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高橋大輔の「アメリ」と映画「アメリ」

2010年06月28日
DOIで初披露となったランビエール振付のダイスケ新EX「アメリ」。
私は好きです。
情報が入る前は、今年は熱く盛り上がるEXが見たいなあという期待もあったので、そういう意味では少し違うのですが、これはこれで素敵なプログラムだと感じました。
好みという点では、昨年の「Luv Letter」よりずっと好みです。

映画「アメリ」は、公開当時に見て気に入ってました。よく記憶に残っているので、今回のショーを見ていろいろ感じるところがありました。
話題になった映画なので、ストーリーや概要は検索すれば、すぐ手に入ります。ご覧になった方も大勢いらっしゃるのでは。
フランスでヒットしたそうですが、日本でロードショー公開される一般的なエンターテイメント映画とは少し違うように思います。
日本での公開は、B級ホラーを得意とする弱小配給会社(汗)が、B級ホラーと勘違いして買ったというのは、わりと有名な話。
キモカワなポスター写真を見て「ホラーっぽいでしょ?」と、担当者が話していたのは「タモリ倶楽部」だったかな。
どこまでホントか定かではありませんが、この映画が日本でもヒットし、おかげで、そのつぶれそうな弱小配給会社が助かったとかなんとか…あはは。

ここからは映画もプログラムも私個人の感想なので、意見が違う方も大勢いらっしゃると思います。
映画については、ラブストーリーであるとか、孤独な少女が愛を得るまでとか、コミュニケーション不全…など、ネットのあらすじでは書かれていますが、なんか違うような気が、あらすじだけではわからないのではと私は感じます。
簡単にいうと、少し安易ですが…不思議ちゃんの映画。
アメリには自己の世界があり、社会や人々を別の世界から、窓越しに見ているような気がします。
恵まれない少女時代をだから、不器用でコミュニケーションを取れないのではなく、そもそもコミュニケーションを求めていない、困ってないように見えます。
「孤独」とは他者とつながりたいと思っていてもできない時に孤独なのであって、気にしてないなら孤独ではないはず、一人で完結する世界は孤独ではない。
あるいは天から降ってきた天使(悪魔か宇宙人でもいいけど)。何も知らない天使が、興味深げに人間社会喜怒哀楽をのぞき見、ちょっとしたいたずら心をおこす、罪を知らないくすくす笑い。それが何かをきっかけに、人と関わっていく、社会に入り込んでいく、恋をして涙を知る、孤独を知る、そして人間になる。そんな風に見ました。

感動ストライクとは違う、少し斜に構えたような、アンニュイな雰囲気はいかにもフランス映画。ラブストーリーとして見ると物足りないのではないでしょうか?
空っぽの子どもが、静かに満たされていくような不思議な感覚。
チャーミングなアメリのお遊び、個性的な色彩感覚、ノスタルジックなパリの街、美しいピアノのメロディ、それらが重層的に合わさった映像詩、「アメリ」が好きな人にとって、そこが魅力では?
私にとってはその辺りが見所、おもしろさかなとずっと思ってきました。


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ダイスケの新EX「アメリ」は、特定の誰かをイメージしているようには見えませんでした。
善悪も知らない天使が、パリの街を見下ろしているような…あれ?それじゃ「ベルリン天使の詩」か?
じゃあ、ダイスケは「パリの街に吹く風」って感じでどうでしょうか?(苦笑)

ランビがどのような視点で「アメリ」を選曲し、振付をしたかはわかりませんが、これまで見てきて彼はそう単純に物事をとらえる人ではないと思います。ダイスケのために、孤独な少女のハッピーエンドラブストリーを作ったりはしないと。
わかりやすいキャラクター設定を求める選手だと、(今の)ランビの振付は向いてないのではないでしょうか。
表現者としてのダイスケは、バチェラレットがそうだったんですが、女性の心を表現していながら、女性には扮していないところがすごいなと思っていました。
感情やテーマをダイレクトに表現するのではなく、距離感、別の視点、別のフィルターを通して捉え、表現するという意味で、二人は相性がいいような気がします。
激しさより美しさのプログラム、「Luv Letter」は清流のようだな感じましたが、今度は風かな。
男性的とも女性的とも、中性的にもならずに…つまり人ではないのか?…表現できるのは、ダイスケの特質だと私は思っているのですが。

DOIを見ていて、現時点では見る方もランビを意識していますから、ついランビっぽい動きに目が行きます。具体的には、ランビの首の使い方、間の取り方が特徴的ですよね。
しかしランビが乗り移ったというのは言い過ぎでしょう。ダイスケに乗り移る理由もないような…(笑)
だいたい、ランビがダイスケを自分のコピーにしたら、ランビの振付師としての評判が微妙なものになるはず。
しかしランビファンから見ると、また別の思いがあるのでしょうね。
技術の裏付けなしに表現力はありえませんが、私は、ダイスケがランビ風の表現、特にステップもできてしまうことに、彼の技術の高さを感じました。
そしてミヤケン、カメレンゴさんとまたタイプの違う表現をしたいという(これはインタビューや記事にもありましたが)あくなき野心を強く感じました。
ニコライで「顔撫で」してたころが遠い昔のことようで…あ、否定してませんよ(汗)、あれも大事な時間でした。

ダイスケがランビのように滑りたいといっても、インタビューで答えているように、これは2人のコラボ、これから回を重ねるごとに熟成していくのではないでしょうか?
ファンの欲目ですが、ダイスケはこれまで、プログラムを深められなかったことはありません。
なのでその点は全く心配していません。

衣装の好みは分かれそう、私は地味ですがかわいいと(笑)
ネットの動画でも確認しましたが、あの腰のスカートっぽい部分が特にかわいい。
ぜひバレエのバーレッスンをして見せてほしいものです(笑)
衣装をシンプルにしたのは、自信の表れなのか、間に合わなかったのか…ま、そんなことまで考える必要ないか(苦笑)

ランビとはSPも作っているので、たぶん色合いが違うであろうそちらとの対比もおもしろそうですね。
とまあ、いろいろ勝手なことを書いてしまいましたが、私の個人的な感想、全くの勘違いかもしれませんので…と一応言い訳~(笑)
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フィギュアスケート | Comments(4) | Trackback(0)
Comment
余談好きなので、余談の箇所について補足。

>日本での公開は、B級ホラーを得意とする弱小配給会社(汗)が、B級ホラーと勘違いして買ったというのは、わりと有名な話。
キモカワなポスター写真を見て「ホラーっぽいでしょ?」と、担当者が話していたのは「タモリ倶楽部」だったかな。
どこまでホントか定かではありませんが、この映画が日本でもヒットし、おかげで、そのつぶれそうな弱小配給会社が助かったとかなんとか

確か今年、この会社自己破産しました。ニュースではその社長(一般的評価としては筋金入りのだめんずらしい。だめんず好き人生を体を張って邁進する『だめんずうぉーかー』作者と結婚)はミニシアター、独立系小配給会社の星、みたいな書かれ方をしていたけれど、「アメリ」以外の作品名列記と、アメリとの落差があまりに大きいようにそのとき感じていました。


フィギュアスケートのプログラムに関しては、私は振付担当者が誰かということや、プログラムそのものの構成、プログラムで何を表現するかということにはあまり興味がなくて、音源の選択(曲目だけではなくて『バージョン』とかアレンジ、演者、ミックス、音質がクリアかどうか、そういったもの一切)と、スケーターがどのぐらいそれで動けるかということに気持ちが集中するんですよね。競技プロorEXナンバーに関わらず。

高橋君は後者の部分(スケーターがどのぐらいそれで動けるかということ)については全く問題のない人。今回のプログラム「アメリ」も、今年の振付師の選択(予想される彼らの音楽選択)からすると他の競技プログラムも、堪能できそうです。
>長野のK嬢さん
>確か今年、この会社自己破産しました。

相変わらず素晴らしい情報網ですね、知りませんでした(汗)
そのカテゴリーは一部のコアなファンに支えられ、大きいとは言いにくい市場ですし、経営も難しいのでしょうね。
でもダメっぷりが、いかにも「B級ホラー命」らしい生き方かも…なんてことをつい(笑)

高橋選手はとランビは、話題が先行してしまったので、そこがプレッシャーというような記事を読みました。
まあわかっていながらやるぞって彼らの心意気は、私をとてもわくわくさせてくれました。
双方にとって新しいチャレンジ、魅力的な二人のそういう場面に立ち会えるって幸せだなと思っています。
プログラムは、競技、ショー共に、おっしゃるように私も全く心配はしていません。
広い意味で二人とも聡明、これは彼ら二人の将来を左右することでもありますから、とことん手を加えることも、さらにバージョンアップすることも想定しているだろうということもあります。
ニルギリさん、お久しぶりです!
五輪の時に一度コメさせて頂いたランビファンのあやです。
話題先行は、本当に2人ともプレッシャーだったでしょうね。
4月下旬頃のランビのインタ記事で、「3人に振付する予定だけど、まだ、名前は明かしたくない」と言ってたので、本来ならギリギリまで明らかにしたくなかったのかもと思いました。
しかし、そのインタ記事を読んだ時は、まさか高橋君の振付けをするとは思いもよらなかったです。たぶん誰も予想できなかったんじゃないでしょうか。
知った時は2人とも勇気があるというか、自由というか苦笑いがでてきました。

春頃のASのランビインタ記事で、振付けについて、誰かのコピー(振付師のコピーだったかも)ではダメなんだというような事を言ってました(ちょっとうろ覚えでスミマセン)。だから、高橋君がランビのコピーになる事はランビも望んではないだろうと思います。
自分は、動画でしか見てないのですが、巷で言われてる程にはランビのコピーには見えませんでした。
どうしても見る側が「ランビ振付プロ」として見る人が多いからでしょうが、2人のスケートを良く見てる人ならランビのコピーのようだという感想はもたないんじゃないかなーと。
もちろん、ランビ風味の振付けだなとは思いますが、高橋君が自分の意思で滑ってますよね~。
自分は、高橋君とランビがどのような思いで「アメリ」を作ったのか気になります。
何度とか見てるうちに、高橋君がこれから感じるかもしれない、もしかしたらもう感じてるかもしれない栄光を勝ち得た後の苦しみとか葛藤を表現してるのかなと思いました。
次の世界に行かなきゃならないけど、まだ自分の世界に閉じこもっていたいというかなんというか・・・いやはや想像力をかきたてられる高橋君とランビの美しいコラボですね。
何故、選曲がアメリなのか、どういう意図があるのか、わかりませんが色々な経験を経て大人になった今の高橋君だからできる表現のような気がします。
今後、「アメリ」がどのように変化するのか楽しみですね。
長文失礼しましたm(__)m


>あやさん
こんにちは、コメントありがとうございます。
実はこの記事を書いてから気がついたのですが、双方のファンの間で、このプログラムの評価というか、受け止め方に、否定的とまでは言わないけれど、微妙な空気が流れているようなんですね。
ですからランビファンの方のお話も聞きたいなと思っておりました。

今回はダイスケ側からの発表がないまま、情報だけ先に流れ、実際見るまでの期間、ファンはあれこれ妄想したのかも…なんて思っていました。
私は美しいプログラムだなと感じ、ランビのカラーを感じましたが、決してコピーだとは思いませんでした。
あやさんがおっしゃるように、やっぱり先入観ですよね。

>知った時は2人とも勇気があるというか、自由というか苦笑いがでてきました。

ほんとうにそうですね。
でも自由は、冒険でもあり自己責任でもあり、すごいことですよね。
これだけ実績があれば、当面キャリアを守る体制に入ってもおかしくないですが、あえてチャレンジャーになるという。
数ヶ月前共に競い合ってきた同士が、協力し合うという関係は、二人がこれまでお互いを尊重してきたからかなとも感じます。

なぜ「アメリ」なのか、それはおいおい話が出てくるのではないでしょうか。
プログラムの熟成を見守りながら、楽しみに待ちたいと思います。

素敵なコメントありがとうございました!

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