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2011年秋、福島のお米

2011年10月15日
新米のシーズンになりました。
全国4位の米どころ福島県は今年豊作ですが、原発事故の影響は私たちに重くのしかかっています。生産されたお米は福島県全域で基準値を下回り、出荷が可能になりましたが、簡単には喜べません。

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県産米「安全宣言」農家安ど 残る心配は「風評」(2011年10月13日 福島民友ニュース)
二本松・旧小浜のセシウム突出は「砂多く、高濃度に」(2011年10月13日 福島民友ニュース)
消費者の信用は農家の心晴れず 2011年10月13日朝日

福島県では、収穫に先駆け予備調査を行った結果、二本松市旧小浜町地区の1検体で、国の基準とほぼ同じ500ベクレルが検出されました。結果を受けた二本松市は、調査ポイントを(たしか30ポイントから)300ポイントに増やし本調査、その結果二本松市全域で基準値を下回り、出荷が可能になりました。
私が聞いたところでは、下回ったとはいえ基準値に近いこの農家のお米は別途管理、実際に市場に出回ることはないようです。それはしない方がいいというのが、このお米を出荷した農家や自治体の本音のようです。
また農家から農協に出荷されたお米は、袋(1俵)ごと全てに、生産者住所が記載され、何事かあれば特定できるようにしているようです。
ただ、小売店に並ぶのはブレンドされているはずですので、消費者自身が生産者を突き止めるとこまではできないと思います。
いずれにしても、今年のお米に関して販売に影響が出ることは避けられないと思いますが。

調査結果は下記で知る事ができます。

ふくしま新発売 農林水産物モニタリング情報
穀類→米(本調査or予備調査)・期間・地域指定ができます。
検索しないと出ないのが面倒ですが、地域、小数点以下まで、かなり詳細に掲載されています。
ざっと見たところ、ほとんどの地域でND(未検出)、2割くらいの地域で10~20前後、ああでも70~80ベクレルも数件、むむ160も1件あるなあ(汗)

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あとは、福島県のお米を皆さんが食べるかどうかですね。
国の基準値は1キロあたり500ベクレル、高すぎると言われる根拠は、他国がずっと低い基準値だからです。
情報がいろいろあり、よくわからないのですが、野菜の基準値が日本の500ベクレルにたいし、アメリカが170ベクレル、ウクライナ40ベクレル(中部大学武田先生ブログより)
もっとも今現在公表されている数値が、そもそも信用できない!…と、考える方もいらっしゃるので、そうなると、この話はなかったことに…(汗)

私個人としては、近所のお米が問題ない(未検出)ことがわかったので、食べます。
この夏も、ほとんどの野菜に出荷制限は出ていませんでしたので、地元の野菜を食べていました。
私はこの土地に暮らしており、地域のニュースだけでなく日々地域を見ています。自治体の涙ぐましい努力も、アテにならない駄目さ加減も見ています。
ネットなどでは、まことしやかに語られる怖い話もありますが(汗)、私の場合どこでどんな人が作っているか調べているか、ある意味「顔」を見ているので、わかることがあると言ったらいいでしょうか。
すべては隠蔽されているのだ!…とおっしゃる方もいますが、こちらでは線量計持つ人も多いですし、NPO法人などで食品や水のベクレルを計ってくれるところも多くなりました。
目の前のことを見ないで、ネットの情報だけが真実とは言えないと思います。
わからないことだらけではあるけれど、何もわからないというわけではないと考えています。

だからといって、ここに暮らす人が皆地元産の食品を食べているかというとそうではなく、食べない人もいます。
見ていると、子どもがいるどうかもありますが、年配の方に慎重な方が結構いて、(年齢的に)関係ないのでは…と、思わず言いたくなりますが、それは個人の考え方なので。
…何も考えてない人もいます(汗)

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あくまで私個人の考え方ですが…
福島の農家を救うために、(基準値以下の)放射性物質が含まれたお米や野菜は、子ども以外の大人、放射線の影響が考えにくい年寄りが食べればいいという説があります。
これが科学的に正しいとしたら、「年寄りが食べれば…」に罪悪感を感じる必要は全くありません。
…しかし気分的に難しいでしょうね。
現に私は食べてますが、私が食べる理由は上に書いた通りなので、別段地域のために「奉仕」として食べているわけではありません。

私は食べる事がとても好きです。ですから、その喜びに理論付けされることに抵抗があります。
日常的な「食」を、理屈で管理できるはずはない…と思うのです。
食べたいか、食べたくないか、人はもっと動物的な判断をしているのではないかと。
たとえ絶対安全ですと言われても、不安を拭えない人はいるでしょう。なのに義務感から、毎日ストレスを感じながら福島産を食べるなど…どうかしているとしか思えません。
放射線の影響ではなく、まず先に精神的に具合が悪くなりそう!という意味でです。

たとえば、この産地、この数値、この程度の量なら大丈夫、家族の状況なども踏まえ納得し、了解した上で食べるべきで、不安を理論でねじふせても続くわけないと。
わざわざリスクを冒す必要はないけれど、過剰な反応も考えものです。ただ、どこまでが「過剰な防衛」なのかわからないのが現状なのですが。
郷里が福島であるとか、友人知人、なにかゆかりがあれば、そこからわかることがあると思います。

(基準を作った国や東電の関係者が食べればいいという話はおいといて)
福島のために、県外の人が責任を感じて食べたら、福島の農家が本当に感謝するでしょうか?
農家のみならず、県民の味わった屈辱感を思えば、一時的にすっきりするかもしれませんが、深い意味で、そうとも言えないのではないでしょうか?
消費者に自信を持って提供し、おいしく食べて欲しい、喜んで欲しい、生産者であればそう思うのが普通です。
そのためには一刻も早い除染で安全な農地を取り戻す必要があるのです。

お金も必要だし、具体的な支援策も早急に必要ですが、福島にとって最大の支援は、皆さんのご理解だと私は思っています。よろしくお願いします。


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