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「山田五郎アートトーク2015」諸橋近代美術館

2015年09月19日
「山田五郎アートトーク2015」
9月13日(日)会場:裏磐梯ロイヤルホテル
諸橋近代美術館

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(1930年)左から2番目ポール・エリュアール(詩人)、3番目アンドレ・ブルトン(詩人)、5番目サルバドール・ダリ、7番目マックス・エルンスト(画家)、右端マン・レイ(写真家)

山田五郎さんのトークは楽しい。
今回のテーマは「シュールレリスムとは何か」ということでいいのかな。
トークは1枚の写真から、シュールレアリスムを代表する芸術家達の集合写真、内股で腕を組むダリの神経質な感じがよく出ていると(笑)
ダリの妻ガラは当時エリュアールの妻であり、男性に奔放でエルンストとも関係があったらしい。もっともエリュール夫妻はエルンスト夫妻と共同生活(!)したりという、一般常識では計れないゲージツ家たちなので(汗)
やがてガラはエリュアールと別れて(捨て)ダリの元へ、いろいろな意味でめんどくさい男ダリにとって、ガラは唯一無二の女性ですが、ガラはそうじゃなかったのは、わりと有名な話ですね。

シュールレアリスムのシュールは「わからない、ナンセンス」という意味、この場合「非現実的」なのではなく「超現実」…たとえば夢で見る景色、あり得ない設定も、現実以上に現実の様の感じられる夢を意味すると言う。
そのように理解し、ダリやキリコの作品を見れば、砂漠に突然女性が現れたり、大小がおかしかったり、ありえない形で岩やモニュメントがあったりもアリだと…なるほど。

なぜ現実以上にリアルに感じるのか?それは深層心理、隠された欲望が現われるからではないのか?というのがシュールレリスム(フロイト的な解釈)
画家の深層意識、感情…そういった目に見えないものを描くことがシュールレアリスムの本質。
それまでの時代の画家は、(宗教画、肖像画にしろ)注文に応える形で制作をしてきたことを考えると、自分を表現すること、自分の心の中、深層心理を表現することは、革新的なことになる。
その先駆けとなった「象徴主義」やダダイズムの話もおもしろかったです。

(同時代の印象派も、モチーフは風景でも、見たまま描くのではなく風景の「印象」だけを描くという意味で新しい。)

シュールレアリストの詩人や作家達も、自動筆記を試みたり、薬物や睡眠不足、空腹の手をかりて制作したり…とまあ、ほとんど意味をなしてないことをいろいろやっていたらしい。
それくらい当時の芸術は行き詰まっていたのではないかと山田さん。
シュールレアリスムや印象派の絵画を、私たちは後の時代に「名画」として見てるわけですが、時代を知らないとその革新性はなかなかわからないものですね。

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マックス・エルンスト(1891-1976)「暗黒の神々」(1955)

エルンストは、自分手を介さず描いてみたり、凹凸面に紙を乗せてこするフロッタージュという技法で制作。偶然現れたものの中に、何が見えるのか。
それが新しい芸術活動シュールレアリスム…ということらしい。

同じシュールレリスムでも、ダリとエルンストでは、全く画風が違うけれども、自分がコントロールできない、あり得ないものを描く、目に見えないものを描くという意味で、シュールレリスムという一つのカテゴリーとして理解される。
なるほど…。

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サルバドール・ダリ「アン・ウッドワード夫人の肖像」(1953)

ただし、ダリは圧倒的に絵がうまい(笑)夢だろうとあり得ない世界であろうと、自由自在に描くことができた。
ダリはうまい故にわかりやすい。ミロにしてもエルンストにしても、具象ではダリに敵わない。ゆえに抽象表現に向かったのではないかと山田さん。

シュールレアリスムは、やがて退廃芸術としてナチスから弾圧。
ヒトラーが売れない画家だったことは有名ですが、ユダヤ人画商に恨みがあったのかもという裏話。
弾圧された多くの画家はアメリカへ渡り、ジャクソン・ポロックなど抽象表現に影響を与えた。抽象画の中心はフランスからアメリカへと移って行きました。

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