エドワード・ゴーリーの優雅な秘密

2016年07月25日
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エドワード・ゴーリーの優雅な秘密
2016年7月16日(土)~8月28日(日)
福島県立美術館
不思議な世界観と、モノクロームの緻密な線描で、世界中に熱狂的なファンをもつエドワード・ゴーリー(Edward Gorey, 1925-2000)。日本では異色の絵本作家として知られており、絵本が次々と邦訳され、人気が高まっています。
 ミステリー小説のような物語と、押韻・造語・古語などを駆使したテキスト、そして、陰影や背景までもがペンで細かく描かれた魅惑的なイラスト。ゴーリーの作品は、不気味でナンセンス、そして優雅なユーモアが余韻となり、時に読者を不安な気持ちに陥れます。
 その魅力に多くの人々が虜となり、シュルレアリストの画家マックス・エルンストや、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンなどもゴーリー作品の愛好家でした。しかし、邦訳されている絵本は、ゴーリーというアーティストのほんの一面に過ぎません。彼自身がテキストとイラストの両方を手がけた「主著(Primary Books)」だけで100冊を超えます。
 本展では、絵本原画の他、舞台と衣装のデザイン、演劇やバレエのポスター、資料など約350点を展示し、ゴーリーの多彩な制作活動から謎に満ちた優雅な秘密に迫ります。


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ゴーリーってどんな作家だっけ?…見て、ああ、あれか〜と思い出しました。
絵本といっても、子どもの頃に繰り返し読むという絵本と違って、子どもが読んでもいいけれど、大人になりかけくらいで読むのがいい感じだろうか…わかりにくい?(汗)

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私は熱心なファンではありませんが、原画の繊細で美しいペン画には魅了されます。
原画は小さめ、出版された絵本も小さい方、この小ささが秘密っぽくて楽しいのかも。

登場するのは、ビクトリア朝と思われるお屋敷や上流階級の人々、ペン画で緻密に描き込んでいます。技法としては基本に忠実です。
そこに、なんだかよくわからない生き物がまぎれている。
…あれれ?と一瞬思うけれど、ま、いいか…みたいな(笑)
闖入者は、ある意味ドラえもん的ですが、話もしないし、家族をサポートするわけでもない。ただいるだけ、家族でも客でもペットでもない存在。

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ストーリーらしいストーリーも無く、結末があるわけでもない。だいたいはシュールで意味をなさない。設定もおかしい。
ブラックな内容も多くて、子どもは階段から落ちたり、熊におそわれたり、残酷な目にあってしまう。子どもが守られたり、愛される存在として描かれない。道理も通らない。
…淡々と描く距離感、そして残酷なシーンを描いても、美しく知的、なにより品を失わないのが、ゴーリーの最大の魅力だろうか。

多くを語らない。全てはそのときどき、見る人にゆだねられる。
深くのめり込むことも出来るし、洗練された絵を鑑賞するだけの時があってもいい。
全ては、「あなた次第」と言われている、それが深く、くせになりそう(汗)

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後半生の作品は、空間を埋めつくほど描き込みから、徐々にシンプルに。
へんてこな人々やキャラが際立っていく印象。
バランスもおかしいユーモラスなキャラもいろいろ登場。





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