早川いくを「うんこがへんないきもの」

2015年03月20日

うんこがへんないきものうんこがへんないきもの
(2014/12/04)
早川いくを

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フンで爆撃する鳥、フンに化ける虫、暗黒のフン地獄……。
へんな生き物のうんこの世界を、52点のシュールな絵とともに紹介。
累計55万部の『へんないきもの』シリーズ作者が、4年もきばって出した超力作!
この本を読んで、自然界のフシギにうなり、うんこ博士になろう。

「穴からボットンと落ちるだけ。しかもくさい。
生物の神経系や免疫機構は、あれほど高度なのに、
なんで排泄だけはこんなに適当なのだ。
うんこよおまえは何者なのか。
自然界のフシギに思わずうなる、ためになる一冊。」


「へんないきもの 」の早川いくをさんの新刊。
目次を見ても、ふざけてる…とは思うけれど、内容は思ったよりまじめかも(苦笑)
そして精密なイラストとともにサクサク読めます。
人の暮らしの中では、うんこは見ない見えない方が快適に暮らせますが、自然界では、うんこは情報交換であり、縄張りのサインであり、住処の建材であり、武器にもなる。
そして人間は古代から、フンを優良の肥料としてきた。動物のフンを薬をつくったりもしているらしい。人間もなかなかやるじゃないか(笑)

カメノコハムシの幼虫は、うんこを背中で固めてサンゴのように盛っていく(糞冠)。フンで身を隠す作戦。更に進んで、ムシクソハムシ幼虫はうんこで身を守るのではなく、うんこに偽装する(笑)
で、醜い幼虫時代を経て、美しい成虫になる…なるのかと思えば、ムシクソハムシの成虫はうんこそっくり…。
フンに擬態は、昆虫の世界ではポピュラーな防護方法なんですね。また、敵から身を守るだけでなく、獲物を油断させるという場合もあるらしい。

ノハラツグミは天敵ワタリガラスに巣を襲われそうになると、上空からうんこで攻撃。うんこがかかったくらいでどうってこそなさそうですが、鳥に取って羽を汚されると細菌が増殖したりで、あっという間に羽が劣化するらしい。
たしかにどこのカラスも羽がつやつやしています。

インドネシアの最高級コーヒー「コピ・ルアク」は、ジャコウネコが食べて消化されないで排泄されるコーヒー豆(種の部分)から作られる。聞いたことありますが、私は飲んだことはないです。
ジャコウネコは完熟したコーヒーだけを選んだ食べる。体内のコーヒー豆は…
「果実の風味と混じり合い、一定の温度ののもと、腸内細菌によって自然発酵。苦み成分は消化酵素によって分解され、コーヒー豆はえもいわれぬ風味を醸し出す」
…らしい。
なぜここんなコーヒーが生まれたか、植民地時代にさかのぼる悲しい歴史。…インドネシア人はタフです。

動物はうんこを食べることが珍しくない。消化しきれなかった栄養素を取り込むためだったりなど。
コアラはユーカリを消化するために特殊な腸内細菌が必要で、母親が赤ん坊が与えるフン状のものはバッフといい、腸内細菌を受け取るのだという。
そういえば、先日放送されたNHKスペシャル「腸内フローラ」では、腸内の細菌のコンデション、バランスが健康に関わるかというテーマでした。衝撃的だったのは、腸内細菌のバランスを取り戻すための治療法が、健康な人の便を直接患者の腸内に流し込むというものでした。この場合、食してはいないけれど、似たようなものですね(汗)
NHKスペシャル|腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー

ブラジルのセラード(高原)に住むタテガミオオカミは、有毒のロベイラの実を食べる変わったオオカミ。この話は「ホットスポット最後の楽園」でやってましたね。オオカミがフンとして輩出したロベイラの実をハキリアリが巣に運ぶ。ロベイラはオオカミの腸内で発酵しないと発芽しないという。
ロベイラ→オオカミ→ハキリアリのなくてはならない協力関係はすごいです。

サンゴの保護が声高に言われることが多いですが、体重75kの巨大なカンブリブダイは、そのサンゴを1日5kgも噛み砕いて食べてしまう。ところがカンムリブダイが食べるのは、他のサンゴより成長ものだけ、これが多種類のサンゴが共存する環境のバランスを保つことになっているらしい。
そして粉々になったサンゴの殻を白いフンとして輩出。これが堆積し浜辺に打ち上げられ、白い美しい浜辺を作り上げる。白い砂浜は「うんこ」なわけだ。

鳥の糞は窒素を含む優良の肥料として、昔から人間に利用されてきました。
それは人間のうんこでも同じで、江戸時代はうんこを集めて農民に売る業者もいたらしい。それゆえ、江戸の町はとてもきれいだったそうです。
中世のヨーロッパでは、家の外に道でも何でもかまわず投げ捨てていたのとは大違い。

ゾウのうんこの活用法、エジプトでは神聖な生き物とされたフンコロガシ、カバの撒きフンなど、わりと知られているネタもあります。
あらゆるフンは肥料になり、他の生物のえさになり、むだになるものはない、いらないものなんてないですね。
うんこがだんだん愛おしく思えてくる。
至るところにダジャレと擬人化、ドラマ化(!)がちりばめられていますが、内容は「思ったよりまじめ」、おすすめです(笑)。

(余談)
感想を書くのがすっかり遅れてしまいましたが、ちょうど読んでいる時にインフルエンザにかかってしまいました。
症状は人それぞれですが、おなかを壊して大変だった、食べられなかったという人も多い中、私はなぜかおなかにはこなくて、さすがに消化のいいものだけでしたが、食べられました。
食べて出す…この本読んでいて「うんこ」への敬意があったから、症状が比較的軽かったのかもしれません(笑)

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