樹木礼賛-日本絵画に描かれた木と花の美-

2014年11月10日
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特別展「樹木礼賛-日本絵画に描かれた木と花の美-」
平成26年9月26日(金)~11月9日(日)
< 前期:9/26(金)~10/19(日)/後期:10/21(火)~11/9(日)>
 日本人は昔から樹木とともに暮らしてきました。住まいや日々の生活に利用するだけでなく、花や紅葉など四季折々の姿を愛で、また信仰の対象として敬い、そして絵にもたくさん描いてきました。例えば、鎌倉時代以降の宗教絵画には榊や松など樹木が神木として描かれています。桃山時代から江戸時代の襖や屛風といった大画面絵画には、その力強い生命力を感じさせるように樹木が大きく描かれます。また、樹木の書き方も流派によって異なり、狩野派や琳派など、それぞれの表現に違いを見るのも面白いでしょう。中には、梅や桜といった特定の樹木を描くにを得意とした画家もいました。
 本展覧会では、樹木を描いた様々な絵画を通して、日本人が樹木をどのようにとらえ、表現してきたのかを紹介します。襖・屏風・掛軸・絵巻物・浮世絵など前期・後期あわせて総数81件の美しい樹木の絵に囲まれて憩いのひと時をお過ごしください。


前期展示の等伯「松林図屏風」が見たかったなあと思いつつ時間も取れず、後期展示に変わっていました。
作品の多くは、作品保護のため長期間の展示がないものも多く、貴重なチャンスです。

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国宝 雪松図屛風 円山応挙筆 三井記念美術館蔵
【展示期間:10/21~11/9】  

企画展の目玉、応挙の「雪松図屛風」
さすがです。迫力あります。背景の金と墨一色で描かれたとは思えない奥深さ。この微妙な金色が画像では伝わらないのがもどかしい。
近寄って見ると大胆な筆遣い、雪の白は紙の地色を生かています。緻密に書き込まれた感じではないのですが、
少し離れて全体を見ると超写実主義と言いたくなるほど雪中の松です。
じっと見ていると、右隻は迫ってくる山に、左隻は遠くの山に、高く険しい雪山のようにも見えてきます。
画面下の方に粗い金粉が施してありますが、光に舞う雪のよう、背景の金も豪華というよりは、太陽の光をあびた眩しい雪景色のようです。

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重要文化財 松杉桜図襖のうち2面 妙蓮寺蔵

日本美術のデザイン的面がよくわかる作品。金地に緑の三角、大胆なデザインです。

重要文化財など多数展示されていますが、傷みのはげしいものも多く、素人に判別が難しいと思うこともしばしば。
春日鹿曼荼羅(鎌倉時代・奈良国立博物館蔵)は、鹿も背中に神木の榊、鹿の優美さに気を取られましたが、こういう世界もあるのだなあ。
狩野永徳「松図襖」、やたらでっかい松の絵というのがありますが、はやらせたのが永徳らしい…そうか、あれは流行だったのか(汗)
樹木とともに動物を描いた作品も多くあります。それにしてもこの時代の「鳥」はちょっと怖いですね、孔雀なんて襲われそう(汗)
鳳凰の子育て…なんて珍しい作品も、架空の鳥に子育て、鳳凰といえば賞状の縁取りくらいしか思いつかないですが…。

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重要美術品 木蓮棕櫚図 渡辺始興筆 文化庁蔵
桐谷真図 織田瑟々筆 佐野コレクション
藤花図 鈴木其一筆 細見美術館蔵【展示期間:10/21~11/9】

右の二つが木蓮棕櫚図、幽玄でほれぼれするほど美しい。
藤の花も匂い立つような瑞々しさ。

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《柳橋水車図屏風》 京都国立博物館蔵

この屏風もインパクトありました。
右隻から左隻に向かって、柳の木が芽吹いていく、川は水量を増していく。季節の移り変わりがダイナミックに描かれています。
そして金の存在感がすごい、応挙の松とは全く違う、クリムトを思わせるような豪華でディープな金でした。

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