映画『ミス・シェパードをお手本に』

2017年02月06日
31bd7d3c13d6f8a2.jpg

映画『ミス・シェパードをお手本に』オフィシャルサイト
イギリスの名女優マギー・スミスが、16年間にわたり主演してきた舞台劇の映画化で、スミス扮する風変わりなホームレスの老女と劇作家の奇妙な絆を描いたドラマ。北ロンドン、カムデンの通りに止まっている黄色いオンボロの車で暮らすミス・シェパード。近所に引っ越してきた劇作家のベネットは、路上駐車をとがめられているミス・シェパードに声をかけ、親切心から自宅の駐車場に招き入れる。それから15年、ミス・シェパードはベネットの家の駐車場に居座り続け、ベネットは、高飛車で突飛な行動をとるミス・シェパードに時折、頭を抱えながらも、なぜかフランス語に堪能で、音楽にも造詣の深い彼女に惹かれていく。脚本を手がけた劇作家アラン・ベネットの実体験に基づく物語で、舞台版に続きスミスがミス・シェパードに扮し、ベネット役をロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなど舞台で活躍するアレックス・ジェニングスが演じている。

the-lady-in-the-van-6.jpg
大好きな女優マギー・スミスならと出かけました。
実話に基づいた話→舞台化→映画化。舞台でも演じたマギー・スミスが主演。
偏屈、傲慢、バンに暮らすホームレスの婆さんをこんなに魅力的に演じるのはさすが名優。まさにマギー・スミスのための映画でした。
それ以上、劇的な何か?とか、涙と感動のクライマックスを期待すると、肩すかしになるので要注意(苦笑)
640-1_2017012310311029b.jpg
近所に越して来た劇作家アランは、ちょっとした親切心から、結局ミス・シェパードにいいように取り込まれてしまう(笑)
背景に、社会的にまずまずの成功をおさめたものの、老いた母との関係を模索する息子としての姿があります。
関係ないかもしれませんが、なぜか年配の女性(にだけ)好かれる男性というのを、私は何人も知っていて、こういう関係ありだなと思う(笑)

彼女が居座る通りは、そこそこの金持ちが暮らす閑静なお屋敷街。住人たちは、迷惑と感じつつ、金持ちである優越感と自分たちだけが豊かに暮す「罪悪感」から、追い払うほど無慈悲にはなれず容認している。
なにくれと差し入れをしたりする…けっこういい人たち(笑)。彼女はそこをよくわかっているから絶対に「礼」は言わない。
この、金持ちたちのあいまいな態度、微妙な「社会貢献」「建前人道的」な設定がおもしろい。
maxresdefault_2017012310311044a.jpg
後半だんだんと、ミス・シェパードの過去があきらかになっていきますが、それは誰の人生にもありそうな「つまづき」「試練」のようにも感じます…極端に言えばですが。
環境、苦労、アクシデント…あの時、もうちょっとこうしていれば人生がちがったかも?…誰にでもあるもどかしさ。それがなんだかリアルで、ひとつ違っていたら、こんな暮しをしていたかもしれないな…そんな思いにも囚われます。
作家アラン、アランの母、ミス・シェパード、金持ちの住人、登場人物たちの人生も、そんな様々なことの積み重ねで今に至るわけで。
640_20170123103109c03.jpg
邦題「ミス・シェパードをお手本に」は、イギリス映画らしく「シャレ」をきかせた?と察しますが、違うなあと思う。
感想やキャッチコピーならともかく、映画はタイトルは一人歩きしてしまうので、ぜんぜん「お手本」じゃねえ…と突っ込まれそうです。

関連記事
映画 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示