児童文学作家の松谷みよ子さん死去

2015年03月09日
児童文学作家の松谷みよ子さん死去 3月9日 NHK
童話「ちいさいモモちゃん」などで知られる児童文学作家の松谷みよ子さんが、先月28日、老衰のため東京都内の病院で亡くなりました。89歳でした。
訃報:松谷みよ子さん89歳=児童文学作家 毎日新聞 2015年03月09日
 東京生まれ。児童文学作家の故・坪田譲治氏に師事した。信州に伝わる伝説を基に1960年に出版した「龍の子太郎」で国際アンデルセン賞優良賞を受賞した。64年、自らの子供をモデルに、その成長をファンタジックに描いた幼年童話「ちいさいモモちゃん」を出版し、野間児童文芸賞、NHK児童文学奨励賞を受賞。全6巻となった「モモちゃんとアカネちゃんの本」シリーズでは、児童文学でタブーとされていた両親の離婚なども描き、発行部数620万部のロングセラーとなった。「いないいないばあ」に始まる赤ちゃん絵本では、優しい語り口が読者を魅了した。


天寿を全うされたということでいいのだろうか。
ご冥福をお祈り致します。

松谷さんの作品では「龍の子太郎」が好きでした。
読んだのは小学生の頃、私は日本の昔話然とした物語がちょっと苦手で、この頃翻訳の児童書ばかりを読んでいました。ただ例外がいくつかあって、その一つが「龍の子太郎」でした。
もう詳細は忘れてしまいましたが、ばあさんと暮らす怠け者の太郎が、龍になった母を探す冒険の旅に出る。なぜ母は龍になったのか。太郎がおなかにいた頃、母は偶然3匹のイワナを捕まえる。イワナは皆で分け合うつもりが山あいの村は貧しく、おなかに子どもがいる母はひもじく、つい食べてしまう。1匹だけのつもりが、2匹、3匹、とうとう全部食べてしまった。
ところが、村にはイワナを3匹食べると龍になってしまうという言い伝えがり、太郎を産んだ母は、龍になってしまう。乳があげらいない母は、なんと目をくりぬいてしゃぶらせる。そして太郎は祖母のもとで育てられる。
信州の民話がベースになっているらしいのですが、貧しい村では食べ物を独り占めしてはいけないという戒めもあるのでしょう。

なぜ好きだったのか考えてみると、一つは冒険の旅にドキドキと興奮できたこと、もう一つは怠け者の太郎の成長物語なんですが、太郎が昔話のステレオタイプのヒーローではなかったことじゃないだろうか。心を入れ替え立派に成長しましたというような…。
イワナを3匹でじゃなくて4匹食べたらどうなんだ?と、ひねくれた考えをしたり、成長の過程で怒り、悲しみ、喜び、とても人間臭い。あと、母の苦悩が描かれていたことも。
母との再会は「母を訪ねて三千里」を思いつきますが、私は「龍の子太郎」の方が先(苦笑)

龍の子太郎(新装版) (児童文学創作シリーズ)龍の子太郎(新装版) (児童文学創作シリーズ)
(2006/07/13)
松谷 みよ子

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「ちいさいモモちゃん」は、もう少し大人になってから、松谷さんの作品だからと、中学か高校生くらいの頃に読みました。
「ちいさいモモちゃん」は普通にかわいらしい童話なんですが、続編は母の離婚とか、どんどんシリアスになっていく。
私もリコンがどういうことかわかるくらいには大人でしたから、これ子ども向けだよねと思いながら読みました。
ただならぬ家庭の空気、母の苦悩、子どものさみしさみたいなものが描かれていたことを今でも覚えてきます。詳細は忘れていますが。

調べてみると、初版は1964年…。私には離れた世界ですが、今読み返すとまた違った印象を持つだろうなと思います。
時代も変わり、今は離婚もめずらしくない。当時に比べたら社会の理解も進んだと思う。ですが友人知人を見ていて、小さな子どもを抱えて働く苦労も、育児の課題も、根本はあまり変わってないような気がしますね。
でなければ少子化問題がこれほど深刻にはならないはずだと感じます。

ちいさいモモちゃん (講談社文庫)ちいさいモモちゃん (講談社文庫)
(2011/11/15)
松谷 みよ子

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