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NHK「爆笑問題の福島入門」を考える

2013年03月21日
福島第一原発事故収束作業の拠点・Jヴィレッジへの単独取材を許され、爆笑問題が足を踏み入れます。この場所から今も1日3000人が事故現場へと 向かい、過酷な作業にあたっています。作業員たちは、定められた順路で、防護服や放射性物質を吸い込まないためのマスクなど、装備を固めていきます。作業員たちの多くが、警戒区域からの避難を余儀なくされている被災者という現実を知る。
また、楢葉町やその隣の広野町を訪ねます。今この町で暮らしていくリアルとは。ふるさとに戻ってきた人たちの率直な思いを聞きます。
さらに、原発作業員や農家、主婦など様々な立場や世代の人たちと共に討論を行います。福島県出身の、クリエイティブディレクターの箭内道彦さんと、社会学者の開沼博さんも加わり、福島の現状を見つめ、復興への手がかりを考えます。


いろいろ批判も出そうですが、鋭く突っ込んでいておもしろかった…というのは不謹慎か?では、興味深くということで。
芸能人が原発事故現場とはいかないけれど、原発事故の最前線を訪れる…そういう時がきたのだなと感慨深いです。

事故収束のための拠点、原発から20kmのJヴィレッジは(番組では触れていませんが)東電が福島第一原発でプルサーマルを行うため(そのお礼)に作った巨大サッカー施設で、W杯の合宿などでも使われました。
よくあるハコモノ、立派な施設ですがノウハウもない、震災前は赤字経営が問題になっていました。ここが現在事故処理の最前線基地です。

わかっているつもりでも毎日たくさんの人(3000人)が働いている、巨大な組織だなと感じます。その6割位が福島県人ではないかという。
特殊な現場だし、危険でないといえば嘘ですが、働く場所が限られる地元でここを職場に選ぶことは、例えば県外の人や反原発を考える人が思うよりずっとハードルが低いと思います。
施設には食堂があり、コンビニがあり、特殊なようで普通の日常がある。
増え続ける放射性廃棄物の量がすごい…。

地元の人を集めた討論がけっこうすごかったです。
生まれた時から近くに原発がありそこで働く人は、被災者であり、これまでその仕事で食べてきた「原発を100%否定はできない」
ある女性は「廃炉にするにしても稼働するにしても、私たちの双葉郡には原発が あるんですよ」

子どもをもつ母は、まず子どもを守ることを優先した結果、子どもを孤立させることにもなってしまった。
ある男性は「もし健康被害があったら、国が責任を持ちますと、一言言って欲しい」
真剣な話だし、けっこう意見の違う人が多いのですが、喧嘩腰でも、涙ながらでもなく、わいわい仲良く話ているのがなんか面白い。
そういう時期なのだと箭内道彦さん

箭内さん「(放射能は)健康被害以前に人をバラバラにする物質。賛成・反対、怖い・怖くない、立ち向かう・避難する。人の間に溝を作った。人が信じられなくなったり、意見の違う人と言い合いになったり、否定しあったり
開沼博さん「日常とか生活とといった小さな話があるのに、外から見てる人は、科学とか政治の話ばかりしてしまう。」
箭内さん「(福島には)いろんな人のいろんな思いがあることを、まず全国の人にわかってほしい」

バクモンが少ない人数でも再開した中学校を訪ねます。太田が質問が「(避難している友人と)どんなメールをしているの?帰って来いとか言うの?」
お〜っそれ聞くかという質問をすると「そういうことは言えない」と中学生、…だよねえ。子どもだってわかってますよね。

箭内さん「避難された方と、福島にずっといる方の間の溝はすごく大きい」
ここに尽きるなと思いますが、もっと言えば補償の内容、もっと言えば「ではあなたは、いくらもらってるんですか?」という、ぶっちゃけ補償の格差の問題が大きいと思います。

太田「放射線が恐ろしいというのと同じくらいに、言葉も精神に突き刺さるのだとすれば、長い目で見た時、どっちが人を壊すのかは分からないと思う」

太田の肩を持つわけではありませんが、「守る」「安心・安全」という極めて正しい言葉を使うことで、なんでも通ってしまう、通してしまう。そういう傲慢さ(?)もあると思うんですよね。
だから放射能が怖くないという話ではありません。ただ、原発事故による心の傷や人間関係の溝、様々な問題は早急に解決しなくてならないと思います。

爆笑問題の福島入門
NHK総合 3月18日(月)午後10:00~10:54
再放送予定…3月26日(火) 午前1:45~2:39(25日深夜)
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