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モローとルオー -聖なるものの継承と変容-

2013年11月18日
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モローとルオー -聖なるものの継承と変容-
2013年9月7日(土)~12月10日(火)
パナソニック 汐留ミュージアム

象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826−1898)。国立美術学校の名教授としてマティス やマルケなど多くの画家を育てたモローが最も愛した生徒がいました。後に20世紀最大の 宗教画家と呼ばれるジョルジュ・ルオー(1871−1958)です。モローはルオーの才能を見抜き、 熱心に芸術上の助言を与えました。ルオーはマティエールや内的ヴィジョンへの感覚を師から 受け継ぎ、やがて自身の作品の中で我がものとしていきます。
「我が子ルオー」「偉大なる父」と彼らの往復書簡の中で呼び合う二人の間には、師弟を超えた 特別な絆がありました。モローは遺言によりルオーをモロー美術館初代館長に任命し、自分 亡き後も愛弟子を導き続けます。ルオーはモローへの感謝を生涯忘れることはなく、精神的な 父としてのその存在は彼の芸術と人生に深い影響を及ぼしたのです。
モロー晩年の未公開作品やルオーの美術学校時代の作品など日本初公開を多く含む作品がフランスからやってきます。油彩画、素描、 書簡など約70点を通して、モローとルオーの芸術と心の交流の軌跡をたどる貴重な展覧会です。


多くのルオーを所蔵する汐留ミュージアム、なかなかチャンスがなかったのですが、ようやくきました。
只今モローとルオーの企画展開催中です。どちらも好きなのでうれしい(笑)
モローとルオーが師弟関係にあったことは知っていましたが、画風も目指すものも全く違うように見え、これほど深い絆だったとは知りませんでした。

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ジョルジュ・ルオー 「自画像」 
 木炭、黒チョーク、紙 1915年 ジョルジュ・ルオー財団

ルオー23歳頃の自画像、美しいです。デッサン力のすごさもわかりますし、青年らしい一途さ、清らかなまなざしにしばし見とれました。

ルオーは19歳で国立美術学校に入学。21歳の時からギュスターヴ・モローに師事、師事したの6年ほどですが、生涯にわたり交流がありました。2人の往復書簡も展示されています。
モローはルオーの才能を讃え、経済的なことや健康まで気を配る。互いを敬愛し思いやる気持ちがひしひしと伝わってきて、泣けます。

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ギュスターブ・モロー 《メッサリーナ》ギュスターヴ・モロー美術館蔵

ポスターにもなっている「ユピテルとセメレ」もモローらしい作品ですが、この「メッサリーナ」の退廃的なエロス、夜の匂いはモローの独壇場ではないだろうか。

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ギュスターヴ・モロー《パルクと死の天使》1890年頃 ギュスターヴ・モロー美術館蔵

「運命を司る三人の女神パルクの中で最も恐ろしいアトロポスが死の天使の軍馬の手綱をつかみ、荒涼とした風景を歩み進んでいる。」
今回のモローで一番印象にのこったのはこれ。モローの禍々しさ、恐ろしさを感じさせる作品、うまいなあ。こんな死の天使が来たら逃げられないような気がする。
大胆で未完成のような粗いタッチですが、この恐怖感はなんだろう、ゾクゾクします。

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ジョルジュ・ルオー「我らがジャンヌ」(1948~49年、油彩、紙、個人蔵)

聖女ジャンヌ・ダルク。ルオーらしい骨太なタッチ、これはとても鮮やか。聖女の高貴でピュアな魂が感じられます。

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ジョルジュ・ルオー 「聖顔」 
 油彩、グワッシュ、紙 1933年 パリ、国立近代美術館ポンピドゥーセンター

「十字架を背負うキリストの苦悩と贖罪が大きく見開かれた眼を通して問いかけられる。」
ルオーと言えば宗教的なテーマ、「聖顔」は、実際目の前にすると暗さは感じない。見開いた目は、キリストの苦悩より神聖なオーラが輝きを放っていて、華やかで明るいインパクトを感じます。
じっと見ると、こちらの気持ちを掴んで離さない、これがルオーの魅力ですねえ。

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ジョルジュ・ルオー 
道化師 1937-38年 油彩・紙(麻布で裏打ち)

ルオーはサーカスをテーマに多くの傑作を残していますが、これはパナソニック汐留ミュージアムが所蔵する「道化師」
ルオーは社会の底辺に生きる人々を泥臭く描いていましたが、何枚も描き進むうち、悲しみも醜さもルオーによって浄化され、神聖な美しさへと昇華されて行く。
道化師もキリストのような面差しへと変わっていく…美しい。

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