K-BALLET COMPANY「白鳥の湖」郡山公演

2016年06月07日
K-BALLET COMPANY「白鳥の湖」
6月2日(木) 郡山市民文化センター(福島)
オデット/オディール:荒井祐子
ジークフリード:熊川哲也
ロットバルト:S.キャシディ
ベンノ:井澤諒
パ・ド・トロワ 中村春奈 佐々部佳代 伊坂文月
出演:Kバレエカンパニー 
管弦楽:シアター オーケストラ トーキョー 指揮:井田勝大

白鳥の湖|公演情報|K-BALLET COMPANY
ジークフリード王子の誕生日。成人を迎えた彼は、母である王妃から翌日の舞踏会で花嫁を選ぶよう命じられる。その夜、湖のほとりで王子はオデットに出会い、あまりの美しさにひと目で恋に落ちる。王子の誠実さに心を許したオデットは、悪魔ロットバルトの呪いによって白鳥に変えられ、夜の間だけ人間の姿に戻れるという悲しい身の上を語る。彼女を救うために永遠の愛を誓う王子。だが、舞踏会当日、ロットバルトの策略によって王子はオデットによく似たオディールに愛を誓ってしまうのだった……。

とても良かったです!
ストーリーも見所も、ある意味見慣れた「白鳥の湖」を、自分がこんなに楽しめるとは思っていませんでした。

最後に見たのはいつだっけというくらい久しぶりのバレエ。
また「白鳥の湖」かと…田舎では、これかくるみ割り人形など、王道の演目しかこないので、ためらいはあったのですが、熊川さんもあとどれくらい現役で踊っているかを考えると、もう福島ではなさそうだし…という思いもあり…。
田舎もんがクマテツに釣られてやってきた…と言われても否定はできないです(苦笑)
以下、クマテツ以外のキャストについては無知、バレエをよく知らない田舎もんの感想ですので、言葉が間違ったり勘違いしていてもご容赦を。
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第1幕、誕生日を祝うシーンは華やかに、熊川さんの登場に舞台はいっそう盛り上がる。
私がとても心引かれたのは、パーティーが終わり静かな夜更け、心のもやもやというのか、胸騒ぎというか、なにかこう自分の求める何かをさがすような青年の心が伝わってきたことです。

そして夜の湖、運命の女性オデットに出会う王子。
オデット役の荒井祐子さんは、どちらかいうと健康的で勝ち気な感じで、呪いをかけられた姫君とは少し違うのでは?と思いましたが、王子と踊る場面になるとかわいらしく、とたんに初々しい乙女の雰囲気になるのがいい。
恋の始まりのちょっと臆病でナイーブな心が二人に表れていて、とても愛おしくなりました。
この演目の特徴でもあるオデットの羽ばたきの動きもすごい、人の体、腕でここまでできるのだなあとあらためて。

白鳥の群舞のシーンは、幻想的で見とれました。ちょっと鳥っぽくて楽しい。
技術的なことは何もわかりませんが、足並み揃えたシンメトリックな動きは、きれいでも単調で、あまり好きな場面ではなかったのですが、今回は一連の流れがとても自然でした。それでいて美しい。
悪魔ロットバルトはかっこいいい、大柄な方がマントを翻したりで迫力ありました。

今回の公演でいいなと感じたのは、二羽、四羽の白鳥の踊りなど、王子やオディール、他の幕でもそうですが、見所というポイントが、ストーリーから切り離されてないことです。
ストーリーを分断するように、さあここですよ、すごいでしょ、このテクニックどう…みたいのがない。見てる方としては世界観にたっぷり浸っていることができて幸せでした。

三幕のオディール(黒鳥)の踊りは見所。今回も荒井祐子さんがオデット役と二役。
場合によっては、オデットが霞むほどのインパクトのあるオディールですが、今回はそれほど突出したインパクトは感じませんでした。
主役はあくまでオデットと王子、そこを貫いたことが、ロマンチックなストーリー、作品としての芸術性を高めているように感じました。

悪魔の娘オディールに愛を誓ってしまった王子の後悔、オデットの絶望、そして四幕のクライマックスへ。
この白鳥の湖なら、何度でも見たいと思いました。

舞台や照明など舞台美術もすてきでした。それと白鳥の湖の場合、衣装の半分以上が白(白鳥だから)で、華やかな舞踏会から幕が変わると、急に地味になるのですが、今回はそう感じない。
オデット以外は、写真のように羽毛のドレスタイプでシルエットが美しかったです。
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私が熊川さんを最初に見たのはKバレエを立ち上げて間もない頃。たしか「ドン・キホーテ」、会場には熱烈なクマテツファンしかいない…会場は彼しか見ていないと言ってもいい(汗)ジャンプのたびに息を飲む観客の様子は、今でもよく覚えています。
熊川さんといえば、あのすごい跳躍!というイメージがずっとあります。
今回も見せ場のジャンプに、会場から「うっ」とか「あっあぁ」みたいな息づかいが…わかるわかる(笑)
実は、着地にちょっとぐらついて、ひやっとする場面があり、かつてのパワーはないのかなあ…なんてことも考えました。
(跳躍だけなら王子の友人役の方が、跳びまくりですごかった)
ただ、今回熊川さんが「白鳥の湖」で見せた繊細な表現力、ダンサーとしての成熟は、すごい跳んだ!…なんてことより遥かに魅力的でした。少なくとも私にとっては。
そして、芸術監督熊川哲也の力ですねえ、クマテツ目当ての「白鳥の湖」でしたが、クマテツが踊らなくてもすてきな舞台かじゃないかなと想像できます。
いいもの見せてもらいました。

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