映画「ミケランジェロ・プロジェクト」

2015年11月20日
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映画『ミケランジェロ・プロジェクト』公式サイト
ジョージ・クルーニーが監督・製作・脚本・主演を務め、第2次世界大戦中の実話を映画化したサスペンス。ヨーロッパ各国に侵攻したナチスドイツが歴史的に重要な美術品の略奪を繰り返していた第2次世界大戦下、ルーズベルト大統領から建造物や美術品を保護する任務を託された美術館館長フランク・ストークスは、7人の美術専門家で構成される特殊チーム「モニュメンツ・メン」を結成し、危険な状況下で美術品保護のための作戦を遂行していく。主演のクルーニーほか、マット・デイモン、ビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ジャン・デュジャルダン、ケイト・ブランシェットら豪華キャストが出演。

第二次世界大戦末期、ナチスに略奪された美術品を守るために結成された「モニュメンツ・メン」の実話を元にした映画。
戦争が舞台ですが、戦争映画とは違って地味かも、派手な映像もありませんし、キャストも渋い。
アート好きとしては満足度高いです。美術品が歴史の中でどのような扱いをされていたのか、芸術に血道をあげる人たちがいっぱい出てきて楽しかった。
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すでに戦争末期、だれもが戦争終結は時間の問題と考えていた頃、長い戦争で国は疲弊し、若者は戦争に取られていません。
美術品を保護するには美術に詳しい専門家でなければならない、そうして組まれた「モニュメンツ・メン」は、兵隊として実戦では全く役にたちそうのないオッサンとジジイばかり(汗)
ストークス役のジョージ・クルーニーには、さすがに華があります。
名優ビル・マーレイ、ジョン・グッドマンは渋く味わいがあります。どこかで見たオッサンが1人、だれだっけ?…海外ドラマ「ダウントン・アビー」の伯爵役の人も。
当時の連合軍は、美術品より人命だろ?ということで非協力的…そりゃそうだ(汗)で、こんなジジイたちがヨーロッパ各地で美術品を追うことに…けっこう過酷(汗)
歴史的なことは詳しくないですが、飛行船が浮かぶノルマンディの海岸や爆破された橋がでてきたり臨場感がありあります。
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ちょっと気になったのは、メトロポリタン美術館勤務のグレンジャー役でマット・デイモン。悪くはないけれど、美術系、学芸員という感じはしないかな。
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パリの美術館に勤務するクレール役でケイト・ブランシェット、禁欲的な顔とふと見せる女の顔がいい。ザ・オトナ〜。
半強制的にナチスに協力させられてきた彼女の信頼を得ることで、略奪された美術品の全貌と行方がわかってきます。
モニュメンツメンの目的は美術品の保護ですが、クレールがグレンジャーを、美術品の略奪者がナチスからアメリカに変わっただけじゃね?…と疑うのはわかるなあ。

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ヒトラーは略奪した美術品で「総統美術館」を計画してたらしい。そして自分の身に何か起きた際は、美術品は破壊することになっていた。連合軍の勝利が見えてきた今、破壊される前になんとか保護しなくてはならない。
撤退していくナチスに対し、追いつめるのは連合軍だけでなく、東からはソ連が侵攻。ソ連もまた略奪された美術品を追っていて、連合軍との競争でもあったのでしょう。
誰が正義の味方なのか?この辺りの歴史の描き方には賛否がありそう。

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邦題の「ミケランジェロ・プロジェクト」は、原題モニュメンツ・メン」が、日本では全く知られてないため、略奪された美術品の目玉、ミケランジェロの母子像からタイトルを考案したのかな?苦肉の策という感じ。
リアル「モニュメンツ・メン」については、英語で検索するとたくさんの情報が出てきます。
たくさん美術品が救われた一方、多くは失われてしまった…悲しいことですね。戦争とはひどいものです。
画家になりたかったヒトラーは、古典が大好き。そしてエルンストやエゴン・シーレは退廃芸術。抽象美術や表現主義、ダダイズムは大っ嫌い、見つけ次第破壊、焼却されてしまったそうです。

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クリスマスの夜、戦場に届いた家族からの音声メッセージには、戦争を知らなくともうるっときました。
映画「インディ・ジョーンズ」の舞台となった時代と同じ。実話ですからあんなエンターテイメントはないですが、勝利の兆し感じながら、ユーモアたっぷりのモニュメンツ・メン、農夫を装って隠れるナチスの幹部のまぬけっぷりとか、くすっと笑えるところもあります。
地味ですが、味わい深い映画でした。


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