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シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

2013年07月21日
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シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」公式サイト
『ふるあめりかに袖はぬらさじ』予告編
尊王攘夷の風が吹き荒れる幕末の横浜、恋が叶わぬことを憂いひとりの遊女が自害した。いつしか彼女は、異人に身を売ることを拒んだ攘夷女郎に仕立て上げられていく。そして否応なくこの伝説に一役買うことになるお園…。人間の深層心理を鋭く描いた有吉佐和子の名作舞台歌舞伎がスクリーンに甦る!
●みどころ
有吉佐和子の手になる本作は、昭和47年名古屋中日劇場の文学座公演で、杉村春子のお園ほかの配役で初演されました。昭和63年には杉村春子の当たり役であったお園役を坂東玉三郎が受け継ぎ、以後、繰り返し上演されて来た名作舞台です。

※2007年12月歌舞伎座公演撮影/シネマ歌舞伎2008年5月公開(その後、歌舞伎ではなく女優さんと舞台化されています)

先週、急に時間が出来て見に出かけた映画、とても良かったです。歌舞伎界のオールスター出演という豪華さですが、言葉もわかりやすいし、歌舞伎というより普通の舞台っぽい、ライブビューイングみたいな感じです。
なんの予備知識もなく、往年の名女優杉村春子さんの舞台も存じ上げていませんでした。
ぱっと告知を見た印象は、シリアスな悲恋もの?と思っていましたが、喜怒哀楽、悲喜こもごも、見終えたあとはすがすがしさも残る舞台でした。

なんといっても玉三郎さんがすばらしい。
人間離れした美しさや品格が、一般的な玉三郎さんの印象だと思うけれど、世話好きで飲んべえ、お調子者のお園をこんなに生き生きと演じているとは。
たまたま居合わせた遊女の死をきっかけに、語り部になってしまうお園。乞われるまま話すうち、話はどんどん大きく、すっかり伝説の語り部に、やがて本人もわけがわからなくなってしまう(笑)。
コミカルなのに粋、姿も所作は流れるように美しい。衣装のセンスもすばらしい。

幕末の横浜、登場人物は時代の波に翻弄されながらもたくましく生きていく。遊郭の女たちは悲しい定めをかかえながら明るく、男たちは傲慢だけれど、誰も憎めないキャラクター。理想を掲げる攘夷派の若者たちですら、どこか愚かしくかわいい。
特に遊郭の主の勘三郎さんは、ずる賢くておもしろかった。さっと場の空気をつかむ感じが気持ちいい。わかっていても丸め込まれそう(笑)玉三郎さんとの掛け合いがのリズムも見事。
外国人相手の遊女たちは、コントの世界。
ロミオとジュリエット的な獅童&七之助さんは、若くて初々しい。

歌舞伎界オールスター出演という豪華さ。
一瞬しか出番のない海老蔵さんの華が半端ない。橋之助さんも良かったけど、右近さんはちょっと浮いてたか?
昔は色っぽかった三津五郎さんは、役柄のせいもあるのでしょうが、ちょっと枯れてしまったようでさみしかったかな。

切なくて、おもしろい。
人間とはいずれも愚かで愛おしい、そんな思いがこみ上げる映画でした。

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