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第22回 すかがわ国際短編映画祭

2010年05月10日
昨年に引き続き、今年も行ってまいりました。
盛大にというより、広い会場でのんびりゆったり、ふだん見る機会の少ない短編映画を楽しめるのがこの映画祭のいいところ。
楽しみだったのは作家性の強いアニメーションです。意表をつく視点のドラマも面白かったです。
ドキュメンタリー映画は、深刻なテーマが多く、ちょっと気持ちが塞いでしまうこともしばしば。
印象に残った作品の感想をいくつか。

sukagawa

○ノルシュテイン作品特集
ロシアのアニメーション作家、ユーリ・ノルシュテインの6作品。
商業ベースのアニメーションを見慣れている自分には、全く別物に見えました。
これは芸術作品、アートですね。
民話を題材にした「キツネとウサギ」「アオザギとツル」は美しい絵本が動き出した…そんな感じです。
「霧の中のハリネズミ」もファンタジーのようでありながらスリリング、心理的な部分に訴えかけてくるこの力はなんでしょうか。
先日3D映画を見たばかりですが、今なら技術が進み迫力ある映像や美しい映像を作り出すことは、いくらでも可能といっても過言ではないと思いますが、そうした技術だけでは絶対に出来ないことが、ぎゅっとつまった作品たちでした。
もちろん映像が劣っているわけではなくて、強烈な存在感があります。
オリジナリティってこういうことだよねと思う。個性的なキャラクター、工芸品のような精緻な背景、凝った意匠、究極の手作りとでも言えばいいのか。
その集大成といってもいいのが「話の話」、ストーリーやテーマがあるのかどうかも判然としませんが、見終わってからもずっとあとをひくような思いが残ります。

そうえいば以前、NHKのドキュメンタリーでノルシュテインと記憶が…、検索で調べてみると、2005年のETV特集のようですね。
いつ完成するかさっぱりわからない「外套」の制作の様子があったことを思い出しました。現在も20年以上かけて制作中だとか(汗)

○「太陽の石」(日本)
こんな映像表現があるのだなと、目からうろこ。
アイディアとしての表現方法を越えて、この表現方法でしかできない作品になっている、その完成度もすばらしい。
わずか13分の作品です。
舞台は日常ですが、影絵のような手法が日常とファンタジーを結んでいるうな。

○デンマークの詩人(カナダ・ノルウェー)
カラフルで楽しいアニメーションでした。この明るさって北欧だなという感じ。映像も展開もリズムがあって楽しい。

○オマのキルト(カナダ)
老人ホームに入らなければならないおばあちゃんのために、思い出がいっぱいつまったキルトを作る。
キルトの映像がかわいい。

○マダム・トゥトリ・プトリ(カナダ)
幻想的、ちょっと怖い不思議な作品でした。
世界観の作り込みがすごい、人形アニメなんですが、ヒロインのリアル過ぎる表情と動きに感嘆!
しかしこのストーリーはいったい…(汗)

○金魚(日本/幼なじみが引っ越ししてしまう夏の一日)
○旅立ち(オーストラリア/父の葛藤、学校生活に悩む少年の心の軌跡)
○ベティの愛情(ニュージーランド/母親の過剰な愛から逃れようとする青年)
○秘密(イギリス/渋滞で隣り合わせになった車、男の子と女の子のつかの間の交流)
4作品とも少年から青年が主人公、子どもの心は大人が思っているほど単純ではなくて、といって大人のようには物事をとらえられなくて…この世界が全てのようでもあり、傷つきやすくももろくはなく…子どもの頃のもどかしい自分を思い出してしまう作品でした。
少年時代だけにしかない心のありよう、感情がダイレクトに伝わってきます。
実写の短編映画はシンプルなストーリーで展開が少ないけれど、その場の一瞬の気持ちや一瞬の空気感を伝えることに長けているような気がします。見終わったあとにずしんときます。

ゲストとして、三鷹の森ジブリ美術館館長のトーク。
銀行出身の方なんですね。お話がつまらなかったわけではないですが、ここはやはり映画(実写でもアニメでも)の監督など、現場に携わっている方がよかったなあと思いました。

第22回 すかがわ国際短編映画祭
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