舘形比呂一『KUROZUKA 闇の光』

2016年09月13日
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『KUROZUKA 闇の光』
9月9日(金)、10日(土) 両日共18:30~ 
会場:安達ヶ原ふるさと村 農村生活館
舞踊:舘形比呂一、脚本・構成:谷川渥、音楽:落合敏行、企画・美術:渡邊晃一、
振付:加賀谷香、照明:浦佳忍、舞台監督:佐藤善美(株式会社ライト・ヴァージ)
主催:はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト

2年に一度開催される福島現代美術ビエンナーレ2016、今年は二本松市が開催地になりました。
毎回ダンスパフォーマンスを見せてくれるのが舞踊家の舘形さんで、今年も楽しみにしていました。
会場は、安達ヶ原ふるさと村農村生活館、安達ヶ原ふるさと村は、鬼婆伝説が残る黒塚に二本松市が観光施設として作ったテーマパークで、オープン当初こそ華やかでしたが、まあなんというか…時代とともにさびれていったことは否めません。
農村生活館は、明治時代の初期の二階建ての農家を移築したもので、私は初めて来ましたが、藁葺きの大きな農家で、昔話でいうなら地主か庄屋か、大きく堂々とした建物です。
ビエンナーレの舘形さんは、常設のステージではない場所でパフォーマンスをするのも見所です。原っぱや蔵だったり、その場所とのコラボといってもいいかもしれません。
今回は「KUROZUKA 」を黒塚で公演というすごい機会です。
この農家の前が特設の客席、農家がどのように使われるか、どこから登場するのか、始まるまで全くわからなくてドキドキ、おもしろかったです。

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舞台に立つのは舘形さん一人、老女、若い女、鬼女を演じます。
障子越しに聴こえる糸車の音が、長い長い年月を感じさせるオープニング。
老女は枯れ果て、カサカサと音がしそうな、生き血を飲まないともろもろと崩れてしまいそう、バンパネラのように。糸車が紡ぐ赤い糸は、血をイメージしているように見えますが、部屋にめぐらされたとたんに結界のようにも見えてきます。

若い女、私は最初、母に殺されてしまう娘かなと思っていたのですが、2日目の舞台後にあいさつされた脚本の谷川渥さんによれば、老女の若い頃、京の都の栄光の娘時代を回想しているらしい。
いずれにしても、舘形さんの演じる若い女は妖しくも艶やかでした。笑みをうかべたり、しなをつくったり、美しさも女としての性も絶頂にある自信と幸福にあふれていました。
どこをとっても優美な所作、顎から首のラインが美しくて見とれました。

そんな若い女に破綻が訪れます。
人を喰らう鬼女の迫力、血の海と化した座敷。抑えきれない鬼女の衝動と、鬼女に成り果てた老女の慟哭。罪や後悔はとうに超えて、怒り悲しみ苦しみの地獄でのたうち、死ぬ事すらできない。
舘形さんの美しい肉体から…ある意味限られた箱である人の体から、これほど一気に感情がほとばしるのかと…圧倒されました。圧倒されて表現を思う隙もなかった。
地獄に堕ちてもなお品格を失わない舘形さんのすごさも。
終わりは、鬼女に訪れる受容と光。
残酷な内容より内面の変化のすさまじさ、終えたのち心に残るのは、全て焼き尽くし、浄化されたようなさわやかさでした。屋外という舞台が必然のように感じました。

もともと定員100人の客席でしたが、舘形さんの目の光まで見える位置で見られたことに感謝。

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今回の公演は映像作品となり、これまで制作されたKUROZUKAとともに公開されます。日時等、告知がどうにもわかりにくいので、いらっしゃる方はよく確かめてからおいで下さい。

10月23日(日)11:30〜 福島県男女共生センター
映画『黒塚』 制作:はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト
《KUROZUKA 黒と朱》2014年、主演:平山素子(舞踊家)
《KUROZUKA 黒と光》2015年、主演:大野慶人(舞踏家)
《KUROZUKA 闇の光》2016年、主演:舘形比呂一(舞踊家)
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福島現代美術ビエンナーレ2016
会期:2016年10月8日~11月6日
会場:二本松市を中心とした15の展示会場
http://twpf.jp/fuku2016bien
facebook.com/fuku2016bien
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