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映画「ドン・ジョバンニ」

2010年07月10日
モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」、といってもこの映画は、映画版「ドン・ジョバンニ」ではなく、オペラの劇作家ダ・ポンテの物語。
首都圏では春頃公開されていたようですが、ようやくこちらでも公開になりました。

モーツァルトとダ・ポンテの出会いとか、稀代の色事師ドン・ジョバンニが、ダ・ポンテ自身がモデルというオペラ誕生秘話…というような設定になっていますが、まあこのあたりは史実がどうかというより、フィクションとして楽しむべきなんだろうなと思います。

ダ・ポンテが聖職者でありながら放蕩をつくし国を追われたり、色事師の先輩カサノヴァもおもしろい。
ダ・ポンテ役のロレンツォ・バルドゥッチは、なかなかセクシー、運命の女も美しい。
映画「アマデウス」の記憶があるので、この映画での凡庸なお役人のようなサリエリにくすっとしてしまいました。

オペラを含め、まるっきり予備知識がないと、冗長に感じてしまうかもしれません。
でもオペラに詳しいと逆に突っ込み大会になってしまうかな?(笑)
全編モーツァルトにすれば良かったという気もします。
映像とともにふんだんに流れる音楽、当時の社会、風俗などをからめた物語として、あくまで気楽に楽しむにはいいかも。
ダ・ポンテが語り始めると背景が舞台になったり、オペラを見たことがあれば、劇中劇の「ドン・ジョバンニ」も、味付けの違う名場面集として楽しめました。

ただ、衣装や小物、美術も見所なんですが、どうしても解せないことありました。
街の風景がスクリーンなんですよね。平板な舞台セットのような感じ。
パンフを立ち読みしてみると、街の建物は巨大スクリーンにプリントして、その前で俳優が演じている…とわざわざ(得意げに)書いてありました(汗)
これが舞台であれば疑問はないのですが、映像世界でイマドキこの手法は馬鹿げているような気がします。スクリーンにプリントする素材(写真)があるなら、CGとして使ったほうが経済的で、加工次第で違和感もないはずです。
俳優の衣装や小道具は当時を再現してよかったのですが、街や外のシーンになったとたん、スクリーン写真と俳優の光と影が違っていて、ぺらぺらのスクリーンばかりが気になります。
少し譲ってスクリーンを使ったとしても、照明を工夫するなどで、もう少しなんとかなったはず、いかにもスタジオなフラットな床も、当時の街並ではおかしい。

大作映画のような巨額な制作費でロケとかできないにしても、劇中劇の舞台の感じと、当時のウィーンの街のリアルさ、その差が欲しかったですね。
結構楽しめたので、そこだけは残念。

映画「ドン・ジョバンニ」
天才劇作家とモーツァルトの出会い
公式サイト
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Comment
こんにちは。TBありがとうございました。
私は、映像的なことには特に不満はなかったのですが、次の3点が残念でした(残念だった順)。
(1)エンドロールで序曲が流れたこと
(2)ツェルリーナが私のイメージと違っていたこと
(3)ダ・ポンテよりシカネーダーの話を映画にしてほしかった(言っても仕方のないことを…)

(1)(2)については、自分のブログでも書いたので、そちらをご覧ください。
(3)は、よく知らないなりに好きなタイプなのです、シカネーダーって。どこがいいって、うさん臭そうなところがたまらないです(笑)。すごくキャラが立ってる感じで惹かれます。

ただ、どういう人物なのか、よくわかっていない部分も多いのかな。ウィキペディアの日本語版では、ほとんど記述がありませんでした。調べたら、平凡社ライブラリーから「シカネーダー」という本が出ていて(知らなかった! 買わなくちゃ!)、その本を紹介する文章によると、こんな人物です。

「十八世紀のウィーン劇壇を息せき切って駆け抜けた男、エマヌエル・シカネーダー。この天才的興行師にして俳優、台本作家は、ひたすら観客の度胆を抜き、熱狂させることに邁進した。そして、もう一人の天才モーツァルトと出会い、オペラ『魔笛』を我々に残した。スキャンダラスな誇大妄想狂と、彼を持てはやし忘却した時代を、犀利に軽やかに描く傑作評伝。」

ああ、なんか、うっとりしますねえ(笑)。大変そうだから、つきあいたいとは思わないけど、キャラとしてはすごく好み。誰か映画にしてくれないかな。
>NOMA-IGAさん
コメントありがとうございます。
NOMA-IGAさんが記事をアップされてから時間が経ってしまったので、間が抜けていたかも…なんて思ったのですが、そちらのツッコミどころと私のツッコミどころが違っていて、それがおもしろい対比だなと思ったものですから(笑)

私はオペラに詳しくないので、NOMA-IGAさんの感想に、なるほど~と。
音楽的には、ヴィヴァルディの「四季」と「トッッカータとフーガ」が入っていてたのが…違和感があるわけではないのですが、全編モーツァルトでいけたんじゃないと思いました。
ツェルリーナはそうですね、いくら田舎娘でも赤いほっぺは。
もしかしたら、運命の女の引き立て役になるようにとか、ドン・ジョバンニが年代・美醜問わずあらゆる女性を網羅していたので、バリエーションが出るようにかな?なんて思ってました。

シカネーダー、これはおもしろそうな人物ですね!
興行師ってのがまず怪しい(笑)なかなかお騒がせな人物のようで、でもこれくらいでないと盛り上がらないか。
これで男前なら言うことないですね!

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