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秩父山中 花のあとさき~ムツばあさんのいない春~

2009年07月21日
埼玉県秩父の山中に暮らす老夫婦を取材したこのドキュメンタリーは、これまで2本制作されています。
夫婦の日常を描いた「秩父山中 花のあとさき」(H13年)、夫の公一さんが亡くなったあとのムツさんを描いた続編「秩父山中 花のあとさき ムツばあさんの秋」(H18年)
そして今年1月、ムツさんが亡くなったあとの集落の様子を描いたのが今回の「秩父山中 花のあとさき~ムツばあさんのいない春~」です。
穏やかな集落での暮らし、寡黙な夫と明るくにぎやかな妻、山里の四季は何度見ても美しい。
番組は、地味に何度も再放送されていて、ご覧になった方も多いのでは?
1月にムツさんが亡くなったあとも、追悼として放送されていました。

老夫婦が暮らすのは、山あいの斜面にある過疎の集落、農業や林業がすたれた、日本各地によくある、お年寄りばかり、少人数で暮らす集落です。
小林公一さんとムツさん夫婦も高齢となり、畑を維持していくことも難しくなってきました。周囲にもそうして放置され荒れた畑が目立っています。
「先祖代々耕してきた畑を放っておくのは申し訳ない。せめて花を植えて山に返したい」
二人はそうして、畑を一つずつ閉じながら、花や紅葉を植えています。
「(村に誰もいなくなっても)もしいつか、山に人が戻ってきたら、きれいな花が咲いていたらどんなにうれしかろう」

昨年亡くなった絵本作家で、ガーデナーでもあったターシャ・テューダーは、「喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー」というNHKのドキュメンタリーで、これまで庭を広げてきたけれどだんだん年を取ってきて世話もできなくなってきたから、少しづつ自然に帰そうと思っている…と言っていました。(現在はガーデナーである親族が庭を維持しています)
全く接点のない二人が似たようなことを言っているんですよね。
自然を保護しよう、管理しようという上から目線ではなくて、自然やその恵みに感謝し、敬う心があるから言える言葉ではないでしょうか。

H18年、夫の公一さんが亡くなり、気丈に一人暮らしを続けたムツさんですが、その後脳梗塞で倒れ、入院生活ののち今年1月亡くなりました。

ムツさんがいない集落がどうなっているか、花木の手入れはと、私も気になっていました。
花の手入れは、集落の人が手分けをして行っているようです。
二人が残した花や紅葉は、見事に成長しました。
番組でここを知った人達が、季節ごとに訪れているようです。

H12~21年まで、長期にわたる取材は信頼関係そのもの、取材班の仕事に敬意を表します。

NHKハイビジョン特集
「秩父山中 花のあとさき~ムツばあさんのいない春~」
(2009.7.20放送)
再放送予定/2009.7.26(日)午後3時00分~

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