檜枝岐の舞台

2017年07月31日
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尾瀬のトレッキングの帰り道、時間があったので、檜枝岐歌舞伎の「舞台」(会場)を見ていくことにしました。
檜枝岐歌舞伎は国の重要有形民俗文化財で、上演されると福島では必ずニュースになる有名な催しです。ただし、ニュースの映像は、夜の歌舞伎上演の様子と会場の熱気などで、どんな場所で上演されているのか、私は全く知りませんでした。
重要有形民俗文化財には歌舞伎、舞台(ステージ)、客席まで含まれているそうです。

檜枝岐歌舞伎 - 尾瀬檜枝岐温泉観光協会
檜枝岐歌舞伎は江戸の時代より親から子、子から孫へと伝承されて連綿と続き、春と秋の祭りに奉納歌舞伎として檜枝岐の村人を楽しませてきました。現在残っている資料の中に270年前に購入された浄瑠璃本が残っていることから、270年以上の歴史を持っていると言われています。上演される舞台は鎮守神の境内に有り、国の重要有形民俗文化財に指定されております。観客席は露天で、神社への坂がそのまま自然の観覧席になっており、夕方より上演されます。
夕闇が深まる中での鑑賞は、その昔上演された雰囲気を十分に伝えてくれます。 役者の方々は全て村の住民で、自分の仕事を持っておられる中、寸暇を割いて練習されております。その演技については素人離れしたものがあると評価を戴いております。


檜枝岐の舞台(国指定重要有形民俗文化財:昭和51年8月23日指定)
檜枝岐の歌舞伎は元来鎮守神の祭礼に歌舞伎を奉納するという形で上演され、村民もこれを楽しむというものでありました。したがって建物は神社に向かって建てられ、拝殿のような形態をとっています。 明治26年の大火で消失し、明治30年に再建されたのが現在の舞台です。全村火災という大災害に遭い、当時の貧しい暮らしの中で、村民が総力をあげて作ったと思われます。 平成16年3月に国立劇場公演を行なった際には、劇場側で檜枝岐の舞台そっくりの舞台装置を作り、そこで上演されました。
桧枝岐の舞台 wikipedia

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集落の幹線道路から、細い裏路地…といってもいいくらいの細い参道の先に舞台があります。手前に右の建物は、歌舞伎伝承館「千葉之家」(資料館)
そして鳥居が見えてきました。鳥居の左が舞台の袖です。

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横から見た舞台は、風格は感じるけれど、それほど大きく感じませんが…

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びっくりしたのは観客席、これは円形劇場。階段状の客席に約1200人収容。それほど大きくないと感じた舞台に対し、このスケールはすごい。

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ステージの真正面の階段の先に小さな社。檜枝岐歌舞伎は、奉納歌舞伎であることがわかります。
ちなみに奉納ですので、入場料(観劇料)は取れないとのこと。

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神様のいるてっぺんから見下ろします。

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神様の背後は鎮守の森、斜めになった巨木の迫力が。

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客席のいたるところに杉の巨木がそびえます。ちょっとした異空間。

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帰りに歌舞伎伝承館に寄ると、檜枝岐歌舞伎を長年演じ、今は指導者として関わっているという年配のかたに話を聞く事ができました。歴史の事、国立劇場公演や役者が減ってしまって困っていることなど、興味深い話がありました。
檜枝岐村は、平家の落人伝説の残る所。あくまで「伝説」なのですが、訛りもなく、品のいいたたずまいに、平家のプライドを持って暮らしていることがよくわかりました。
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おまけ、檜枝岐の舞台のすぐそばにある神様「橋場のばんば」
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「橋場のばんば」
【檜枝岐】縁結び、縁切り...願い一手に 知る人ぞ知る「橋場のばんば」 
2016年05月23日 福島民友
橋場のばんばは、その名が示すように、元々は村内の川に架かる橋のたもとにあり、水難から村の子どもを守る神様だった。1902(明治35)年に村が大洪水に襲われた際、石像が流されるのを心配した村民が背負って運び、現在の場所に移された。
 檜枝岐の舞台の近くに住む農業星房子さん(78)が、橋場のばんばにまつわる伝承を教えてくれた。石像が移された後、望まない縁組に悩んでいた村民の若い男性が婚約相手との縁を切りたいと願い、石像にはさみを供えたことから縁切り信仰が始まったのだという。
 さらに、「切れ味の悪いはさみを供えれば良縁に恵まれるのでは」と考える村民も増え、さまざまなはさみが供えられるようになったとされる。星さんは「時代の流れか、最近は悪縁を切りたい人の方が多いみたい」と笑う。


つつましい社と石像に似つかわしくない巨大な糸切りはさみ、そして供えられた大量のはさみ、ほとんどが縁切りのはさみだそうです。
縁結びは各地にたくさんあるけれど…縁切りは少ないと思う。ここは、暗く密かで、逃れたい…切迫した思いが満ち満ちた場所でした。
そして、縁切りの裏返し「縁結びの錆びたはさみ」には、おめでたい「縁結び」の雰囲気は全くありません。写真を撮るのははばかれましたが、形がわからないほど赤い糸でぐるぐる巻きにされたはさみなど、何が何でも「…別れない」そんな怨念にも似た執着心が感じられ…それは「縁結び」とは違いますよね(汗)怖かったです。
南会津は、とてもディープな場所でした。
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