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アートは「荒ぶる神を鎮める」ことができるのか?

2012年03月17日
記事にするかどうか、少し迷ったのですが、福島県に住むアート好き、今こういうツッコミ(でもないか?)ができる、…あるいはしてもいい?人間はあまりいないと思うので…(苦笑)
内容は、人によっては不愉快に感じられるかもしれません。ご了承下さい。

美術館情報などでいつもお世話になっているartscape(アートスケープ)の学芸員レポートに、原発事故をテーマにした個展の記事がありました。

artscape 学芸員レポート
宮本佳明「福島第一原発神社──荒ぶる神を鎮める」、秋風景の逆照射
中井康之(国立国際美術館)2012年03月15日号

中井氏の「私は、基本的に、美術表現がそのような災害に対して無力であるばかりでなく、そのような外部の現象を反映するばかりの表現を信じることができない」という言葉から、建築家・宮本佳明の個展の解説記事へ。

〈福島第一原発神社~荒ぶる神を鎮める~宮本佳明展より抜粋〉
事故を起こした原子炉を鎮め、今後1万年以上にわたって溶け落ちた核燃料を含む高レベル放射性廃棄物を現状のまま水棺化して安全に保管するために、原子炉建屋にアイコンとなる和風屋根を載せて神社ないしは廟(マウソレウム)として丁重に祀るというプロジェクト」

aeghio
個展の会場には、1/200のスケールで福島第一原発の周辺地域を展示模型で再現

〈宮本の解説より抜粋〉
…どんなに手間とコストが掛かろうとも安全な状態に維持管理し続ける以外に、私たちに残された道はない。
…最も必要なことは、「それ」が危険であるということを明示することである。
建屋(英語ではbuilding)という得体の知れない箱を建築(architecture)として機能させるために、アイコンとなる木造大屋根を建屋に付加することを提案したい。しかもそれは、寺社殿が戴くような大仰で様式的なデザインのものが良い。敬しても、決して近寄ることは許さない、荒魂を祀るアイコンとしての和風屋根である。

防護服を着た神官たちが日々原子炉に向かい祭祀を司る向拝部は、奇しくもかつての中央制御室の真上に当たる。彼らの最も重要なミッションは、今後1万年以上にわたって事故の記憶を正しく伝承して行くことにある。
…まずは文化財指定を行って国宝とするべきであろう。さらには「負の遺産」として世界遺産登録を目指すべきだと考える。


今福島で、このようなものが展示されたら、動揺して、相当ブツギをかもしそうです。関西という土地だからできることかもしれません。
このプランが素晴らしいとか、実現すればいいとは思いません。むしろとんでもない悪趣味、こんな禍々しいデザインで作られたら困る、必要ない…と個人的には思います。
ですが、平和、安心安全、絆、反核等、反論しようのない平和主義に、ただ便乗しているように見えるアーティストが多い中、宮本のプランは、安易な優しさを突き放すとともに、記憶を風化させない気概とインパクトがあるように感じました。
こんなものを見たら、忘れられない。
アートとして切り口、独創性で抜きんでているように見えます。
…作られたら困る、ほんとに(汗)

福島第一原発神社~荒ぶる神を鎮める~
宮本佳明展

2012年3月5日~24日 橘画廊(大阪市西区)

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