映画『オデッセイ』

2016年02月25日
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映画『オデッセイ』オフィシャルサイト - 公式サイト
人類3度目の有人火星探査ミッション“アレス3”は、猛烈な嵐によって、任務中止に追い込まれる。マーク・ワトニー(マット・デイモン)は、突風でバラバラになった通信アンテナの直撃を受けて行方不明。ルイス船長(ジェシカ・チャステイン)は、やむなく離陸を決断、地球への帰途につく。
しかし、ワトニーは生きていた。人口住居施設ハブに残された食料はほんのわずか、次の探査ミッション“アレス4”のクルーが火星にやってくるのは4年後、それまで生き抜くためには、酸素や水を作り出すところから始めなければならない。植物学者でエンジニアのワトニーは、ありったけの科学知識と持ち前のポジティブ思考によって、これらの途方もないハードルを1つずつ乗り越えてゆく。


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原作は、ここ最近で最もおもしろかったSF、アンディ・ウィアー「火星の人」。
映画化の情報が出て来た時は、ありきたりのSF映画になりそうで心配してましたが、実際は思ってたほど悪くなかったです。原作にわりと忠実でした。
というか、予告編のイメージ違いすぎるので誤解しそうなんです(公式サイトにあります)。いかにもSF大作って音楽は大風呂敷でシリアス過ぎるし、映像も事故のシーンとかインパクトある場面を寄せ集め、これまでのSFとはちょっと違う原作の魅力を伝えていません。
「オデッセイ」という邦題も、スケールの大きいミッションぽくてなんか違う。「火星の人」でまずけりゃ「The Martian」という原題にしてくれた方がよかった。



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ワトニー役のマット・デイモンは嫌いじゃないんですが、不屈で立派な人柄というイメージで、原作の弱気になったり悪態ついたりする、ごく普通の男には見えなくて…逆もの足りない(苦笑)。
実際はそう悪くないかも?…つうか、やっぱり予告編がおかしいんだよね。ワトニーはそこらへんにいそうな兄ちゃんだからおもしろいわけで。
火星にひとりぼっち、孤独との戦い、サバイバル、極限状態、希望…まあそいうコトなんですが、そうしたイメージがもたらす古くささは、原作にふさわしくないと思う(汗)

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食料を確保するために、ワトニーが選んだ作戦は、長期滞在のクルーが復活祭で食べる予定だったじゃがいもを種芋にして、栽培を始めるという…宇宙飛行士が火星で農作業する、かつてないSF映画(笑)しかも有機栽培だ!(笑)
まあ宇宙飛行士は、なんでもできないとだめなんですが、いきなり農業とは(笑)

植物を育てたことがある人ならわかると思いますが、じゃがいもの芽がでて収穫するまでは、時間と根気のいる作業です。映画だとあっという間に育つ感じしちゃうかな。
原作はとても長い長い日記のようなもの、トラブルもあれば劇的な場面もあるけれど、大半の時間はこつこつと地味に働く日々。勤勉な農夫、大工さんのの日々、暇つぶしにクルーの残していった私物あさったり、ごろごろしたり…。
映画は142分、わりと長い方なんですが、そういう時間軸はわかりにくいですね。

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パスファインダー!!!
ワトニーが、砂に埋もれたパスファインダーを探し出し、地球との交信を復活させるところは、ストーリーを知っていても、ジーンときました。
原作のファンとして、映画に文句ばかり言ってますが、映像になってなるほど!と思う所はたくさんあります。パスファインダーはそのひとつ。90年代に打ち上げられた無人探査機がまた活躍、わくわくするなあ。
映画化にあたりNASA全面協力(JPLもだね)で、ハブ(居住スペース)、ロケットなどなど、機材共々リアリティのある映像になりました。火星の有人探査は現在進行形、そうした背景も大事。

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太陽光パネル、住まい、一切合切積んで旅立つワトニー。遊牧民がゲルたたんで移動するみたいで(笑)このシーンも映像ならではですね。

ワトニーの同僚、アレス3のクルーの設定は平凡だけど、地球で右往左往する人たちは、偉い人からオタクなスタッフまで人間臭くておもしろかった。マスコミ対策が大変なんだよ〜!ってとこも今の時代だなと思う(笑)
原作のおもしろさと違うものの、視覚化の良さもあり、まずまず満足できる映画でした。

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原作の感想 アンディ・ウィアー「火星の人」2015年06月28日
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Comment
見ました
ニルギリさんに勧められて読んだ「火星の人」の映画。勿論見に行きました。

結論から言うと、
「ずいぶんとあっさり仕上げちゃった」という感じです。
およそ1週間ほどかけて読んだ小説。当然のことながら、色々なことがなかなか進まない。やっと進んだと思ったら、また新たな障害が。
このへんの時間の長さ感、なかなか進まないむずむず感、それを能天気にチャレンジしていく主人公の個性を2時間ちょっとにまとめちゃうとやっぱり無理があるのかもしれません。
えっ、もう解決しちゃうの?もう着いた?等々。
案外この作品はミニドラマ化した、視聴者をじらしながら進める方が得策かな?

また、予告編もちょっと派手なシーンばかり取り上げていて、これを目当てに行った人はややがっかりかも。逆に、この作品の良さが好きな人には伝わりにくかったかも。

映像はニルギリさんおっしゃるように良かった。他の火星作品でも映像化されていますが、砂嵐の怖さも充分に伝わってきた(4DXだと、砂粒を顔に叩きつかられるのかな(笑)?)

面白い作品だったけど、個人的にはミニドラマ化に1票ということにします。
>クッツさん
> このへんの時間の長さ感、なかなか進まないむずむず感、それを能天気にチャレンジしていく主人公の個性を2時間ちょっとにまとめちゃうとやっぱり無理があるのかもしれません。

原作おもしろかったと思っている人は、だいたい同じ感想になりますね。
じゃがいももあと言う間に育った感じだし。
特に予告編はだめですよね。あの予告編で期待した人は、あれ違うって思うはず。

>案外この作品はミニドラマ化した、視聴者をじらしながら進める方が得策かな?

なるほど、それいいかも。じらしはポイント。
制作費とか大変そうだけど。

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