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色彩の力/絵画の中の調和と秩序展 いわき市立美術館

2008年09月16日
いわき市立美術館は、地方公共施設の美術館としては後発(1984年開館)、財政的にも潤沢とは言えません。誰もが知っている、たとえば印象派の作品などを購入するには、現実的にチャンスも少なく、また高額過ぎて叶いませんでした。そこで多作で比較的手に入りやすいシャガールやピカソのリトグラフを購入するのは、良くあるパターンです。
そして、この美術館が選んだ道は、評価は受けていても一般的にはさほど知られてない、当時まだ手頃な価格であった現代美術をコレクションすることでした。それが今になり大きな財産になっています。有名どころでは、リキテンスタイン、ウォーホールなどでしょうか。

今回の企画展は、そうした現代美術のコレクションから、「色彩」をテーマに展示しています。
アートは常に時代と共に、その影響を受けながら誕生してきたというルーツがあります。大ざっぱにいうと、19世紀後半の印象派時代があり、対抗して20世紀中盤からピカソやマティス、ルオーなどのフォービズムが生まれ、その影響をうけながら、次に誕生したのが抽象絵画に代表される現代美術、またはモダンアートということになります。
今回の企画展は、印象派以降に誕生してきた作品のルーツをたどるということ。
学芸員のギャラリー・トークによれば、いかにも強力な影響力がありそうなピカソより、マティス晩年の作品「ジャズ」シリーズの方が、その後の現代美術作家に与えた影響は大きいと…なるほど。
マティスの晩年は病気がちで、大作は描けなかったというふうに覚えていましたが、体が不自由であるからこそ、自分の描きたいもの、自分は何を描きたいのか、極限までシンプルに絞り込み、色と形の単純な作品が生まれたということですね。
この「極限までシンプルに絞り込み」という部分が、あいまいさを排除し(作家にとっての)本質を見極めること…まさに現代美術そのものですね。

私は、アートをどんな風に見ても構わないと、考えてますが、大きなキャンバスに円や四角、線だけ、色だけ…ぱっと見、何を描いているのかさっぱりわからない抽象画でも、なぜこうなったかのか?そのの背景を知るとで別の見方、おもしろさが見えてきます。
今回気にいった作品は、モーリス・ルイス「ガンマ・ベータ」、リキテンスタイン「雄牛」、ブリジット・ライリー「ラー」
常設展に、個人的に現物を一度生で見たかった草間弥生の作品があってうれしかった。

コレクションから学ぶ 色彩の力/絵画の中の調和と秩序展
~「印象派」以降:ピカソ、マティスからステラまで~

いわき市立美術館公式サイト
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&WIT_oid=icityv2::Contents::3051/

モダンアートを見る上で、私にって目からウロコ本を思い出しました。
「脳は美をいかに感じるか」
脳研究をしている神経生物学の教授。
美術全体について書かれていますが、モダンアートの鑑賞についての部分が秀逸です。


脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界脳は美をいかに感じるか―ピカソやモネが見た世界
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