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マネとモダン・パリ展 三菱一号館美術館の開館記念展

2010年04月28日
今年4月に丸の内にオープンした三菱一号館美術館、行ったのは開館直後だったのですが、記事を中途半端にしていて、今頃アップになってしまいました。
この美術館、新しい建築物のわりに人の動線が決していいとは言えないので、古い建物をリニューアルしたのかと思っていましたが、明治の洋風建築を当時のまま復元したということです。

エドゥアール・マネ(1832-1883)は、美術の教科書に載るような有名な画家であり、近代絵画を語る上で欠かせない存在です。
パリ・オルセー美術館の名作がやってくる…。美術館のオープニングを飾るにふさわしい企画展ですね。
…とまあ、言いたいところですが、正直ちょっと物足りない内容でした。
マネくらいの巨匠になると、誰もが一度は見たことがあるような作品があり、その印象が強烈…なだけに、その一番有名な作品群がこないとさみしい。まあしかし、オルセー美術館の目玉がそうやすやすと日本にやってくる…わけない…と言ってしまえばそうなのですが(苦笑)
見応えはあるものの「マネの芸術の全貌を…」とうたうのはどうかなと感じます。
たとえば…
 草上の昼食(オルセー美術館)
 オランピア(オルセー美術館)
 笛を吹く少年(オルセー美術館)
…来ませんって!(汗)
来たら来たで、もっと大きい美術館でないと対応できないかもしれませんね。

今回楽しみにしていたのは、ポスターにもなっているベルト・モリゾの肖像画です。

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すみれの花束をつけたベルト・モリゾ(1872年)

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横たわるベルト・モリゾの肖像(1873年)

ベルト・モリゾは画家の卵で、マネの弟の妻でもあります。マネの描くモリゾは、寡黙な雰囲気の中にも、知的でユーモアがあり、特に目の感じが好きです。
恋人や妻でもなく、モデルとしてこの目つきに画家の心が刺激されたのかなと感じます。
マネの人物は、タッチは作品によって受ける印象がずいぶん違うのですが、どれも存在感があり、たいていどこか…意味深な雰囲気が漂っています。
セリフをつけたくなるような…でもそれは、見る人、見る時によって全く違うセリフになりそうな。
はっきりしたテーマがありそうでないところ、完結しているのではなく、見る側にいろいろと想像をさせる隙があるところがおもしろいと思います。

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ラテュイユ親父の店(1879年)

この作品も展示の目玉の一つですが、ドラマの1シーンのようで、セリフをつけたくなりますね。
奥に立っているのが、ラテュイユ親父。

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エミール・ゾラ(1868)

「エミール・ゾラ」は、とても大きい作品で、想像していたより重厚で、迫力がありました。
描いた画家もモデルの小説家も「巨匠」という感じですね。

油彩の他に、素描や版画も多数展示されていました。
銅版画は、当時の社会や風俗を描いたものなのでしょうか。悲惨で残酷なテーマも多く、マネの作品としては知らなかった側面、こちらは意外でした。

今回の作品は、どちらかいうと隠居しつつあった後半生、(印象派のような)穏やかな作品が中心でした。
近代絵画におけるマネの地位や影響力を考えると、そのキーワードとなるような作品、当時物議をかもした「草上の昼食」のようなスキャンダラスな作品がいくつかあれば…無理無理と思いつつ…つい欲が出てしまいます。

マネとモダン・パリ展
三菱一号館美術館の開館記念展

会期:平成22年4月6日(火)~7月25日(日)
三菱一号館美術館(東京・丸の内)

エドゥアール・マネ(Wikipedia)
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