BS世界のドキュメンタリー『海を越えたアメリカン・プリンセス』〜ダウントン・アビーの時代

2015年06月06日
BS世界のドキュメンタリー『海を越えたアメリカン・プリンセス』
BS1 2015年6月1日~3日深夜 3夜連続放送!
(再放送/2015年6月9日(火)午後5時00分~)
19世紀末から20世紀初頭、イギリスの貴族と政略結婚したアメリカ人大富豪の娘たち。イギリスの政治や王室にも影響を及ぼした女性たちの人生のドラマに光を当てる3部作。
地位を手に入れるため借金まみれのイギリス貴族に嫁いだ “ダラー・プリンセス。” 人気ドラマ「ダウントン・アビー」で伯爵夫人を演じるエリザベス・マクガヴァンの案内で、窮屈な上流社会で自由に生きようとした女性たちの人生をたどる。


なんとなく見始めたドキュメンタリーですがおもしろかったです。
海外ドラマ「ダウントン・アビー」を見始めた時、1920年代の格式高い貴族の暮らしとか、使用人たちの序列とか、「限嗣相続(げんしそうぞく)」とか…なんだかなじみのない、よくわからない設定に(時代劇を何も知らないで見たような)、当初はあまり楽しめませんでした。
それでも、豪華な衣装やお城、お気に入りのマギー・スミスもいるしで、ぼちぼち見ているうちに、時代の波に翻弄される人々がおもしろくて、だんだんとはまりました・

それでも、ドラマを見ていて、この時代の上流社会って???…と、思うことがしばしば、今回のドキュメンタリーはズバリそこを取り上げていています。なるほど〜そういうことかと。
…とうか、ドラマの人気にあやかってのドキュメンタリーですが(汗)

20世紀初頭の英国貴族は、新興国アメリカの経済力に押され、ほとんどが破産まっしぐら、没落の道を歩んでいたという。領地とお殿様、旧態依然ではあたりまえか。
一方アメリカで莫大な富を手にしたアメリカの富豪が、唯一手にできないものが「家柄」でした。地位も家柄も申し分ないけれどお金がないのが貴族、その跡取り息子に、たっぷりの持参金を持って富豪の娘が嫁いでいった。だいたい200人位はいたらしい。
そういえば映画「タイタニック」でも、ヒロインは破産しかかった貴族の娘で、アメリカ人の成り上がりに嫁がされるという設定でしたね。
当時の英国貴族は「限嗣相続」、長男だけが全ての財産を相続する仕組み、そうして財産と家を守っていく。アメリカの富豪たちが狙うのもそんな長男です。

ダウントンアビーを見ていて、伯爵夫人が家柄と関係ないアメリカ人であるのは、なんでかな?と思っていたのですが、そういうことだったんですね。
愛のない、お金と地位の政略結婚でしたが、当時全ての結婚が不幸だったかというと、うまくいった夫婦もいるいるらしい。ドキュメンタリーでは、不幸な人生を送った女性と、それなりにしあわせな結婚生活を送った女性両方登場します。また、手にした貴族の地位とお金で、更にのし上がっていく女性など、様々登場します。
ダウントンアビーでも、伯爵は育ちのいい民衆から慕われる人柄、アメリカ人の伯爵夫人は品もよく、伯爵夫妻はお互いを敬ういい関係です。

で、ダウントンの伯爵家も、夫人の莫大な持参金でなんとか体面が維持できていることが、ドラマの中であきらかになってきます。ところが伯爵は、忠告を無視した投資で失敗し、奥さんの持参金をほとんどなくしてしまうんですよね。
世間知らずの坊ちゃまって!…まあ、そういう世間知らずの貴族ばかりなので、皆お金がなくなってしまうんですが。(汗)
ドラマの中でも破産し、城を売る貴族が登場します。
また、ダウントンの使用人の女の子が村に行くと、ここで店を開いたらいいんじゃないか?と誘われるシーンがあります。「貴族の館で一生懸命働いても、あと30年後にあの城(貴族存在)があるとは誰も思っちゃいないよ」なんてことを言われてしまう。
当時の庶民もそう見ていたんですね。

おもしろいのは、アメリカ育ちの伯爵夫人はとてもドライ。体面を気にする伯爵に、お金がないのなら小さな家(城だけど)に移ればいいじゃないとあっさり言う。
ところが、貴族育ちで気位の高い長女メアリーは、なんとしてもダウントンを維持しようとします。
ドラマでは、伯爵家の3女が使用人と駆け落ち同然に結婚したり、長女の夫が旧態依然の領地の運営を変えようとしたり、新しい生き方も見えてきます。
第一次世界大戦を挟み、時代はどんどん変わっていく。そうまでして貴族の暮らしを維持すべきなのか?なんてところもドラマの見所ですね。

●第1話 英国貴族への持参金
ウォール街の王と呼ばれた投機家の父を持つジェニー・ジェロームは、ウィンストン・チャーチルの母となった人物。また、ダイアナ妃の曾祖母もこの時代に嫁いだアメリカ人だった。
●第2話 世紀の政略結婚
母の野心で第9代マールバラ公と結婚させられた鉄道王の娘、コンスエロ・ヴァンダービルト。愛のない結婚に耐えられずに離婚し、その後は女性の地位向上や貧しい人々の救済に尽力した。
●第3話 そして、変革の扉を開けた
バイタリティあふれる次世代のプリンセスたち。英国初の女性代議士となったナンシー・アスター、国王エドワード8世を虜にし、国王に退位すら決断させたウォリス・シンプソンなど。


第1話では、政略結婚のために、上流社会で通用する教育をされた娘たちの、全く選択肢が許されないいいようない人生。(ほとんど貴族に潜り込むための道具)なんとしてでも貴族社会に入り込もうとする母親の猪突猛進ぶりがすごい。
第2話では、そんな運命から自分の人生を切り開いていく女性たちが…。
第3話になると、貴族の地位を手に入れ、自分の富も地位も利用して、さらにのし上がっていくアメリカ人女性も登場。そのトリとして、あの有名なエピソード、離婚歴のあるアメリカ女性と結婚するため退位したエドワード8世が。国王の場合、政略結婚ではないですが、二人の出会いには、そうした歴史的な背景があります。
新興国の富豪は、格式ある英国貴族社会にコンプレックスを持っていた時代から、対等に渡り合う時代へと変わってきます。
それでもインタビューを受ける現代の貴族の末裔たちはプライド高く、自分たちは違うのだと…どこか上から目線です。
当たり前のように貴族としての暮らしや家柄(血統)、そして資産を守る。貴族として生きていくのはなかなか大変ですね。

NHK海外ドラマ「ダウントン・アビー~華麗なる英国貴族の館』」
(シーズン3まで放送終了)
シーズン3のエンディングが、とんでもないことになってますが(汗)
ドラマはシーズン6まで制作されるそうです。

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2015年05月27日 (水)
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