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ターナー風景の詩(ターナー展 2018)

2018年08月17日
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《キリスト教の黎明(エジプトへの逃避)》1841年展示油彩、カンヴァス

ターナー風景の詩
郡山市立美術館
2018年7月7日(土曜日)~9月9日(日曜日)
イギリスを代表する風景画の巨匠、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775~1851)の展覧会です。穏やかな田園風景、嵐の海、聳(そび)え立つ山岳など、自然の様々な表情を優れた技法で表現したターナー。独特の光や空気感に包まれたターナーの風景画は、フランスの印象派をはじめ、多くの芸術家に影響をあたえました。本展覧会はターナーの水彩、油彩、版画作品約120点を、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」という4つの章でご紹介し、その核心と魅力に迫ります。
ターナー展 2018|京都・東京・郡山

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《コールトン・ヒルから見たエディンバラ》 1819年頃水彩、鉛筆、グワッシュ、スクレイピングアウト・網目紙

風景が光に溶け込むようなターナーらしさを期待するとちょっと違う。職業画家ターナーの勤勉な作品が多数。
写真がない時代、記録や観光ガイドとしての需要が大きかったこともあるのでしょう。そうした堅実な作品によって生計を立てることができた恵まれた画家人生だったのかもしれません。
17歳で描いたペン画(廃墟の修道院)、俯瞰で描かれたエディンバラ、町のにぎわい、ターナーの非凡な才能がわかります。

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ソマーヒル、トンブリッジ》 1811年展示油彩・カンヴァス

湖畔に建つ貴族の館、光があふれる空は、やはりターナー。
町や建物を描いていても、時代共に空や光の空間が大きくなっていく。主役が建物や人から光や空気に移っていくのがわかります。

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《モンテ・マリオから見たローマ》 1820年水彩、スクレイピングアウト・紙

ターナーの方向性を決定づけたとされるイタリア旅行。
ロマンチックな想像をかき立てる遺跡、光あふれる空、絵全体が明るくなりました。

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《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》1802年展示油彩・カンヴァス

これはターナーとしては意外な作品。荒々しい海に飲み込まれそうな漁師の緊迫感が伝わってきます。
イギリスやノルマンディの暗い海、嵐の海に翻弄される人々を描いた作品は多いけれど、ターナーにもこのような作風があったのかと。

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《セント・オールバンズ・ヘッド沖》 1822年頃水彩・紙

船を熟知していたターナー。優雅で緻密、帆船が美しいですねえ。

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《ストーンヘンジ、ウィルトシャー》1827~28年水彩・紙

版画の原画も数多く制作していたターナー。
なぜか、雷に打たれて倒れている羊飼いと羊が描かれている。
水彩画にはたくさんの技法が使われています。ウオッシュ、スクラッチアウトなど、ターナーらしいにじみやぼかしはこうした技法によって生み出されたものなんですね。

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《20ヴィニェットのうちの1点-ヘルゴラントの死の舟》1835年頃水彩、鉛筆・紙

版画の原画と版画作品も多数。
ターナーは、たくさん刷ることで多くの人に見てもらえる版画を重要な位置づけとし、優秀な彫り師と共に制作していました。上の作品のような本の挿絵も多いです。
しかし版画はどれも小さくて、虫メガネもってくれば良かったと思うくらい(汗)紙も貴重、広く普及させるものなので、必然的に小さくなるのだろうな、それにしても小さい、彫り師の仕事にも感心。


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