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オルセー美術館展2010「ポスト印象派」

2010年07月09日
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モネ、ゼザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルソー、スーラ…オルセーの名品がまとめて見られる!それだけで興奮しますね。
有名作品だからありがたいのか?とか、日本人は印象派に弱いのかとか、まあメジャー過ぎる作品を前に、斜に構えた意見もあるかと思いますが(汗)、やっぱりねえ…いいです。
解釈とか、背景とか、そんな話はどうでもよくて、まずは見ましょう!…と言いたいですね。

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「日傘の女性」(1886年)クロード・モネ

モネの「日傘の女性」は、いろいろなパターンがありますが、実物は見たことがなかったので楽しみにしていました。
モネらしい明るい色あいがいいですね。
初夏のまぶしい日差しと女性が同化していくような、揺らめくような光が感じられます。
この絵を見ていると、なんとなく幸せな気持ちになります、「幸せの記憶」はこんな色をしているんじゃないだろうか。
モネがどんな気持ち描いたかはわからないけれど。少なくともこの絵を見て嫌な気持ちになる人はいないと思います。

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「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」(1904年)
クロード・モネ

モネが描きたかったのは国会議事堂ではなく、光と大気、霧ということがよくわかります。
具象を極めた絵画が主流の時代、こういう表現方法は当時としては衝撃的だったんでしょうね。もちろんモネにとっては、光と大気をリアルに描いたことになるのですが。
実際に見ないと乳白色の霧、霧を透かした陽光の美しさはわからないですね。

スーラ、ピサロ、シニャックなど
印象派の点描技法といえば彼らですね。
色彩学など、光やコントラストを計算して描く絵の具を配置、点描法は科学であり理論と言われますが、なるほどと思いました。
見応えのある作品が並んでいるのですが、今回は他のラインナップがすごいので、なんとなく気もそぞろに見てしまいます。
というか、ゴッホやモネのタッチはまるで生き物のように感じられるのに対し、点描法は熟練の「職人技」といった感じ…なんと贅沢な上から目線ですよねえ。

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「台所のテーブル(篭の静物)」(1888-90年)
ポール・セザンヌ

今回楽しみにしていた作品の一つです。
「篭、果物、壺といったモティーフを複数の視点から捉えるアプローチが非常にはっきりと伺われます。」
なんて注釈も大事なんですが、作品を前にするとずっと見ていたい、そういう魅力なくして名画はないわけですが。
はりのあるナプキン、果物、壺、モチーフに対する愛情、一つ一つに思いが感じられます。
こんなふうに複数のモチーフを丹念に描くと、まとまりのない印象を与えることもあるのですが、それが飽きさせない魅力になっているのはさすが。

ロートレックの作品もいくつか、彼の代表作のほとんどは、踊り子や娼婦、芸人、金持ちの客など夜の世界にいる人物を描いた作品。
きついまなざし、濃い化粧、「黒いボアの女」はそんな娼婦を描いたのでしょうか?
隣にいた見知らぬマダムが「あんまりいいご商売をしてないわね」と。
妙に納得、思わずにやりとしてしまいました。

ゴーギャンも好きなのですが、昨年のゴーギャン展が素晴らしすぎて、印象が強すぎて、今回は物足りない…なんという贅沢!(汗)

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「星降る夜」(1888年)
フィンセント・ファン・ゴッホ

今回私の最も期待していた作品がこれ。ゴッホの夜景は好きなのです。
もっと派手かなと想像していましたが、しっとりと落ち着いた雰囲気でした。
現実世界というよりはファンタジー?
幻想的で美しい、そしてなんという堂々とした存在感。
輝く星も闇も街の灯りも、水面に映る灯りも生き物のようです。ゴッホの筆遣いは見れば見るほど生きているように感じられます。
夜景という生き物が住む世界、そこに行ってみたいけれど、その世界では人間は人形のようなんじゃないかと思ったり。

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「貧しき漁夫」 ピエール・ピュヴィ・シャバンヌ

これといった強いインパクトはないのに、思わず立ち止まって見入ってしまう。静的な世界、押さえた色調、構図、細部まで、どこまでも完璧です。

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「戦争」(1894年)アンリ・ルソー

展覧会ポスターにもなっているルソーの「蛇つかいの女」も素晴らしいですが、この「戦争」はおもしろいですね。
大胆な色使い、躍動感、悲惨さとは切り離されたようなポップな雰囲気。ルソーの解釈する戦争とは、こういうイメージなのかと。
空を駈ける野生児のような子ども(?)は人の本性の象徴なのか?楽しんでいるのか?おびえているのか?も判然としない、そもそも戦争は人間の性なのかもしれない…そんな様々なイメージが次々と浮かんできます。 
素朴派の代表になるであろうルソーですが、そのイマジネーション、力量は、「素朴」なんてものではない、やはり巨匠なのだと実感します。
これまでルソーの作品は小さな作品しか見ていなかったので、今回の作品には圧倒されてしまいました。

噂に違わず、見応え十分の展覧会、日本でこれだけのものが見られるのは幸せです。
ただ休日の国立新美術館は覚悟していましたがすごい人出で、疲れました。
ここは大人数を想定した動線が作られているのですが、それでもこの人出には…、ゴッホに近づくだけで一苦労。
本当はもっと時間をかけてじっくり見たい所なんですが。
ロビーの椅子があまりに座り心地がよくて、ついうたた寝していしまいました(苦笑)

オルセー美術館展2010
2010年5月26日(水) - 8月16日(月)
国立新美術館
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