生誕140年 吉田博展

2016年06月17日
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生誕140年 吉田博展
2016年6月4日(土曜日)~7月24日(日曜日)
郡山市立美術館
明治から昭和にかけて活躍した洋画家・吉田博(1876~1950)は、久留米士族の家に生まれ、小山正太郎の不同舎に入門します。仲間から「絵の鬼」と呼ばれるほどの鍛錬を積んだ吉田博は、生来の気概と豊富な在外経験に基づく見識から、近代日本美術界で異彩を放つ存在となりました。
水彩・油彩・木版と幅広い制作の根底には、吉田博の自然に対する真摯な姿勢があります。高い技量によって描かれた風景の崇高さや瑞々しさは、今日の私たちの目にも新鮮に映るのではないでしょうか。
生誕140年を記念して行われるこの展覧会は、近代洋画壇の最前線を駆け抜けた吉田博の画業を、約230点の作品で振り返る大回顧展です。


吉田博のことは詳しくないですが、郡山市立美術館の常設で見て、すてきだなと思っていました。
武家に生まれ、画家を志す。明治時代に渡米、外遊、正統派の作風からイメージ出来ない大胆な人生、黒田清輝との二分した派閥など、初めて知ることばかり。

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《新月》 水彩 明治40(1907)年

まずは水彩画、この緻密な作品を、やり直しがきかない水彩画とは…と思うくらいとにかく細密。
きわめた写実表現、デッサン力の凄まじさも感じるけれど、まずはこの透明感、それでいてしっかりとした存在感がすごい。
朝もや、夕暮れ、印象派の光とは別物だけれども、吉田博が描くのは光と影そして空気。日本独特の湿度のある空気感。それが個性となり、海外でも人気が出たのだろうか。

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《瀬戸内海集 光る海》木版 大正15(1926)年 個人蔵

水彩画かなと思うほどの透明感が木版画とは驚き。しかも版は半端無く多いらしい。
多色の版でこの微妙な色合い、どこで完成なのかも難しと思う。

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《帆船(朝)》1926(大正15)年 木版・紙 

全く同じ同じ構図で、朝から夜まで、様々な時間帯を描くシリーズ。
主役は優美な帆船ではなく、光と空気ですね。夜明けや夕暮れの暗さが美しい。

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(左奥から)《帆船 夜》 / 《帆船 夕》 / 《帆船 霧》 / 《帆船 午後》 / 《帆船 午前》 / 《帆船 朝》 
※写真は千葉市美術館

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《日本アルプス十二題 劔山の朝》木版 大正15(1926)年
《エルキャピタン》木版 大正14(1925)年 

山を愛した吉田、木版の自然風景は、どこか広重のような、イラストレーションのような雰囲気もあります。
一見シンプルに見えて、複雑な色合いに唸るなあ。

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《フワテプールシクリ》木版 昭和6(1931)年 個人蔵 

外遊が多かった吉田。海外を描いた作品も多数。
欧州シリーズの赤が印象的でした。日本の湿潤な空気とは違う、欧米の乾いた空気が、くっきりとした輪郭や色の表現に感じられます。
スフィンクスの昼と夜など、中東やアフリカのエキゾチックな作品もいい。インドではスパイスが香るような空気感を描き分けている。すごい力量ですね。

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バラシリーズ

このバラは油彩画、今回の企画展は風景画が多いので新鮮、美しい作品です。
吉田が外遊で学んだ技術は油彩画だと思う。
ただ吉田らしい魅力となると、水彩画、木版画かな。とにかく透明感が魅力でした。

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