映画『グランドフィナーレ』

2016年07月13日
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映画『グランドフィナーレ』 公式サイト
アカデミー外国語映画賞に輝いた「グレート・ビューティー 追憶のローマ」やカンヌ国際映画祭審査員賞に受賞した「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」などで知られるイタリアのパオロ・ソレンティーノ監督が、イギリスの名優マイケル・ケインを主演に迎え、アルプスの高級ホテルを舞台に、老境のイギリス人作曲家の再生を描いたドラマ。80歳を迎え、未来への希望もなく表舞台から退いた作曲家で指揮者のフレッドは、親友の映画監督ミックとアルプスの高級リゾートホテルにやってくる。そこで穏やかな日々を送っていたある日、エリザベス女王の使者という男が現れ、フレッドの代表作を女王のために披露してほしいと持ちかける。個人的なある理由から、その依頼を断ったフレッドだったが、ホテルに滞在する様々な人との出会いを通し、気持ちに変化が訪れる。

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有名作曲家フレッド・バリンジャーは、親友の映画監督ミックと高級リゾートで過ごしている。ここに滞在できるのは成功したセレブたちばかりですが、ゆったり優雅な時間というよりは、退屈で、どこか収容所めいているのがポイント。
何でも出来る…自由のはずが、セレブ、社会的成功というくくりに縛られているようでもどかしい。

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年寄り(セレブ)は穏やかに人生を終えるつもりが…もがいている。若者たちは人生を謳歌し、牛はのんびり草を食む。
栄光と挫折、野心と後悔、人生の昼と夜、美しい音楽の映像詩を背景に、そんな悲喜こもごもが断片的に現れる。

けっこう好きなタイプの作品です。
レビューをいくつか読むと、難解、意味不明…なんて感想もありますが、そんことはないでしょう。夢や妄想、回想が美しくちりばめられている映画、こういう感じでもっと難解な評価の高い名作は、これまでもたくさんある。

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お金持ちたちの閉塞感とは裏腹に、アルプスには豊かな自然風景がひろがる。
才能と努力、時には家族を犠牲にしながら、がつがつ働き社会的成功をおさめたフレッドが人生を振り返った時、もしかしたら、こんなアルプスの自然のように、のどかで癒される人生を送ることもできたのかも…とふと思う…そんな感じだろうか。
まあそれは、お金持ちでなくても、そんなことを考える時があると思うけれど。

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フレッドの娘レナは、フレッドの秘書でもある。美人で賢くて金持ち、なんの不自由も無いはずが、人生とはままならないものです。
レイチェル・ワイズはもう40代かあ。

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人気俳優ジミー・ツリー(ポール・ダノ)はスランプ気味、役作りのために滞在。このちょっとかったるい感じがなんとなくいい味。

フレッドの友人(というか幼なじみのような関係)ミック(ハーベイ・カイテル)の毒舌が楽しい。
ワンシーンだけのジェーン・フォンダもインパクト大。

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Simple Song #3 - Youth La giovinezza [ORIGINAL with text by Sumi Jo]

フレッドの代表曲シンプル・ソングを歌うのはスミ・ジョー。
アカデミー賞ノミネート、この映画のテーマ曲でもあります。美しく壮大な曲を歌い上げるスミ・ジョー。
でもちょっと狙い過ぎかな。悪くはないんだけど、後一歩で「芸術作品」に届かなかった感じ。
テーマ曲より、アルプスの山々に響くカウベルの方が印象に残ります。

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原題は「YOUTH」、邦題「グランド・フィナーレ」
原題は若さへのあこがれか、惜別か…それとも皮肉か?(苦笑)
邦題「グランド・フナーレ」は、老境にもう一花咲かせるという意味なのか、人生を無理矢理ハッピーエンドの持ち込みたいのか?
この2つのタイトル真逆ですよね。お国柄の違いを感じますね。
「YOUTH」にした方が、より文学的な難解さが増して格上になったかも?その意味でちょっと惜しい(笑)

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