩、読書をするドラ・マール、恋愛がとてもうまく行っている時期に描かれたことがわかりますねえ(笑)
うまく行ってない時は、すぐわかるのがピカソ大先生のおもしろいところ(笑)

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ポール・セザンヌ『サント=ヴィクトワール山』1904-1906年頃

セザンヌのサント=ヴィクトワール山はたくさんあり、どれも好きですが、この作品も色合いが美しくていいなと思いました。

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フィンセント・ファン・ゴッホ《オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて≫

天気のいい日にボート遊び…ですが、緑の木々が猛々しくてちょっと怖いです。
ゴッホは、この作品を描いてしばらくして、自ら命を絶ったらしい。

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マチスの室内や花を描いた作品は、どれもおしゃれです。
モディリアーニを久しぶりに見ました。くすんで見える茶やセピアは、実際に見ると琥珀色で、輝くように美しい。モディリアーニはぜひ実物を見て欲しい画家のひとりです。

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クラーナハ展 500年後の誘惑

2017年01月05日
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クラーナハ展―500年後の誘惑|開催中の展覧会|国立西洋美術館
クラーナハ展 500年後の誘惑
2016年10月15日(土) 〜 2017年1月15日(日)
国立西洋美術館
ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を運営して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。
日本初のクラーナハ展となる本展では、そうした画家の芸術の全貌を明らかにすると同時に、彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。1517年に開始された宗教改革から、ちょうど500年を数える2016-17年に開催されるこの展覧会は、クラーナハの絵画が時を超えて放つ「誘惑」を体感する、またとない場になるはずです。


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ルカス・クラーナハ(父)《ザクセン公女マリア》1534年 リヨン美術館

クラーナハらしい女性像。クラーナといえばこの顔、無表情でちょっと気の強そうな切れ長の目が特徴です。
硬質の白い肌には、若々しさとか、わかりやすいお色気は少ないように思う。この感じがクラーナハの好みのタイプなのでしょうね(笑)
ドレスは当時の流行のスタイル、凝ってます。

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ルカス・クラーナハ(父)《マルティン・ルターの肖像》
1525年、油彩/板、ブリストル市立美術館

クラーナハと意識して見てないですが(それ以前に教科書で見ているので)、ルターの肖像画の大半がクラーナハなんですね。
ビジネス感覚に長けたクラーナハは、ビジネスとして積極的に政治に関わっていたらしい。ルターの肖像画は、今で言うなら選挙ポスターみたいなもの。ルターのビジュアルアイデンティティーを確立したのはクラーナハということですね。

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ルカス・クラーナハ(父)「ルクレティア」 
1510/13年頃(個人蔵)

着衣の女性像は堅気な感じがしますが…脱いだとたんに濃密なお色気が…(笑)
聖書のエピソードをモチーフにしていても、描かれた女性のドレスは当時の流行、今も昔も流行の装いをさせることは、リアルなエロスを感させるポイント。
だんだんとクラーナハの世界に引き込まれていいく。

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女性のヌード描きたいなら、神話や聖書の題名付けとけときゃOK!って作品。

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ルカス・クラーナハ(父)「ヴィーナス」 1532年

今回の目玉のひとつ「ヴィーナス」。思ったよりずっと小さい作品です。
神話や聖書に題材をとっても、それはヌードを描く建前で、目的はもっとプライベートな依頼(需要)として描いたらしい。クラーナハの工房で売れ筋商品。
その小ささは、寝室などの密室でこっそり見るのにふさわしい。アクセサリーやヘアスタイルは当時の流行、わざとらしい透明な布が、よりセクシャルを強調している。
上半身は無垢な少女っぽ体で無表情、下半身はむっちり、よく見るとバランスがおかしい。いろいろギャップがあって、より危うい感じに…そこに生まれるエロスを狙っていると思われ、見る側はまんまとひっかかる(笑)

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イラン出身レイラ・パズーキが、クラーナハ「正義の寓意(ユスティティア)」を、中国の画工100人に数時間模写させた。そして壁一面に並べたもの。

なんじゃこりゃ〜な迫力、なにしろ壁一面ですからね(汗)
オリジナルに似ているようで違う、よく見ると上手いのと下手なのいろいろ、当たり前ですが全て違う。ずっと見ているとめまい起こしそう。

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ルカス・クラーナハ(父)《ルクレティア》1532年 ウィーン造形芸術アカデミー

こちらがオリジナル。
子どもっぽいバストと豊かな下半身、アンバランスが生むエロスがクラーナ好み。透明な布はむしろ裸体を強調。

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ルカス・クラーナハ(父)《ホロフェルネスの首を持つユディト》
1530年頃、油彩/板(菩提樹材)ウィーン美術史美術館

ポスターにもなっているユディト。
ゴージャスさに目を見張りました。これはすばらしい、必見です!
北方らしい雰囲気の美女、肩に広がる豊かな金髪が美しい。帽子のビロード使い、とても凝った豪華な衣装、立てた剣の強さ、羽飾りのついた帽子のかぶり方のかっこよさときたら。
そして…手元にある生首。打ち取られた男の顔がなぜか恍惚としている。
ここでもギャップの魅力が全開です。

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女に骨抜きなってしまう男(の絵)多数(笑)
アダムとイブでは、女が男の肩に手を回していて、あきらかにイブに主導権。イブが「リンゴ食べても黙ってりゃわかんないって」…とアダムに耳打ちしてる感じです。

ビジネスとしてクライアントの要求に応え、個人的なヤバいオーダーにも応える。
それでいて、妖しい自分のカラーは主張する。
クラーナハ、なかなかすごいです。

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原安三郎コレクション 広重ビビッド

2016年12月16日


原安三郎コレクション 広重ビビッド
2016年10月29日(土)~12月11日(日) 福島県立美術館
原安三郎コレクション 広重ビビッド | 全国巡回展情報

日本財界の重鎮として活躍した日本化薬株式会社元会長・原安三郎氏(はらやすさぶろう・1884~1982)の蒐集した浮世絵コレクションのうち、歌川広重(うたがわひろしげ・1797~1858)最晩年の代表作である〈名所江戸百景(めいしょえどひゃっけい)〉、および〈六十余州名所図会(ろくじゅうよしゅうめいしょずえ)〉を中心にご紹介いたします。前者は江戸名所、後者は五畿七道(ごきしちどう)の68ヶ国の名所を題材としており、とくに前者は当時からたいへんな人気を博していました。需要の増加とともに、摺りの手数を簡略化した「後摺(あとずり)」が複数制作されるようになりますが、本コレクションのものは、貴重な「初摺(しょずり)」のなかでもとくに早い時期のもので、国内にも数セットしか存在しません。初摺の行程では、広重と摺師が一体となって色彩や摺りを検討しながら進めており、広重の意思が隅々まで込められています。また、版木の線が摩滅せずシャープなため、美しい彫りの線が確認できます。つまり本展では、広重が表現しようとした形や、生涯を通じて追い求めた色彩および彫摺技法の粋を見ることができます。さらに、保存状態が極めて優れているため、退色のない摺りたての姿が鑑賞できる、またとないチャンスです。このふたつの揃物(そろいもの)を全点公開するのは、本展が初めてのこととなります。
〈名所江戸百景〉に関しては、江戸在住の広重が実際に足を運び、写生したものが基になっていると考えられています。一方、〈六十余州名所図会〉については、その大半が典拠資料を参考にしていますが、画面構成に広重の心象風景による表現を加え、オリジナリティーを出しています。
あわせて、本展では葛飾北斎(かつしかほくさい・1760~1849)や歌川国芳(うたがわくによし・1797~1861)の名所絵なども展示いたします。とくに、現存数の少ない北斎の〈千絵の海(ちえのうみ)〉が10図すべて揃うのも見どころのひとつです。国内外でも稀に見る名品の数々をぜひお楽しみください。


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六十余州名所図会 美作 山伏谷 
歌川広重 大判錦絵 嘉永6年(1853)

広重は見る機会が比較的多いですが、これだけ揃うとやはり壮観。
頻繁に取り上げられる有名作品から、私にとって初見(記憶がないだけかもしれません)まで、見応えがありました。
またずいぶん昔に見ていても、時を経て見ると印象も変わり、新しい発見やおもしろがありました。

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六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波 
歌川広重 大判錦絵 安政2年(1855) 

最もインパクトがあったのはこの作品。
轟音と飲み込まれそうな迫力の鳴門の渦潮。
六十余州名所図会は、実際に現地には行かず、参考資料を基に描いたそうですが、だからこそ描けるのかもしれませんね。
広重ならブラックホールだって描けそう!(笑)

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六十余州名所図会 「紀伊 和歌之浦」

花札みたいです。
こんな鳥瞰では実際見られないですが、一連の作品で、広重の構築力のすごさを見せつけられた感じ。

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名所江戸百景 するかてふ 
歌川広重 大判錦絵 安政3年(1856) 

名所江戸百景は、現代なら東京ガイドブックですね。
江戸在集の広重が足を運び、スケッチしたのではないかという。こんな場所なら行ってみたい、情報がたくさん詰まってます。

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名所江戸百景 市中繁栄七夕祭

大胆な構図におお〜と思う一方、七夕飾りでは繊細で優美な曲線を描いている。色といい、とてもかわいらし作品。
広重のチャンネルの多さに感心。

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名所江戸百景 亀戸梅屋舗
歌川広重 大判錦絵 安政4年(1857)

ゴッホも所有していた有名作品。
改めて見ると、現実の風景にはないだろう赤のグラデーションが艶っぽいですね。

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名所江戸百景  大はしあたけの夕立
歌川広重 大判錦絵 安政4年(1857) 

これも有名な作品ですね。
雨や風、雪…広重の表現は、特に荒れた天候で(笑)独創的で本当にすばらしい。
上部の黒い煙のような雲が雰囲気を盛り上げてます。

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名所江戸百景「深川洲崎十万坪」歌川広重 

かっこいいです!広重は鳥になれるのでしょうか?こんな鳥瞰、俯瞰は、現代なら空撮やドローンで見慣れてますが、当時、想像して描くってすごいです。
遠景に描かれているのは筑波山、江戸なら富士山と思ってましたが、このシリーズでは富士山と同じくらい?筑波山が登場してました。

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名所江戸百景 王子装束ゑの木 大晦日の狐火 歌川広重 大判錦絵 安政4年(1857)

これはおもしろい作品で、じっくり見てしまいました。ファンタジー小説の挿絵だと言われても納得しそう。
「深川洲崎十万坪」もそうですが、「江戸」というファンタジー世界がどこかにあるのかも。
日本昔話というより、アーサー・ラッカムやカイ・ニールセンなど、イギリスの挿絵の黄金時代のような、西洋的な香りがします。
アーサー・ラッカム

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冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏
葛飾北斎 大判錦絵 文政末~天保初期(1829~32)

広重以外も名作多数。北斎や国芳の作品も。
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の刷りの再現など、興味深い展示もありました。
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MOA美術館名品展

2016年12月03日
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東日本大震災復興支援 MOA美術館名品展
2016年11月5日(土曜日)~12月11日(日曜日)
郡山市立美術館
MOA美術館(静岡県熱海市)は、国宝3件、重要文化財65件を含む約3,500件のコレクションを所蔵しています。日本や中国をはじめとする東洋美術の逸品の数々は、きわめて質の高いコレクションとして国際的に高い評価を受けています。
今回はその秀逸なコレクションから、桃山~江戸時代の名品を展示いたします。そのなかには、岩佐又兵衛勝以作と伝わる「山中常盤物語絵巻」と野々村仁清作「色絵金銀菱文重茶碗」の2件の重要文化財も含まれています。また、豊臣秀吉や千利休ゆかりの茶の湯にかかわる名品、俵屋宗達や尾形光琳・乾山らの琳派の傑作、菱川師宣から葛飾北斎までの肉筆浮世絵などをご覧いただきます。
東日本大震災から5年、今なお復興途上といえる福島県民にとって、これらの優れた美術品を鑑賞することが心の癒しとなり、明日への新しい活力を生み出すきっかけとなれば幸いです。


展示数はわりと少ないなと感じましたが、手頃な鑑賞ガイドブック(詳し過ぎて読む気が失せることもない)がもらえたり、ゆっくり鑑賞するには、とてもいい企画展でした。

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「瀬戸茶入れ 銘 臨月」室町時代 豊臣秀吉・福島正則所持

茶道には詳しくないので、こういう時でないと茶道具をじっくり見ることもない。
秀吉が配下に贈った名品、ふっくらした形が妊婦に似ていることから「臨月」…おお〜そうなのか。
ねっとりした艶がなんともいえない色気、ぽってりユーモラスな形がおもしろい。

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野々村仁清「色絵金銀菱文茶碗」(重要文化財)江戸時代

エキゾチックな文様は、シルクロードから渡ってきましたと言われても信じてしまいそう。
仁清なんですね。

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「色絵五艘船文太平鉢」伊万里 江戸時代

オランダ船との交易が盛んな頃に生まれた文様。
8人のオランダ人と3艘のオランダ船が描かれています。豪華で飾り皿として立派ですが、描かれているオランダ人が漫画っぽくてなんか楽しい。

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伝 岩佐又兵衛勝以「山中常磐物語絵巻」第1巻(重要文化財)江戸時代

「山中常磐物語」は奥州にいる牛若丸(義経)を探しに旅立った母の常盤御前が殺され、牛若が仇討ちをする話。
展示されている絵巻物の場面は、牛若が生きているとの文をもらった常盤御前の様子。
現代で見ると、地味でわかりにくいと思うことが多い絵巻物ですが、常盤やおつき達の興奮が静かに伝わってくるよう。ドラマチックな絵巻物。

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長谷川派「柳橋図屏風」桃山時代

舞台は京都宇治川、宇治橋に柳、水車、月…桃山時代から繰り返し描かれてきた画題です。
「柳橋図屏風」はこれままでたくさんのバージョン見たかも。
金に覆われ、図式化されたモチーフはリアルな風景とはかけ離れ、象徴のその先という感じ。モチーフは、一説では浄土へと渡る橋、水車は輪廻、月は仏の光だとか。
六曲一双はとても大きくてディープな世界。屏風は実際に目の前にしないとわからないことが多いですね。

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