映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』

2015年05月12日
poster2_20150511144125ce5.jpg
映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』公式サイト
映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』予告編 - YouTube
江戸風俗研究家で文筆家や漫画家としても活躍した杉浦日向子の漫画代表作「百日紅」を、「カラフル」「河童のクゥと夏休み」の原恵一監督がアニメーション映画化。浮世絵師・葛飾北斎の娘で、同じく浮世絵師として活躍した女性・お栄が、父・北斎や妹、仲間たちとともに生きた姿を、江戸の町の四季を通して描く。アニメーション制作は、原監督作では初となるProduction I.Gが担当。

1_sarusuberi_main_large.jpg
歌舞伎や浮世絵、ファッション、外食産業、恋愛…、清潔な町並み。
江戸のことは詳しくない私でも、文化が花開き、都市として成熟し、バランスよく機能していたのが江戸の町なんだなとわかります。
冒頭の両国橋シーン、にぎやかな往来と広い空、広々した感じ、からっと風通しのよさそうな町の雰囲気に引かれます。

2_sarusuberi_sub1_large.jpg
浮世絵師のお栄は、父北斎と暮らしている。時に父の代筆をするほどの腕前。ストイックに絵に向き合う日々を送っている。
ストイックすぎてぶっきらぼう、気は強いが人見知り、裏表もないかわり色気もイマイチ。今日も江戸の町を闊歩する。そんな硬質な女、お栄に、杏の声がとてもはまってます。北斎の松重豊もいい。

市井の長屋は、犬も人も出入り自由、居候もいる。狭く汚い長屋暮らしがなんとなく楽しそうに見えるほど生き生きと描かれています。
季節の移り変わりと共に、子犬がどんどん成長して行くのがなんかツボ(笑)

saru_03.jpg
登場人物も北斎親子の他に、女にだらしない善次郎、盲目の妹、わけありな感じの母、浮世絵の版元萬字屋、花魁など、バラエティ豊かです。

kanagawaoki-namiura_m.jpg
これは日本でしか作れないアニメーションだとどこかで読みましたが、なるほどそうだと。
悪くない映画だと思います。ただちょっと食い足りない感じはありますかね。
1時間半でどこまで原作の良さを出せるかは難しいところだと思いますが、独特の間、江戸の情緒を描くことで終わってしまったような。
受け入れるしかない厳しい現実や闇、描かないこそのドラマではあるけれど。
浮世絵師の暮らし、浮世絵の商売、江戸の女、吉原…このどれか一つでもいいからもう少し突っ込んで描いてほしかった。個人的には、大人の映画としてもうちょっと色っぽいシーンがあった方が、大人の町江戸なんじゃないかと思う。

6_sarusuberi_sub5_sa-b002-t2_large.jpg
季節感の描き方がすてきでした。サルスベリもいいけれど、特に冬、雪のふわふわした感じが伝わってきます。

椎名林檎の主題歌は、色っぽくてやるせない、それでいて今ここで生きてる、呼吸してるって感じがいい。底なしの自由と残酷さが入り交じる江戸の風情にマッチしているように思いました。
関連記事
映画 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示