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山中現展 夢の領域

2010年03月13日
山中現(1954~)は、元々は油絵を学んでいたそうですが、学生時代に版画家小野忠重の講義を受けたのをきっかけに木版画の道へ。
初期の作品は、モノトーンというか、黒と白コントラストが強い、一般的な木版画ですが、やがて暖かみのあるグレー、淡い色彩へと変化していきました。

このグレーがなんとも優しい感じがします。実物は触れるとネルのような肌触りがありそうで、一瞬木版であることを忘れそうになります。
シンプルな抽象画ですが、あきらかに人や家族を思わせるユーモラスなフォルムがあったり、厳密には抽象画ではないような気がします。
室内の家族を連想させる連作では、窓(のようなもの)の外は星空と地平線を連想するのですが、どこか異世界めいて、月面の風景のようです。

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(詩画集『星火』より)
1986年 和紙・木版

抽象画を描く画家には、作品そのものが大切でありタイトルからイメージを連想させることを嫌うタイプと、タイトルがテーマそのもので徹底的にこだわるタイプとがいますが、山中氏は後者ですね。
そして、そういうタイプの版画家は、詩人との相性がいい。詩人串田孫一との詩画集「星火」、松永伍一との詩画集「水の庭」が展示されていました。

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「石の声」(詩画集『水の庭』より)
2003年 和紙・木版

木版画がメイン、よく見るとさまざまな技法を駆使していて、シンプルな作風からちょっと意外でした。
ほとんどの作品が和紙に刷られていて、生成りのような和紙の風合いも作品に暖かみを加えているのかもしれません。
版画は至近距離で見ると、絵の具やプレスでできたかすかな凹凸があって、角度をかえて見るのも面白いです。
ほかに木口木版、ドライポイント、モノタイプ、水彩画、ガラス絵、オブジェなどもありました。



山中現展 夢の領域
福島県立美術館
2010年2月13日(土)~3月22日(月・祝)

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