浅葉克己ポスターアーカイブ展&トークショー

2015年06月24日
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DNPグラフィックデザイン・アーカイブ収蔵品展VI:浅葉克己ポスターアーカイブ展
2015年6月13日(土)~9月13日(日)
CCGA現代グラフィックアートセンター 

浅葉克己(1940-)は、1970年代に企業の宣伝ポスターやコマーシャルの仕事で大きな注目を浴びて以来、日本を代表するアートディレクター・グラフィックデザイナーとして活躍してきました。西武百貨店「おいしい生活」やサントリー「オールド」など、浅葉克己が手がけた一連の仕事は、1980年代に大きく花開いた日本の広告文化の発展に重要な役割を果たし、続く世代にも多大な影響を与えました。
 また浅葉克己は1987年に東京タイポディレクターズクラブ(現・東京タイプディレクターズクラブ)を設立するなど、日本のタイプデザインの振興にも貢献してきました。とくに近年では、中国少数民族ナシ族の象形文字「トンパ文字」をはじめとするアジア各地の文字文化に対するフィールドワークを通して、文字と視覚表現の関わりを追求していることでも知られています。
 本展では浅葉克己の多岐に渡る仕事の中でも大きな位置を占めるポスター作品に焦点を当てます。初期から現在までの代表作約140点のほか、作家が長年したためてきた日記なども展示し、「浅葉デザイン」がどのように生み出されてきたかに迫ります。


●記念トークショー
浅葉克己×山下裕二(美術史家・明治学院大学教授)
2015年6月13日(土)
当日の様子

せっかくなので浅葉克己さんのトークショーに合わせて行ってまいりました。
浅葉さんの仕事(作品じゃないよ仕事)は、デザインとかアートとか以前に、80年代に物心ついていて日本に暮らしていた人なら必ず見ている…そんな広告群の一つです。
有名どころは、コピーライター糸井重里さんと組んだ西武「おいしい生活」、「不思議大好き」、サントリー「サントリーオールド」など、見れば「あ〜」と思うはず。

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たくさんのポスターを眺めながら…社会も景気も広告も、80年代と今はだいぶ違ってきているので…そういう時代があったんだな〜という懐かしい思いが。
一番の違いは、ネットや携帯電話、SNSがなかったことかな。「詳しくはWebで!」なんてことはまずできない(苦笑)
メデイアはもっとシンプルだったし…限られたメディア(TV、ラジオ、新聞、雑誌、ポスター)に広告予算が集中していた分、かけられる時間も経費もあったのではないかと。いや…やっぱり景気がよかったってことかな?

世界のローカルなスポーツ(競技)を訪ねるアリナミンAのCMも浅葉さんなんですね。
浅葉さんは、世界の知られてない競技を探すのが大変だったと話しているけれど、楽しそう。潤沢な予算で自分の好きなこと、やりたいことができたとしか思えない(苦笑)

タケダ アリナミンA 80年代CM①
いやはや鳥人、いやはや魚人…懐かしい〜

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浅葉さんは現在70代、現役のアートディレクターではあるけれど、ここまでキャリア積むと個性的で作家性が強い(汗)アーティストっぽい。つうか、どこに行くのにも卓球のラケットを持ち歩く…どこに敵がいるかわからない、ラケットは武士の刀と同じ!…らしい(笑)変わったおじさんです(笑)
自身が表現手段、上の写真でポスターに登場しています(笑)

浅葉さんがトークショーの相手に山下裕二さんを選んだのは、山下さんがDNP年報の中で「血肉化」という言葉を使い、浅葉さんが激しく共感したことがきっかけだったらしい。
山下さん「日本の古美術(琳派など)はネタの宝庫、血肉化してデザインに生かしたらいい…」(うろおぼえ)
会場では浅葉さんが書いた書「血肉化」が配られました。
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「血肉化」…なるほどなあと思います。
今はなんでもコピペできるし、知らないことはあっという間に検索できる、スマートに引用もできる。
ただ、いいものを見ても自分の中で消化し、モノにして(血肉化)自分の表現として発露するまでには至らないことが多いように感じるんですよね。
膨大な情報を得ること見ることができる一方で、一つの情報、一つの表現や作品の価値が下がってしまったような、そんな残念な思いもあります。
いろいろな意味で時間がないこともあるけれど、もっと泥臭く格闘して自分のモノにする、時にはそういうことも必要なんじゃないかと思うのです。

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トークショーは、山下さんと日本美術、書への思い、そして浅葉さんの仕事を振り返る形で進みます。
西武を担当していた頃は、当時の堤義明社長が、広告内容にまで深く関わっていたとか、サントリーを引き受けるきっかけは鳥井社長の鶴の一声だったとか、80年代の社長はよく悪くもワンマンで個性的です。

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浅葉さんはもともとイラストレーター志望だったのが、書が得意だったことからレタリングの世界へ。レタリングなんてデジタルの時代からすると遠い昔のような気がしてしまいますが、文字を「打つ」前は「活字(活版)か手書き(レタリング)」しかなかったんですよね、知らないだろ若者よ!(笑)

文字に対するこだわりは、書からやがてライフワーク的な仕事、トンパ文字につながっていくことに。
トンパ文字は、中国雲南省ナシ族で現在も使われている象形文字。これがかわいいんですよね。
浅葉さんのまわりにはタイポグラフィが常にある。今となると逆に新鮮ですね。

浅葉克己デザイン室

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Comment
浅葉氏
自分のニックネームすら忘れてしまいましたが、何度がコメントを入れさせていただいてことがあります。
会津へ行った帰りにこちらをのぞいてきました。80年代のパワーと息吹のつまった展示会でした。(トシがばれるーーー)
で、浅葉氏を見るとなぜかダイエットしたモロちゃんを、というよりモロちゃんの写真を見るにつけ、いつも誰かに似てるなぁ〜と気になってたのが、ああ浅葉氏だったのだと気がついた次第。連れ立っていたダンナに言ってもわかるはずもなく、ひとりニタニタしてました。 
>banban さん
> 自分のニックネームすら忘れてしまいましたが

あはは〜、どうぞお気になさらず(笑)
コメントありがとうございます。
GAGCはちょっとへんぴな場所にあるので、奇特な方でございます。

80年代の広告はパワーがあって華やかでしたね、みんな若いな〜とか…トシがばれますね(笑)
今の浅葉氏は70代、より個性的でいい意味で「変なおじさん」って感じです(フォローになってない・汗)
80年代の頃の浅葉さんは濃い系ハンサムで、たしかにニコライに似てるかも!?モテたのかな?
考えてみたらニコライはまだ30代ですよね?(まもなく40くらい?)80年代はガキだったはず…(汗)
両者を知ってるって確率は低そう(笑)

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