カラヴァッジョ展

2016年04月30日


カラヴァッジョ展 CARAVAGGIO and His Time: Friends, Rivals and Enemies
カラバッジョ展 NHK
2016年3月1日(火) ~2016年6月12日(日)
国立西洋美術館
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)は、西洋美術史上最も偉大な芸術家のひとりであり、イタリアが誇る大画家です。彼の理想化を拒む平明なリアリズムや、劇的な明暗法によって浮かび出る人物表現は、バロックという新時代の美術を開花させる原動力となりました。彼の画法はイタリアのみならずヨーロッパ中からやってきた画家たちによって熱狂的に継承され、その影響はルーベンスやラ・トゥール、レンブラントなど、17世紀の数多の画家たちに及んでいます。
 本展は、イタリアの代表的な美術館が所蔵するカラヴァッジョの名作と、彼の影響を受けた各国の代表的な継承者たちによる作品を合わせた50数点を展示します。また、裁判や暴力沙汰といった彼の生涯をしばしば波立たせた出来事を記録した古文書など、同時代史料も併せて出品し、カラヴァッジョの人生と芸術両面におけるドラマをご紹介します。


カラバッジョはそれほど強く意識したことがなかったのですが、こうしてまとまって見ると、11点でもすごいインパクトでした。
会場の照明が暗めなんですが、当時のろうそくの灯りを再現しているようで、それがカラバッジョの妖しさとマッチしてました。

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トカゲに噛まれる少年」1596-97年頃

モデルはカラバッジョ自身ではないかとのこと。耳に飾った花が不思議。
光と影がドラマチック…というか、ちょっとおおげさな身振りが劇画タッチにも思える。血と汗の匂いがする。
ガラスの器と花の鋭いまでの描写に驚きます。

この作品の後に「蟹に挟まれた少年」というのがあって笑えます。パクリでしょうか?(笑)

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カラヴァッジョ 《ナルキッソス》 1599 年頃

背景は闇に消え、ナルキッソスと水鏡だけが描かれています。
横顔も闇に沈みそうかと思えば、ちょうど横顔の部分に白いシャツを配し、美少年の清潔感と口元の妖しい色っぽさを際だ出たせていて、カラバッジョのうまさに感じ入る。
このテーマの作品は数多くありますが、カラバッジョのナルキッソスは誰のものとも違う、つきぬけた感じがして好きです。

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カラヴァッジョ「果物籠を持つ少年」1593-94年

少年より果物かごの方が目立つ、アンバランスな印象。主役は果物でいいんでしょうか。
いずれの果物も光り輝くように美しい。


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カラヴァッジョ 《バッカス》1597-98年頃

これは妖しい(笑)
これもモデルはカラバッジョ自身らしい。白い肌に赤みを帯びた口元、むちむちした腕や指、酒に酔ったとはいえエロい(苦笑)それも危ない感じの。そう思うと白い布もシーツのようで、危ない道に誘われている気がしてくる。
黒髪やしっとりした肌は日本酒にも合いそう(笑)頬の丸みのある輪郭が仏像に似てるような気もします。

カラバッジョに影響を受けた(弟子はいなかった)画家はたくさんいて、それらの作品も多数展示されていましたが、まず肌の質感が違うなあ、どうやってもまね出来ない感じでした。

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カラヴァッジョ 《エマオの晩餐》 1606 年

殺人を犯し、逃亡中に描いた作品がキリスト(汗)
光と影のバランスが絶妙でため息がでます。描きこみを集中する部分と抜く部分の加減もすごい。
うまいなあ、この辺りも他の画家にはまね出来ない。

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カラヴァッジョ 《洗礼者聖ヨハネ》 1602 年

肉体の光と影が美しいですねえ。宗教画というより、美少年描きたかったとしか思えない作品。

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カラヴァッジョ『法悦のマグダラのマリア』個人蔵 1606年

どうも恩赦を受けるために宗教画を描いたらしい。
神との交歓、歓喜、恍惚の果てに死に向かっているように見える。口元から魂が抜けていくような、そこのまま闇に沈んでいくような…。
切れ長の目や衣の感じが、どことなく日本的で、まったく関係ないのですが、私は上村松園の「花がたみ」を思い出しました。

上村松園 花がたみ
高貴な男に捨てられ、恋しさのあまり狂女なった美女。謡曲「花筐(はながたみ)」をモチーフとした作品

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カラヴァッジョ 《エッケ・ホモ》 1605 年頃

キリストのナイーブな内面が見えるような顔がいい。
手前のピラトが思慮深そうで渋い魅力です。



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