燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密

2015年04月30日
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尾形光琳300年忌記念特別展
燕子花と紅白梅 光琳デザインの秘密

2015年4月18日(土)~5月17日(日)
根津美術館
2015年は、享保元年(1716)に59歳で没した尾形光琳の300年忌にあたります。それを記念して、当館が所蔵する「燕子花図屏風」とMOA美術館が所蔵する「紅白梅図屏風」、光琳が描いた2点の国宝の屏風を中心とする特別展を開催します。
このふたつの屏風にもうかがわれる光琳のデザイン性に、あらためて注目したいと思います。光琳は、京都の高級呉服商を生家として美しい衣裳に囲まれて育ち、また縁戚にもあたる本阿弥光悦や俵屋宗達によって生みだされた江戸初期の装飾芸術に親しみ、かつ新しい時代の感覚も取り込んで、独自の世界をつくりあげました。
 本展では、光琳の「模様」のような屏風の系譜を宗達からたどり、光悦に関わりのある雲母や金銀泥による木版摺りが光琳に与えた影響を探り、さらに漆器の図案や弟・乾山の陶器の絵付けなども含めたデザイナー・光琳の営みを総覧します。


小品から大作(有名作)まで多数、見応えのある展覧会でした。
「四季草花図屏風」は比較的小さな屏風、四季の草花が写実的に緻密に描き込まれたこのような作品は、町家の小さな空間で至近距離でじっくり眺めて見たいなとも思う。

夏草図屏風は、堂々と咲き誇るタチアオイが主役ですが、ふと地面を見るとは小さな花々が咲いていて楽しい。光琳の遊び心を感じます。
扇をコラージュした屏風も楽しい。

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蔦の細道図屏風 伝俵屋宗達筆・烏丸光広賛
日本・江戸時代 17世紀 相国寺蔵

伊勢物語にもとづく作品、帯のような、とても大胆なデザイン。
現代の大きなホテルのロビーにあっても違和感ないですね。

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流水図乱箱 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀

流水というより「淀み」だろうか、ゆらゆらとした水面の光の描き方がすごい。それでいながら装飾的な豪華さもあります。

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メインの燕子花と紅白梅はこのように展示しています。
壮観ですね!
十分に広い空間ですが会場は混んでいて、これではゆっくり見られないかもと思いました…少し離れて全体も見たかったので。しばらくすると人も落ち着き、近くで見たり、全体を眺めたりできるようになりました。

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燕子花図屏風 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀

金地に緑と青の濃淡のみ。
会場では「思ったより暗い(作品)」なんて声も聞えてきます。私は映像や写真で見るより鮮やかで明るいと思いました。
一度見たら忘れない、シンプルでデザイン的、インパクトの強い作品です。
少し離れて全体を見ると金地の光加減か、重厚な雰囲気です。近くで見ると簡略された燕子花が軽い印象。
そして屏風ですからジグザグに折れて展示されています。ゆっくり歩みながら鑑賞するとリズム、一定の呼吸を感じ、風景に取り込まれていくようです。屏風の鑑賞は動的(動画)だと思う瞬間です。
燕子花の図柄は(型紙を使って)あちこち同じパターンを繰りかえしていることが知られていますが。作品を前にするとわからないですね。探してみて、ああここか…と思うくらいで。

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紅白梅図屏風 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀

若木の紅梅と老木の白梅の対峙。
中央を流れる川はモダンデザイン、梅は驚くほどリアル、特に幹は苔むした感じまでリアルです。
中央の黒々とした川は、元々は銀の輝きで、今の見え方とはかなり違っていたと言われています。そうなのだけれど、渋さのある今は今の趣きで楽しむのがいいのではないかと思う。

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《槇楓図屏風》伝 俵屋宗達筆 山種美術館蔵 / 重要文化財《槇楓図屏風》尾形光琳筆 東京藝術大学蔵(4/18~5/3展示)

宗達の作品を光琳が模写というかアレンジした作品。
オリジナルの宗達は渋く、かっこいい。光琳は華やかさか、どちらもいい。

万事遊び心があるのが光琳、目にも暮らしにも贅沢し育んだ才能なのだろうなあ。
スケッチや下書きなど、光琳の暮らしぶりもわかる資料「小西家文書」なども展示されなかなか興味深いものがありました。

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