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文明を変えた植物たち

2013年05月23日

文明を変えた植物たち―コロンブスが遺した種子 (NHKブックス No.1183)文明を変えた植物たち―コロンブスが遺した種子 (NHKブックス No.1183)
(2011/08/26)
酒井 伸雄

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自然と人が交差したとき、何が起こったのか
6つの「たね」が誘う、文化・産業の発展史
1492年、コロンブスが大西洋航路を発見したことをきっかけに、さまざまな植物がヨーロッパ大陸に伝来した。
なかでも、ジャガイモ、トウモロコシ、カカオ、トウガラシ、ゴム、タバコの六種の存在は、私たちの生活を、豊かで潤いのあるものに激変させたといえる。
その伝播の軌跡を縦軸に、食文化や政治、産業などを横軸として、小さな種子たちが、文明を大きく押し上げ、現代の社会や文化を築いてきた歴史をひもとく。


食物にはそれぞれルーツがあり、歴史がある。内容はだいたい想像した通りなんですが、知っていた事もあれば、目からうろこもありでおもしろかったです。
なぜか、アートを連想させるエピソードが多かった。
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●ジャガイモ
ジャガイモの原産地はアンデス、16世紀ころヨーロッパに伝わったのではないかという。当初は地下に育つ不気味な「珍奇」植物として、食物の地位は低かった。
ところが主食であるムギ類に比べて、同じ面積の畑から収穫できるエネルギー量がはるかに大きく(4倍以上)、ムギが凶作でもジャガイモは収穫できることなどから、広く栽培されるようになっていった。
安定したエネルギー源を得ることができるようになり、ヨーロッパでは飢餓がなくなり人口も増え、国力をつけていくことになった。

なるほどねえ、ヨーロッパの貧しい食卓というとジャガイモが登場するのはそういうことなんですね。
「ジャガイモを食べる人々」は、信仰深く、貧しい人に寄り添っていた若い頃のゴッホ、初期の傑作。貧しい家ではパン(ムギ)を食べる事ができないんですね。
しかし、この絵は暗いな…(汗)
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フィンセント・ファン・ゴッホ「ジャガイモを食べる人々」(1885年)
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●ゴム
ゴムなしにはタイヤはなく、タイヤの進化がなければ、今の車社会はないということで。
中米原産のゴムはコロンブスによってヨーロッパへもたらされ、生ゴムから弾力性のあるゴムが開発され、そして空気入りのタイヤへと発展していった。
タイヤが黒いのは、見分けやすくするためカーボン・ブラックをまぜたところ、タイヤの耐久性が向上したことからだと…お〜知りませんでした。

そういえば、古タイヤアートというのがあった…
Yong-Ho-Ji氏の作品。すごすぎですね!
アーティストは、絵の具でも、石でも木材でも、CGでも、表現手段となる素材や技法との運命のような出会いがあるものですが、古タイヤってのはユニークです。古タイヤがこうなるとは、タイヤを発明した人もびっくりだろうなあ(笑)

公式サイト Yong Ho Ji
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ちなみに、タイヤなどの原料になる天然ゴムが取れるのは「パラゴムの木」。
観葉植物に「ゴムの木」がありますが、これは「インゴムの木」で、ゴムは取れるものの良質ではないらしい。
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●チョコレート
チョコレートの原料はカカオ豆。
カカオの木、花、実の付き方を初めて見た時はびっくりですよね。そしてここから、食べておいしいチョコレートになるまでの複雑な工程にも。
カカオ - Wikipedia

チョコレートの起源は、紀元前1000年のメソアメリカ(メキシコ、中央アメリカ)、マヤ文明では高貴で宗教的な飲み物だったらしい。当然ながら砂糖は入っていはず…苦いだろうな。
16世紀頃、ヨーロッパにもたらされたカカオは、当時メソアメリカを支配していたスペインの独占で、チョコレートの製造法も極秘だったらしい。
上流階級の飲み物だったチョコレートが、庶民に行き渡るのが産業革命の頃。
飲み物だったチョコレートが固形のチョコレートになるいきさつは…なるほど副産物からだったんですね。ヴァン・ホーテン、キャドバリーなどおなじみのチョコレートメーカーが出てきます。

マヤ時代もヨーロッパに伝わってからも、また18世紀頃日本に伝わった当初も、チョコレートは高貴なもので、薬用、または薬効があると信じられてきました。
薬効がどれほどのものかは、諸説あるとして、疲れた時にチョコレートが欠かせない私としてはうれしい。
そんな神秘的で、幸せな気分にしてくれるチョコレートを映画にしたのがこちら。

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フランスの小さな町に謎めいたヴィアンヌが娘とともにやって来た。伝統と規律を守り、日々静かに生活を送るその町で母娘はチョコレート・ショップを開店する。見たこともない美味しそうなチョコレートで溢れた店、人々は自分の好みにピタリとあわせて勧められるチョコレートにすっかり虜となる。美味しいチョコレートとヴィアンヌの不思議な魅力が閉ざされた人々の心を解き放っていく。がそれが古き伝統を守ろうとする町の指導者の反感をかってしまうことになり・・・。
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●トウガラシ
トウガラシ歴史は古く、紀元前8000〜7500年にはアンデスで栽培されていたらしいですが、栽培がいつ始まったのかは、よくわかっていないらしい。
世界に広まったのは16世紀頃、トウガラシを使った食品が当たり前なので、なかった頃の食事情が想像できないくらいですね。
トウガラシが伝わる前のイタリアン、カレー、中国料理、韓国料理、アジア・中東のエスニック…想像できない。特にキムチはトウガラシ抜きだと別物ですよね。
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●タバコ
タバコもまたアンデスに起源があり、コロンブスによってヨーロッパへ、そして瞬く間に世界に広まったらしい。
薬用として、特にペストに効くという噂が広まり大流行。
タバコをモチーフにした絵画はたくさんありますが、浮世絵に描かれるキセルは、優美ですよね。

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歌川国芳画「ほぐぞめ」
紙縒(こより)できせるの手入れをする美人…だとか。
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●トウモロコシ
現在のトウモロコシは品種改良が進み…というか進みすぎたおかげで、人の手を介さなければ育たない。
では原種の野生種のトウモロコシはというと、見つかってないらしい。絶滅したか、あまりにも今のトウモロコシと姿形が違うので気がつかないのではないかと。
そうなんだ…そんなことは考えもしなかったです。
トウモロコシを主食にしているかどうかは置いておいて、トウモロコシの約40%が家畜飼料として栽培されているという。家畜の配合飼料の半分はトウモロコシ、つまりトウモロコシなしには肉食生活は語れない、ありがたい穀物なんですね。

ところで私は全く知らなかったのですが、こんなコーンがあるんですね。glass-gem-corn(グラス・ジェム・コーン)、宝石みたい!
遺伝子組み換えでもなく品種改良、日本では売ってないっぽいですが、食用らしいですよ。
Seeds Trust/公式サイト
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