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Don't worry! ダライ・ラマ14世、郡山で講演

2011年11月09日
ダライ・ラマの特別講演を聴いてまいりました。
来日は以前から予定されていたようですが、今回は被災地仙台、石巻、郡山へ特別に訪れることになりました。
通訳を介しての講演は、なかなか歯がゆいことが多かったですが、まず来てくれたことに感謝、そこに意味があると思いました。

ダライ・ラマ講演要旨(新聞記事より抜粋)
天災や自然災害は別として、ほとんどの多くの問題は私たちがつくり出したもの。現実に対する認識が不十分で、自分たちが望んでいないのにも関わらず、いらぬ問題をつくり出している。
全体的な視野に立ち、考える手段を教育を通して学んでいかなければならない。教育システムを考え直す時がきている。
私たちの中に倫理観が足りなくなっていることが課題で、命あるもの痛みを十分に分かること、倫理観を高めることこそ、今必要なこと。
健康な体を維持するためには健康な心を維持することが一番大切だということが科学者の実験によって裏付けされている。健全な心を持つことで、困難を乗り越えられる。



郡山の講演内容は、人として、あるいは社会のあり方についてなど、宗教的なアプローチはありませんが、具体的なことにはあまりふれず、人としてどう生きるか?というような普遍的な内容でした。
その分、いかようにも解釈できるかもしれません。

天災はありえることとしても、今問題になっていることは、人が作りだしたこと。命あるもの全てに対する思いやり、人として正しい生き方をすることが大切である。
倫理観が欠如している。世俗レベル(つまり現実的な)の倫理観を高めていくこと。
物事を広い視野で見なくてならない。そのためにはまず教育。両親から愛情を受けて育つこと、常識に基づいた倫理観を学ぶこと、心の平和、健全な心を維持すること。
こういったことは、宗教(宗教や国の枠組み)とは関係ない。

慈悲について語るところはありましたが、宗教的な引用もなく、人としてということですね。
そうそうと納得したのは、見解の違いを批判することはいい(必要)が、その見解を持つ人を尊重することが大切だというところでした。
仮に敵であっても、相手に対する慈悲の心を失ってはならない。人として価値を損ねるようなことがあってもいけないということでした。
しかしそのように、見解の違う相手を見るためには、心を穏やかに保つこと、そうでなければ冷静に物事を見ることはできないということでしょうか。

講演の後は質問タイムがあり、ここで興味深いことが…。
記憶があいまいですが、ある中年の男性が、原発問題で避難するべきか、福島にとどまるべきか悩んでいる。故郷を離れることは、故郷を捨てて行くようで辛い(後ろめたい気持ちもある)。出て行ったしまったらどうなるのだろう。法王は亡命政府として、長い期間(50年以上)母国を離れているが、そういう観点から、自分にアドバイスが欲しい。

まず安全なのか、そうでないのか諸説入り乱れる福島県…という前提があり、自主避難することもできないわけではない…しかし故郷を離れることはつらい。
この質問の真意は、安全かどうかではなく、心の問題です。会場もそうそう、そこが聞きたかった…というムードの拍手がおこります。
ところが、限られた時間で通訳が伝えきれなかったのでしょう。
法王は科学を信じる現実的な方ですから「科学的にみて(データを元ににして)安全ならいていいし、危険なら避難するべき(プロの話を聞いて自分で決めるべき)」と。
…ああ~そうではなくて、心のあり方を聴きたかったんですが…聞き返す時間もなく、残念でした(汗)

ダライ・ラマ14世はとても明るくパワーに満ちた人です。
起きてしまったことはしょうがない。
楽観的に物事を考えるべきであると。
何が起こっても、非暴力を貫く思想の別の側面に見えます。
どこまでも人と未来を信じるダライ・ラマ14世だから言えることなんですが、最後の言葉が最も印象的。

Don't worry!

講演を終えて帰り道、友人と話したのは、楽観的に考え、生きることは出来なくはないけれど、「Don't worry!(心配ない)」と言ってしまうと、、このままでいいということになってしまう。
福島県的に、何もいわないのか?それでは困る。
国の責任を追及しなければならないし、将来の健康問題に対するケアも求めなくてはならない。
もちろん、声を上げるなと法王が言っているわけではありません。
ただ、法王からみて、世界にはもっと過酷な状況下におかれている人もいるわけで、あなたたちだけが特別ではない、みんなでがんばりましょう…そういうことかなと思いました。

「悲しみを前進の力に」 ダライ・ラマ、福島で講演 '11/11/6 中国新聞
「決して諦めないで」 郡山でダライ・ラマが講演(2011年11月7日 福島民友ニュース)

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