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ピカソの自画像

2009年10月18日
諸橋近代美術館に新収蔵されたピカソを見に行ってきました。
油彩「画家」(自画像)と銅板画「貧しき食事」の2点です。
「貧しき食事」は、同じモチーフで描かれた油彩が、青の時代の傑作としてあります。
青年ピカソが貧しく、友人の死などで思い悩んでいた頃ですね。
しかし、今回の見所はやはり自画像でしょう。

パブロ・ピカソ(1881-1973)は美術教師の父のもとで、絵画を習い始めたのが9才頃ですが、15、6才で、デッサン力など、写実的な表現、技術は最高レベルに達していました。
つまりそれ以降のピカソは、何をどう描くのか?ということだけで、変遷変容、破壊と再生をくり返す訳です。
今回公開された自画像「画家」は、巨匠ピカソ83才の作品です。
黒々とした頭髪は、まだまだ自分は若い、旺盛な創作意欲を象徴しているとも言われています。
詳細は忘れてしまいましたが、資料として残っているピカソの言葉に…

自分は16才でラファエロのように描くことができた、あとは子どものような絵を描くことが夢…

というようなことを言っていたとか。
また、晩年はこんな事も…

ようやく子どものような絵描くことができるようになった。ここまでくるのにずいぶん時間がかかったものだ。

…天才、巨匠だからこそ許される言葉ですね(笑)

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ピカソ「画家」(1964年)

うまさをひけらかすことなく、子どものように無心、無我に描くのが画家の理想、最終到達点。
子どものよう絵…というのが最大の誉め言葉である。
これはピカソに限った話ではなくて、国内外を問わず、巨匠と呼ばれる画家によく投げかけられる言葉です。
私は高齢の日本画家の最晩年の作品に、このような評価を読んだことがあります。

ずいぶん前に、誰かのエッセイで読んだのですが、そのエッセイストが言うには、子どものような絵を描いて誉められるなんていいよな。物書きが子どものような文章書いたって、誉められることはない、ボケたと言われるくらいで…
そうなんですよね、画家だから「あり」なんですよ(笑)
「子どもが書いたみたいな文章で…」なんて言われた日には…(苦笑)

それはさておき、子どもが描いたような、ピカソの自画像。
いかがでしょうか。

…やっぱり、ピカソだから許されるって気はしますね。

諸橋近代美術館
ピカソ初公開
2009.7.4-11.30(冬期閉館)

写真は午後2時半くらいの美術館外観を撮ったものですが、もう陽が傾いて、ナナカマドの樹影が長く伸びていました。

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