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日高 敏隆「ぼくの世界博物誌」

2011年06月19日

ぼくの世界博物誌ぼくの世界博物誌
(2006/11/03)
日高 敏隆

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動物行動学者、日高先生のエッセイ。
40年以上前、留学で訪れた初めての外国フランスからはじまり、研究や学会で訪れたマレーシアサバ州、北極、南太平洋、アフリカ、北欧、中国、モンゴル、石垣島…
妻や娘と旅をしたギリシャ、ソウル、バリ、恐山…
そこで出会った人たち、犬や猫、おいしいもの、おいしくなかったもの…
よくもまあ、いろいろな所に行ったものだなあと思います。
合間に大好きな猫のこと、昆虫や蝶のこと。
どれも思いつくまま、専門的ことまでは触れていないので、日高先生のおちゃめな文章を楽しみながら読めました。
その中でもフランスは、先生にとって遅れてきた青春時代、特別な地なんだんなあと感じます。

最後の章が「人間の文化、動物たちの文化」
人間と動物は違うけれど、それはただ生き方のパターンが違うだけで、偉いわけでもない。…人間は自然を支配して生きていくようになった。けれどそのために、たくさんの深刻な問題もつくりだしてきた。動物たちのそれぞれの生き方を知ることで、ぼくら人間自身の生き方も見えてくるのではないか。

昆虫学をめざす少年時代から、もっと広く動物行動学をやりたいと考えた日高先生。
戦争が終わってこれからは世界中の国に行けるようになるはずだと、外国語を勉強するようになります。英語、フランス語、ロシア語の訳書があり、たしかドイツ語、ギリシャ語も話せるはず…すごいですよね。
しかしこんなくだりも…
「いろいろな国の人に会うだろう、その時にはやっぱりその国の言葉で女の子をくどいてみたいな…」
やっぱりそこか!と(汗)

日高先生は2009年に亡くなりました。
今生きていらっしゃったら、3.11以降のことをなんと言うだろうか?日高ファンとして、ついそう思ってしまいます。
後半生は、おおやけの組織とわりとうまくつきあってきた先生だし、社会批判みたいなことは、表だっては言わなかったですが、少なくとも私は見ていない。
あまり悲観的なことは言わないような気もします。案外、御用学者みたいことしか言わないかもしれないけれど(汗)
それならそれで「えぇ~い、ジジイめ!」と、ツッコミながら聞きたい(笑)

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Comment
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>SOさん
こちらにもコメントありがとうございます。
日高先生の人生はユニークで充実したものだった、そういう意味で幸せな方だったと思います。
ファンとしてそこはうれしいのですが…ORさんのおっしゃる通り、今この時期に生きていて、たくさん話して欲しかった、そう思わずにはいられないのです。

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