「芹沢銈介・文字デザイン」芹沢銈介美術工芸館

2016年05月21日
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特別展 「芹沢銈介・文字デザイン」
2016年4月19日(火)〜 2016年7月16日(土)
芹沢銈介美術工芸館 - 東北福祉大学

芹沢銈介(せりざわけいすけ:1895~1984)は、沖縄の染色技法「紅型」との出会いにより、染色家の道へと進みます。図案作成、型彫り、型附け(糊置き)、色差し(染め)といったこれまで分業で行われていた工程を、一人で行うという新たな染めの形を作りました。その染色技術と染め上がった文様の美しさが高く評価され、1956年に「型絵染」の重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けます。芹沢が生涯にわたり制作した作品は、多くの人々に親しまれ、生活の中で用いられました。

芹沢作品には、着物・帯、のれん、屏風、壁掛けなどがあり、文様も多岐にわたります。動植物や器物、風景や童児・職人の姿といった題材がありますが、その中でも特に「文字」は重要なモチーフのひとつといえるでしょう。漢字一字とその意味にまつわる文様を組み合わせた「文字絵」や、仮名47文字で構成された「いろは文字」。そして布が風に翻って文字(漢字)の形を表す「布文字」という斬新な文字デザインを創出しました。

本展覧会は、芹沢の卓越した「文字デザイン」に注目します。上記の「文字絵」、「いろは文字」、「布文字」に、丸の中に文字を組み込んだ「丸紋文字」、民藝運動の創始者・柳宗悦の「ことば」などを題材にしたものを加え、5つのテーマで作品を展観します。


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「いろは文六曲屏風」紙 型絵染 1958

たくさんの芹沢作品で、文字をモチーフにした作品は、芹沢らしい作品です。
「いろは文六曲屏風」はいろは文字のそばに、それぞれの文字で始まるモノが、びっしり描いてあり、ついつい見てしまう。…カルタ見るような感じですかね。「い」から始まるのは…子どもの頃、こんな風に文字を覚えましたっけ。
文字というのは不思議なもので、このようなアートであっても、つい文字を拾って「読んでしまう」その場合、意味を考えてしまいます。

文字の作品を見ながら、自分は文字を認識しているのか?アートを鑑賞しているのか?言葉の意味を考えているのか?なんだかよくわからなくなってくる。
日本人の脳内では、ひらがなはそれ自体に意味のない「音」、データでいうところの「テキスト」で、漢字は「絵(絵文字・サイン」だという。この二つは脳内で処理する部署が違うので、日本人は文字を読むとき脳の2カ所使っているらしい
鑑賞する時の感覚の不思議さ、それも今回の展示のおもしろさかもしれません。

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いろは文風呂敷 縮緬地型絵染 1967年

いろは文字をデザインした柄、柄と思っても、つい文字の形を探してしまいます。

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芹沢銈介作 福の字 紬 型絵染 1925頃

縁起のいい「福」の字、紬、藍色、日本の風土そのもののような。
紬はいいなと思います。紬や木綿、様々な布地が芹沢作品には使用されていて、どれも風合いがいい。触ってみたくなります。これは実際見ないとわからない所ですね。
素材の質感、型染めの技法、文様の美しさ、デザイン、この多重構造で楽しむのが芹沢銈介ですね。

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天の字文のれん 木綿地型絵染 1965年

リボンが風に舞うように文字を形作る「布文字」、それがのれんとなって、また、ひらりと揺れる。ここでも多重構造の味わい。暮しの場にあって、さらにまた多様性を増すような気がする。

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風の字文のれん 木綿地型絵染 1957年

居酒屋に合いそうなのれん(笑)

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この山みち文のれん 木綿地型絵染 1959年

「この山みちを行きし人あり」これ、好きです。
読ませる句であり、余白にストイックなものを感じます。
ただし日常にあると、言葉の意味は消え、柄になってしまうかもなあ、もったいないですが(苦笑)

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Comment
文字
「風」の暖簾すてき。ほしい。

文字があると、どうしても読んじゃいますね。脳の2ヶ所を?そうなんだ。う~ん、そうなんだろうか・・・確かにひらがなと漢字は、認識の仕方が全く違うというのはわかるな。
>matieさん
> 「風」の暖簾すてき。ほしい。

実際見ると、布の風合いもいいですよ。

> 文字があると、どうしても読んじゃいますね。脳の2ヶ所を?そうなんだ。

脳出血などで脳がダメージ受けると、ダメージを受けた場所によって、後遺症に違いがでるじゃないですか。その中には、文字が読めなくなるケース(失認症)もあって、日本人の場合、漢字だけ読めない、ひらがなだけ読めない…ということがあるらしいんです。つまり脳の担当部署が違うから。
他の言語でもあるかもしれないですが、不思議ですよね。


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