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ダンスパフォーマンス 福島現代美術ビエンナーレ2012 

2012年09月22日
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ダンスパフォーマンス 9月16日(日) 会場/空港公園(花木園)
 vol1 11:30~ vol2 15:00~ 
舞踏公演 舘形比呂一、浅井信好、大野慶人
  音楽:落合敏行、美術:渡邊晃一
ポストパフォーマンストーク(公演終了後) 空港公園(日本庭園)
 舘形比呂一、浅井信好、大野慶人、落合敏行
 ゲスト:谷川渥 ( 美学者 )
 司会:渡邊晃一実行委員長(美術担当)

福島現代美術ビエンナーレで 私の一番の目的はダンスパフォーマンスでした。
今回は、前回に引き続き舞踏家であり俳優でもある舘形比呂一さん、山海塾出身の浅野信好さん、大野一雄の直径である大野慶人さんが出演。
9月16日、2回公演ですが、私が見たのは午後のみ、熱心な方は2回見たらしい。

舘形さんを見るきっかけはCONBOY、その後舘形さんのパフォーマンスを何度か見る機会があり、以来魅了されてきました。ジャンルはコンテンポラリー・ダンスということになると思いますが、私はダンスをたくさん見ているわけではありません。その世界やカテゴリー、系譜も詳しくないという前提で感想を。

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会場は空港に隣接した空港公園、公園の一番奥まった場所の広場から始まります。
開けた場所に1本の木(たぶん桜)、観客は広場を取り囲むような土手の思い思いの場所に座ります。
今日も見事な快晴、ちょうど正面にあたる客席(土手)が日陰でよかった!

しかし、密室や夜が似合いそうな舘形さんのパフォーマンス、ピンスポットもない、こんな白日で何が起きるか…大丈夫なのだろうか?(汗)と思うのは当然でしょう。

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舘形さんのテーマは風、優しい風から厳しい風、さまざまな風を演じています。パフォーマンスは素晴らしかったです。
こんな明るい青空の下で、野外の空間を一人の肉体が、これほど支配できるとは驚きです。舞台だとあまり意識しないのですが、筋肉の一つ一つの動きが美しい…筋肉好きなのもので(汗)ダンサーの肉体はすごいな。
晴れことくらいは事前にわかっていても、人は太陽の光や風を操ることは出来ません。真っ白な布がそよ風を受けて広がる、風や光は舘形さんのためにあるようでした。
広がり纏い、形を変える布と舘形さんの肉体の美しさにゾクゾクしました。

そして、あの布をはためかせている風や舘形さんにあたる木漏れ日を、私は今同じ空間で感じているのだな…これはどんなクオリティの高い映像でもかないませんね、ちょっと得難い体験でした。

舘形さんのパフォーマンスは、会場を出て、卵型のオブジェを浅野信好さんに渡して終わります。
浅野さんはスキンヘッドで裸体に鈍い金色のペインティング、異形の雰囲気です。
オブジェを受け取り、次の日本庭園の会場まで500m位でしょうか、パフォーマンスをしながら、私たち観客を導いていきます。
ぞろぞろ後を歩きながら、ダンスを鑑賞って記憶にないな。

浅野さんは公演終了後のトークで、自分の役割は舘形さんと3番目に登場する大野さんをつなぐことだと言っていましたが、それはよくわかりました。「指輪物語」のゴラム…指輪のとりこになりフロドをつけ回すゴラムは、物語の重要な導き手でもありますが、そんな感じもします。もっとも浅野さんは鍛えられた肉体の美しい青年で、エジプトのツタンカーメン王のような品格も感じさせる人です。
舘形さんは空間を支配していましたが、浅野さんは肉体の奥からエネルギーが溢れてくるような感じです。

大野さんのいる日本庭園の池につき、再び浅野さんのパフォーマンス。
そして大野さんへ。
池の上に能舞台のようなステージ、自身を象ったオブジェと鏡と共に大野さんのパフォーマンスが始まります。
大野さんはもう70代ですが、立ち姿がきれいな方です。大きな動きはないのですが、高貴でこの世っぽくない、枯れた美しさでもあり、童女のような無心のかわいらしさもあります。そこだけ天上の世界のようでした。

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明るい野外で見るこのジャンルのダンスパフォーマンスは、これまで見てきたダンスとずいぶん違いました。自然や環境からもっと「浮く」と思ってましたが、普通に馴染んでます。
決して万人向けのイベントとは思いませんが、もっと多くの方にこの公演を見て欲しいですねえ、観客は100人くらい?もったいないです。

ここは公園ですから、普通に犬の散歩している人が通りかかります。あれなに?…みたいな顔してそそくさといなくなりますが(笑)
暑い日でしたが猛暑は過ぎ、おだやかな風もあったりで過ごしやすかったです。美しい日でした。

公演の様子は、公式サイトのレポートに載っています…が、写真も記事も学生が担当のようなんですが、ぶっちゃけ公演の魅力を全く伝えていません。写真も全くなってない、これではただの怪しい人たちでは?(汗)
もう少しなんとかしてほしい。
公式サイトのレポート Dance Performances

公演終了後は、日本庭園の東屋でポストパフォーマンストーク。観客の大半が残っています。
内容がハイレベルすぎて、私は正直ビビリました(汗)しかも聴いている方が、全てわかっているっぽいのでさらにびっくり(滝汗)
私がわかる範囲で記憶に残っていることをいくつか。

美学者の谷川渥さんは、大野一雄、土方巽に始まる日本の「舞踏(暗黒舞踏」は、確立されたジャンルであり、どことも似ていない。クラシック、モダンダンスにも歴史や系譜がきちんと存在しているが、暗黒舞踏の(大野慶人さんの父)大野一雄さんや土方巽は突然現れた希有な存在だという。
日本で生まれた舞踏が、日本での評価が低い(低いと言うより関心がないというような意味か?)、大野一雄の研究所がミラノにあるのに日本にはない。
それから、ダンサーは自分の体も作品である。体からは逃れられない、体で表現する、体も作品であるとも。

浅野さんは、現在フランスとイスラエルを拠点としているそうですが、日本の舞踏に対する関心の高さ、観客数は、日本とは比べ物にならないときっぱり。ただ舞踏は日本という風土で生まれたもので、日本人としてのアイデンティティがあってこその舞踏であり、外国で暮らしそのアイデンティティを維持していくのは大変な時がある。意識をしていないとだめだと(だいたいの意味)

そして舘形さん、今日の公演は全て今日のためだけのもの、作曲家と3ヶ月前に下見にきたこと。野外は予想外のことがおきるので大変だった。…パフォーマンス中の舘形さんにトンボが止まったことかな(笑)あと日焼け対策も大変だったそうです。
舘形さんは、イスラエル公演から帰ってきたばかり。演目は「六条御息所」だったそうですが、イスラエルに拠点を持つ浅野さんと、うけ方が全然違うんだよというような顔をしていました。

前衛が好きそうなフランスはわかるような気がしますが、なぜイスラエル?と思いますが、谷川さんは、コンテンポラリーや舞踏は、具象ではなく抽象、偶像崇拝を好まない文化圏(?)で抽象が受け入れられやすいのではないかと。

話の一つ一つに…え〜そうなんだと、無知な私はいちいち驚く(汗)
この世界すごいです。圧倒されて帰ってきました。

福島現代美術ビエンナーレ2012
期間/2012年 8月11日(土)~9月23日(日) 9:00~19:00
会場/福島空港  入場無料 ・全日開催
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