復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト2017

2017年04月04日
復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト2017
3月29日(水)
郡山市民文化センター

第一部
夜明けから日暮れまで
花は咲く
ア・カペラ混成合唱のための「朝ドラ」より ありがとう
こころよ うたえ
くちびるに歌を
(合唱:郡山東高校・安積高校)

第二部
エトピリカ
朝日のあたる家
情熱大陸
 葉加瀬太郎(ヴァイオリン)
 西村由紀江(ピアノ)
 柏木広樹(チェロ)

アンコール
見上げてごらん夜の星を
ひまわり
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三菱財団が中心となっている復興イベント「 歌の絆プロジェクト」
葉加瀬さんが来るらしい、無料ということもあり、平日16:00の公演でも客席はほぼ満席。

第一部は、高校合唱でした。福島は音楽教育、特に郡山は合唱で有名な学校が多数あります。今回は安積高校から10名、郡山東高校から51名、聞き惚れました。とてもよかったです。
私は合唱の中でも中高生の合唱が好きです。テクニックや完成度は、大学やシニアの合唱団に及ばないかもしれませんが、この年代特有の瑞々しさがいいのです。

私はふだん高校生と接することはないのですが、たとえば今の社会でイメージする大多数の高校生…考えていることがわからない、熱くもならない、スマホでゲームばかりしてる、なんとなく手応えのないイメージなんですが(もちろんそうでない人もいます)、この日、目の前で歌っていた高校合唱部は明るくさわやかで、日本人から失われてしまったかと思うような清冽な魅力にあふれていて、ちょっとびっくり。
「くちびるに歌を」など、メッセージ性の高い楽曲が多かった事もあるかもしれません。
二校の部長が話す内容もしっかりしていて、彼らは本当に今の時代の高校生なのかと(笑)もしかしたら、二面性があるのかもしれないですが(笑)
まあとにかく、合唱はとてもすてきでした。ライブでこそですね。

二部は葉加瀬さん達のライブ。
しゃべりも楽しいエンターテイメントなライブでした。
代表曲エトピリカからはじまり、「情熱大陸」では、客席でハカセンスで踊る人が…!
え?復興イベントだよね?と思いましたが、葉加瀬さんも煽る煽る…で、オールスタンディングに(笑)

しかしこの日のメインは、アンコール。
葉加瀬さんの「ひまわり」(朝ドラの「てっぱん」テーマ曲)
東日本大震災の時放送されていた朝ドラが「てっぱん」、震災報道で休止が1週間、放送が再開されてようやく日常が少しずつもどってきた…そういう声がたくさんあったらしい。
曲だけでしたが、松井五郎さんが歌詞をつけて合唱部とコラボする企画。今回初披露。
なかなかよかったです。

震災以降たくさんの復興イベントが開催されてきました。
やたら励ますとか、御涙頂戴な感動を要求するようなイベントも多かったですが、ここ数年はおだやかに音楽を楽しめる、そういう内容が多くなって、個人的にはうれしいです。

復興支援音楽祭、福島・郡山で開催 葉加瀬さんら演奏 2017年3月29日
東日本大震災からの復興を音楽で後押しする「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」(主催・三菱商事、福島放送、朝日新聞社)が29日、福島県の郡山市民文化センターで開かれた。被災者を含め約1900人が訪れ、バイオリニスト葉加瀬太郎さんらの演奏や地元の郡山東、安積両高校合唱部の歌声に聴き入った。
葉加瀬太郎、高校生たちと共演 2017年3月30日
ヴァイオリニストの葉加瀬太郎、ピアニストの西村由紀江、チェリストの柏木広樹が29日、郡山市民文化センター(福島県・郡山市)にて行われた、『復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト2017』に出演。3人は昨年に引き続き歌のチカラで被災地を応援すべく、音楽でステージを盛り上げた。
復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト(2017) 朝日新聞
東日本大震災からの復興を音楽で後押しする「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」(主催・三菱商事、福島放送、朝日新聞社)が29日、福島県の郡山市民文化センターで開かれた。被災者を含め約1900人が訪れ、バイオリニスト葉加瀬太郎さんらの演奏や地元の郡山東、安積両高校合唱部の歌声に聴き入った。

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郡山市内には合唱で有名な学校が多数あります。今回は安積高校と郡山東高校、ぶっちゃけここより有名な中高の強豪校が実はあるのですが、あれいない?…と思ったら…
みんなむっちゃ忙しかったらしいことが判明(汗)
青少年合唱団ウィーン公演 音楽の都感動包む 重ねた歌声友情の証 2017/03/26
ウィーンで24日夜(日本時間25日未明)開かれた県合唱連盟青少年選抜合唱団とオーストリア地元合唱団のジョイントコンサートは、両国の未来の合唱界を担う若者が音楽を通して交流を深めた。
古都に未来の音色響く 青少年合唱団欧州公演 2017/03/29
コーラル・アウローラ本選へ 全国声楽アンサンブル・一般部門 2017年03月20日
第10回声楽アンサンブルコンテスト全国大会第3日は19日、福島市音楽堂で一般部門を行った。県勢はコーラル・アウローラが金賞に輝き、本選出場を決めた。コーラル・アウローラは安積黎明高の卒業生を中心にした混声合唱団で3度目の出場。

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東北ユースオーケストラ2017 郡山公演

2017年03月29日
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一般社団法人 東北ユースオーケストラ: Tohoku Youth Orchestra

東北ユースオーケストラ演奏会 2017郡山公演
3月26日(日)
郡山市民文化センター

演奏:東北ユースオーケストラ
音楽監督・ピアノ:坂本龍一
指揮:栁澤寿男
朗読:吉永小百合
歌・三線:うないぐみ
司会:渡辺真理

●演奏曲
 「ラストエンペラー」
 「八重の桜 メインテーマ」
 「母と暮せば」
  藤倉大 作・編曲「Three TOHOKU Songs」
  (大漁唄い込み、南部よしゃれ、相馬盆唄)
 「てぃんさぐぬ花」
 「弥勒世果報(みるくゆがふ)」
 「マーラー 交響曲第1番」(巨人)
 (アンコール)坂本龍一「ETUDE 」
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東日本大震災被災3県から募集した小学生から大学生まで、100人のオーケストラ。
100人ともなるとけっこうな大所帯、ステージはいっぱいです。
あれ?ユースじゃない人が…と思ったら、助っ人として3名ほどプロの演奏家が入っているらしい。

第一部はは「ラストエンペラー」など、坂本龍一さんの代表曲から。
そして、ゲストの吉永小百合さんが子どもの詩を朗読。
吉永さんを生で見られたことはミーハー的にうれしいけれど、今回の公演に詩の朗読ってどうなのだろう、少し違和感。復興や震災関連、彼女の出演でイベントの格がぐっと上がるのはわかります。
吉永さんも美しいけれど、ギリシャ神話に出てきそうなドレスの渡辺真理さんもすてきでした。

そして沖縄民謡の女性グループうないぐみが登場して、オケとコラボ。
沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」、坂本龍一作曲「弥勒世果報(みるくゆがふ)」
すごく良かったです!沖縄の歌詞もほとんどわからない、ききとれないのですが。
「てぃんさぐぬ花」もいいけれど、「弥勒世果報」が心と体にダイレクトに響いてきます。新しい曲とは思えないほどエキゾチック、ちょっと儀式的な雰囲気もあります。
ユースの若くて完成されていない音色と、遠く離れたところで暮らす子どもを故郷で静かに思う母、あるいは母的な大地からあふれる何か…このコラボはいいです。

うないぐみ+坂本龍一「弥勒世果報 (みるくゆがふ) - undercooled」(歌詞付)
坂本龍一の最新作は、沖縄民謡女性4人グループ「うないぐみ」とのコラボレーションチャリティシングル!
タイトルの「弥勒(みるく)世果報(ゆがふ)」は沖縄古来の信仰で「弥勒神(みるくがみ)がもたらす理想的な平和で豊かな世の中」の意。沖縄語の歌詞の内容は自然賛美~戦争の哀れ~弥勒(みるく)世果報(ゆがふ)への願いを歌っている。


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第二部は「マーラー 交響曲第1番」(巨人)
うわ〜ユースで攻めてるな〜と、誰もが思う難曲ですが、オケの団員がやってみたい曲として多かったとか。
若いなあ、青いなあとは思います。ただ一緒に練習する時間も限られていることを考えるとよく頑張ったと思います。
演奏時間約55分、聴く方の自分もちょっと心配でしたが(汗)よくここまでまとめあげたなと感動です。

アンコール「ETUDE 」はオケ版で大迫力、華やかに終わりました。
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地元で万感の演奏 東北ユースオーケストラ郡山公演 福島民報 2017/03/27
東日本大震災を経験した福島、岩手、宮城各県出身・在住の小学生から大学生約100人で編成する「東北ユースオーケストラ」は26日、郡山市民文化センターで初の県内演奏会を開いた。
坂本龍一、東北の学生オーケストラと共演 復興支援に決意新た「しつこく忘れない」2017-03-25


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第5回野口英世記念ばんだい高原国際音楽祭

2016年10月17日
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第5回野口英世記念ばんだい高原国際音楽祭
2016年10月6日〜10日・福島県猪苗代町周辺24公演

今年で5回目となる「ばんだい高原国際音楽祭」に今年もやって参りました。
若手音楽家を中心に、リーズナブルな料金で、いろいろ楽しめるありがたいイベント。スケジュールやプログラムを見ながら、どれにするか選ぶのも楽しい。
私はもっぱら、音楽ホールの学びいなにいました。ライブのあいまには、ロビーでギターの竹内永和さんが演奏していたり、大サービス。ライブが終わればサイン&握手会、常連さんが「また来たよ」…みたいな会話をかわしていたり。
私は2日間で5公演参加。お手頃といってもたくさんは、さすがに無理ですねえ。
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10月8日
●愛!ソプラノの世界的名花とともに〜歌曲王シューベルト〜
シューベルト:
ます、野ばら、ナイチンゲールに、若い尼僧、さすらい人の夜の歌 、ガニメード、岩の上の羊飼い(クラリネット付)
 コロン・えりか(ソプラノ)
 碓井俊樹(ピアノ)

ソプラノのコロン・えりかさんは初めて聴きます。
南米生まれで日本、イギリスで学んだとか。外見は日本人っぽいけれど、歌声は(一般的な意味で)日本人のソプラノか歌手とは全く違う。欧米系の喉(骨格)なのでしょう、高音に余裕があるんですよね。
初々しい感じのお嬢さんが歌う野ばら、ナイチンゲール、若い尼僧…いずれも清らかでまっすぐ、好感の持てる歌声でした。

関係ない話ですが、ピアノ(とトーク)の碓井さんの楽譜の大半がiPadで、会場がちょっとざわついたり(笑)ま、そいういう時代かと。他の公演では普通の紙だったけど(笑)
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10月8日
●誘!ノエ・乾と巡るウィーン音紀行〜魅惑のシューベルト&クライスラー〜
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲D.934
クライスラー:前奏曲とアレグロ、ウィーン奇想曲、愛の喜び、愛の悲しみ、美しきロスマリン、中国の太鼓、ジプシーの女、ウィーン狂詩曲風幻想曲 ほか
サンサーンス:序奏とロンドカプリチオーソ
 ノエ・乾(ヴァイオリン)
 碓井俊樹(ピアノ)

音楽祭の事実上の座長のような存在、ヴァイオリニストのノエ君です。
シューベルトの幻想曲は、聞き応えのある楽曲でした。「人生のすべてがつまっている」みたいことを話していたけれど5年前からノエ君のヴァイオリンを聴いていますが、勢いとテクニックだったころから、選曲含めて彼の成熟がわかるというか、ちょっとじーんときました。
この曲には「人生のすべてがつまっている」みたいことを話していたけれど、本当に喜怒哀楽さまざまなシーンを思い起こさせるような演奏でした。ちょっとエキゾチックな要素も入っているのかな。

クライスラーの一連の名曲は、ロマンチックですてきでした。

今年はヴァイオリンを解体するほどの大掛かりに修理をして、いろいろ心配だったそうですが、戻ってきたら30%位音が向上したそうで、演奏が楽しくてたまらない…みたいなことを話していました。
最近大きなオケとの競演が決まったということで、そこで演奏する「序奏とロンドカプリチオーソ 」は思い入れがたっぷりで、なんかこう情的なところをつかまれてしまった感じ。なんとなく成長見守りポジションになってしまったもよう(笑)本番がんばってほしいです。
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10月8日
●レイトショー in 学びいな
ベートーヴェン: チェロ・ソナタ 第3番
 レオナルト・エルシェンブロイヒ(チェロ)
 アレクセイ・グリニュク(ピアノ)

今年の音楽祭の私の目玉、レオナルト・エルシェンブロイヒ。
30分の短い公演は、レオナルトのスケジュールで後から決まったらしい。ピアニストと一緒に、「さっき韓国から成田に着いたばかり」…だとか(汗)
遅い時間だったこともあり観客少なくて、なんてもったいないと思う。
当初リストの予定だったプログラムは、前日の釜山でもりあがったベートーベンのチェロソナタに変更。
疲れているはずですが、前日の興奮をそのまま引きずってきたかのような熱情に引き込まれました。ピアノも熱っぽい色気があってよかった。
レオナルトのチェロを最初に聴いた時、音が体に直接響いてきました。演奏者なら体も楽器の一部のようになれるのでしょうが、聴いてる側が音を聴くと同時に「音を体で感じられる」っておもしろいと思う。
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10月9日
●凄!最強トリオが贈るロマンの嵐〜濃厚ロシア名曲集〜
ラフマニノフ:チェロ・ソナタ Op.19
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大なる芸術家の思い出」Op.50
レオナルト・エルシェンブロイヒ(チェロ)
アレクセイ・グリニュク(ピアノ)
ノエ・乾(ヴァイオリン)

前日のレオナルトとアレクセイに、ノエ君が加わり、ロシア名曲。
私が見た公演で最も盛り上がりました。
若手演奏家同士、共演と言うよりは競演、どんどん熱く激しくなる演奏に会場も熱を帯びてくる。最後はスタオベ!
鑑賞に来たはずが、競い合う若手演奏家に巻き込まれてしまって…これはこれで、とてもおもしろかったです。
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10月9日
●薫!錦秋の馬頭琴ライブ〜大地と風と虹と〜
楽曲|アルタンホヤグ/モンゴル民謡/
モンゴル伝承曲/
ゴンチグソムラー/スフバータル/アルタンゲレル/
ダムディンスレン/ジャンツァンノロブ ほか
デルゲルマー(馬頭琴)
碓井俊樹(ピアノ)
竹内永和(ギター)

この公演は、裏磐梯ロイヤルホテルのラウンジが会場。サロンの雰囲気でゆったり。ステージはすぐ目の前です。
馬頭琴はずいぶん前に聴いたことがあり、懐かしく、また聴きたいなと思っていました。
今回はモンゴル音楽に詳しい方の解説付で、なるほどとという話がたくさん聞くことができました。
馬頭琴といっても、木製で見た目はバイオリンに近い楽器です。元は動物の皮や毛で作られた民族楽器だったのですが、とてもチューニングが難しく、音も小さい、他の楽器との共演もむずかしい。そこから改良されたわけですが、歴史的に深い関係にあるソ連(現ロシア)の影響(事実上のプロデュース、あるいは指導)により、木製のヴァイオリンに似た、今の形になったらしい。
ソ連の下で社会主義国家モンゴル人民共和国(1924〜1992年)が独立した歴史があり、モンゴルの音楽家のほとんどがソ連で学んでいたらしい。楽器も音楽もロシアクラシックの影響を受けているのがモンゴル音楽。

デルゲルマーさんは、伝統的に男性奏者が多い馬頭琴では珍しい女性奏者。華やかな民族衣装に身を包んだ若く美しく女性です。
技術的なところはよくわからないのですが、きっちりした演奏は少し音が固いかなという印象。こういう演奏の方がオーケストラとの共演は向いているのかな。
ライブの楽しさはあるけれど、アドリブの叙情的な香りがあれば、もっと私の好みなんですが。
モンゴルではなくてはならないのが馬。馬をテーマにした曲がたくさんあり、馬のいななき、草原を駆ける駿馬など、馬への強い愛情が感じられました。
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舘形比呂一『KUROZUKA 闇の光』

2016年09月13日
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『KUROZUKA 闇の光』
9月9日(金)、10日(土) 両日共18:30~ 
会場:安達ヶ原ふるさと村 農村生活館
舞踊:舘形比呂一、脚本・構成:谷川渥、音楽:落合敏行、企画・美術:渡邊晃一、
振付:加賀谷香、照明:浦佳忍、舞台監督:佐藤善美(株式会社ライト・ヴァージ)
主催:はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト

2年に一度開催される福島現代美術ビエンナーレ2016、今年は二本松市が開催地になりました。
毎回ダンスパフォーマンスを見せてくれるのが舞踊家の舘形さんで、今年も楽しみにしていました。
会場は、安達ヶ原ふるさと村農村生活館、安達ヶ原ふるさと村は、鬼婆伝説が残る黒塚に二本松市が観光施設として作ったテーマパークで、オープン当初こそ華やかでしたが、まあなんというか…時代とともにさびれていったことは否めません。
農村生活館は、明治時代の初期の二階建ての農家を移築したもので、私は初めて来ましたが、藁葺きの大きな農家で、昔話でいうなら地主か庄屋か、大きく堂々とした建物です。
ビエンナーレの舘形さんは、常設のステージではない場所でパフォーマンスをするのも見所です。原っぱや蔵だったり、その場所とのコラボといってもいいかもしれません。
今回は「KUROZUKA 」を黒塚で公演というすごい機会です。
この農家の前が特設の客席、農家がどのように使われるか、どこから登場するのか、始まるまで全くわからなくてドキドキ、おもしろかったです。

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舞台に立つのは舘形さん一人、老女、若い女、鬼女を演じます。
障子越しに聴こえる糸車の音が、長い長い年月を感じさせるオープニング。
老女は枯れ果て、カサカサと音がしそうな、生き血を飲まないともろもろと崩れてしまいそう、バンパネラのように。糸車が紡ぐ赤い糸は、血をイメージしているように見えますが、部屋にめぐらされたとたんに結界のようにも見えてきます。

若い女、私は最初、母に殺されてしまう娘かなと思っていたのですが、2日目の舞台後にあいさつされた脚本の谷川渥さんによれば、老女の若い頃、京の都の栄光の娘時代を回想しているらしい。
いずれにしても、舘形さんの演じる若い女は妖しくも艶やかでした。笑みをうかべたり、しなをつくったり、美しさも女としての性も絶頂にある自信と幸福にあふれていました。
どこをとっても優美な所作、顎から首のラインが美しくて見とれました。

そんな若い女に破綻が訪れます。
人を喰らう鬼女の迫力、血の海と化した座敷。抑えきれない鬼女の衝動と、鬼女に成り果てた老女の慟哭。罪や後悔はとうに超えて、怒り悲しみ苦しみの地獄でのたうち、死ぬ事すらできない。
舘形さんの美しい肉体から…ある意味限られた箱である人の体から、これほど一気に感情がほとばしるのかと…圧倒されました。圧倒されて表現を思う隙もなかった。
地獄に堕ちてもなお品格を失わない舘形さんのすごさも。
終わりは、鬼女に訪れる受容と光。
残酷な内容より内面の変化のすさまじさ、終えたのち心に残るのは、全て焼き尽くし、浄化されたようなさわやかさでした。屋外という舞台が必然のように感じました。

もともと定員100人の客席でしたが、舘形さんの目の光まで見える位置で見られたことに感謝。

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今回の公演は映像作品となり、これまで制作されたKUROZUKAとともに公開されます。日時等、告知がどうにもわかりにくいので、いらっしゃる方はよく確かめてからおいで下さい。

10月23日(日)11:30〜 福島県男女共生センター
映画『黒塚』 制作:はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト
《KUROZUKA 黒と朱》2014年、主演:平山素子(舞踊家)
《KUROZUKA 黒と光》2015年、主演:大野慶人(舞踏家)
《KUROZUKA 闇の光》2016年、主演:舘形比呂一(舞踊家)
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福島現代美術ビエンナーレ2016
会期:2016年10月8日~11月6日
会場:二本松市を中心とした15の展示会場
http://twpf.jp/fuku2016bien
facebook.com/fuku2016bien
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NHK交響楽団 郡山公演

2016年08月31日
NHK交響楽団 郡山公演
2016年8月22日(月)6:30pm
郡山市民文化センター 大ホール
指揮:ジョン・アクセルロッド
ソプラノ*:森 麻季

グノー/歌劇「ファウスト」― ワルツ
グノー/歌劇「ロメオとジュリエット」― ジュリエットのワルツ「私は夢に生きたい」*
マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」― 間奏曲
ベッリーニ/歌劇「カプレーティ家とモンテッキ家」―「おお、いくたびか」*
プッチーニ/菊の花
プッチーニ/歌劇「ジャンニ・スキッキ」―「私のお父さん」*
プッチーニ/歌劇「ボエーム」―「私が町を歩くと」(ムゼッタのワルツ)*
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36

アンコール シチリアーナ


今回の公演は、有名曲も多くてとても聴きやすかったです。
グノー「ファウスト」からワルツは、軽やかなリズムと違う緊迫感があって、オープニングとしておもしろかったです。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、さんざん聴いてるわけですが、N響の弦楽器のハーモニーが厚みを増していく感じがすばらしくて、ライブならではだと思いました。
先日TVで歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」を見たばかりなのですが、あのどろどろした人間模様の歌劇で、間奏曲が美しすぎるんですよね(笑)なんとなく地上では泥沼人間関係、右往左往でも、空は澄み渡り清らかな風が吹いている、そんなイメージか。

弦が特によかったと感じたのは、プッチーニの「菊の花」。少し抑制的な始まりが東洋的で、そこから繊細な花弁が静かに折り重なるようにバイオリンの音色が重なっていく。そして曲が盛り上がり、弦楽器の丸みを帯びたボリュームがすばらしい。ふわーっと大輪の菊が咲くイメージ、やがてはらはらと散ってく、そんなイメージが鮮明に浮かびます。

一部のソプラノは森麻季さん。
お美しい〜美貌とスタイル、そして声に宿る華。主役を歌う方なんだなと納得。
ロメオとジュリエット、「カプレーティ家とモンテッキ家」、切々と歌い上げるヒロイン、森さんは女優的で運命に翻弄されるヒロインにぴったり。
そういう意味で「ムゼッタのワルツ」は、聴いていて楽しいけれど脇役の歌なので、森さんには少し違うかも…比較すればの話ですが。

二部はチャイコフスキー「交響曲 第4番 ヘ短調 作品36」
王道の交響曲、少し暗め、内省的であーでもない、こーでもない曲調はわりと好きです。
ここでも弦楽器のすばらしさが、個人的には金管楽器が少しだけ物足りないような。
たっぷりと音楽に浸れる、とても聞き応えのある交響曲でした。

アンコール「シチリアーナ」
これもまたいい、これを聴いて帰れるっていいですよ(笑)
とにかくN響の弦楽器がすばらしかったです。


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