FC2ブログ

美のふるさと 秋田県立近代美術館名品展

2010年05月11日
秋田県立近代美術館収蔵の日本画を中心とした企画展です。

○秋田蘭画
秋田蘭画というカテゴリーがあることを初めて知りました。
(以下パンフレットの内容を読みながら)
秋田蘭画は18世紀後半、秋田藩に広まった蘭画の一派です。
江戸時代の蘭学・博物学の流行と、中国清朝の写実法が出会い生まれた蘭画、そのきっかけとなったのが、平賀源内や杉田玄白です。
秋田角館藩士小田野直武は、藩御用達の画家に手ほどきをうけ、狩野派、浮世絵、琳派も学びました。
1773年25歳の時、秋田藩の鉱山調査に訪れた平賀源内と出会い、西洋画の手ほどきを受けました。のちに藩命により上京、翌年杉田玄白が翻訳した解剖書「解体新書」の挿絵を描きます。
日本画と西洋画が融合させ、独自に確立していったのが秋田蘭画、直武を中心に藩ぐるみで研究に明け暮れましたが、1779年平賀源内の入牢死に伴い、直武は国元に召還、蟄居謹慎となり、翌年32歳で生涯を閉じました。死因は今も謎とされています。
秋田蘭画の流れは、やがて司馬江漢に受け継がれていきました。


日本画と洋画が融合して、そのどちらでもないエキゾチックな日本画に。
新しいものが伝わり、それが独自の文化に発展していく、大都市江戸や京都からいい意味で離れているからこそ、独自の文化に発展したのでしょうね。

naotake
小田野直武「不忍池図」(1770年代)
秋田県立近代美術館所蔵

秋田蘭画の最高傑作「不忍池図」、不忍池を背景に鉢植えの芍薬、見れば見るほど不思議な絵です。
観光名所、しかも戸外に鉢植え、背景と鉢植えのバランスもなんとなくおかしい。
この絵には研究書も出版されています。

Q:蓮の名所、不忍池になぜわざわざ芍薬の鉢を置くのか?
A:主君が計画した三階建楼閣のために、あたかも遠眼鏡でのぞくように、遠近感を強調して描いた。
芍薬は美人の象徴、子孫繁栄の願いが込められ、不忍池は秋田藩ゆかりの地、男女の出会いの場でもある。


なるほど、これが真説かどうかはわからないようですが。
ん~でも、わかるようなわからいような(汗)

秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む
(2009/04)
今橋 理子

商品詳細を見る


○近代日本画
平福穂庵、川端玉章、平福百穂、横山大観、下村観山、寺崎廣業、鏑木清方、福田豊四郎、玉村方久斗など。
こちらは近代日本画のそれなりに著名な作家たちの作品。
季節感あふれる平福百穂の「朝露」「老松」「菜圃」、日本画らしい美しい線、墨のにじみが目に優しい。
秋田蘭画より、こちらが新しい時代であることを忘れそう。

asatuyu
平福百穂「朝露」(1915年頃)

福田豊四郎の華やかな色合いの屏風も絵本の中を歩いているようで楽しい。
玉村方久斗は、エッセイスト玉村豊男氏のお父様で、日本画家だとは知っていましたが、どんな絵を描いていたかは知りませんでした。
いわゆる古典的な日本画ではなくて、前衛なんですね。なるほど。
モダンな作風が、息子である玉村豊男の生き方というか美学に通じるような気がします。

「美のふるさと 秋田県立近代美術館名品展」
福島県立美術館


2010年4月17日(土)~5月16日(日)

参考/秋田県立近代美術館

関連記事
アート・美術館 | Comments(0) | Trackback(0)
Comment

管理者のみに表示