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平成史スクープドキュメント 第5回 “ノーベル賞会社員” ~科学技術立国の苦闘~

2019年02月18日
平成史スクープドキュメント 第5回 “ノーベル賞会社員” ~科学技術立国の苦闘~
NHK総合 初回放送2019年2月17日(日) 午後9時00分~9時49分
2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏への独占取材から、科学技術立国ニッポンの苦闘を描く。民間企業の一エンジニアのノーベル賞受賞に社会は沸き、田中氏は一躍、時代の寵児となった。しかし、ノーベル賞につながった発見は「単なる偶然なのではないか」という周囲の声に葛藤を続けてきた田中氏は、受賞以降、メディアの取材を遠ざけてきた。その田中氏が再び表舞台に登場したのは2018年2月。アルツハイマー病を発症すると脳に溜まるタンパク質を検出することに成功。「一滴の血液から発症20年前に早期発見できる」と科学誌・ネイチャーに掲載され、世界的な注目を集めたのだ。この成果が生み出されるまでには、田中氏の10年以上にわたる知られざる苦悩があった。「論文数の減少」「研究投資の停滞」「補助金の削減」など科学技術立国の凋落が指摘される中、日本は次の時代、どのように再生していくべきなのか、“ノーベル賞会社員”の歩みから見つめていく。インタビュアー/リポーターは、平成5年から28年まで「クローズアップ現代」のキャスターを務めた国谷裕子氏。

田中耕一さんがノーベル賞受賞後、ここまで苦悩していたとは思っていませんでした。受賞後も企業の一エンジニアでありたいと言い、大きな組織のリーダーや華やかな場に登場することも…そういえばありませんでしたね。
16年後、アルツハイマー病に関する成果までの歩みは、番組の短い時間では一端しかわからないですが、相当の覚悟とプレッシャーだったのだろうと察せられます。

番組もう一つの柱、「科学技術立国の凋落が指摘される中、日本は次の時代、どのように再生していくべきなのか」
大事なのはここです。
私も日本は大丈夫なのかと思うことがあります。特に人を育てるという広い意味で。
平成の時代、医学、科学の分野で日本が多くのノーベル賞を輩出することができたのは、昭和の時代、研究者が自由にいろいろなことに取り組むことができた時代の遺産だという。
研究者の環境については、同じくノーベル賞を受賞した本所佑さんも危機感を訴えています。
番組では取り上げられていませんが、山中伸弥さんも(有名になった自分を利用して)研究者の雇用の安定や国からの予算を取り付けるというような意味で、今の仕事は「営業」みたいことを言ってました。

大学への補助金削減や企業にも余力がないために研究投資を渋る=研究者は研究の道を閉ざされる…という現実。いわゆる「ポスドク問題」ですね。
実際私が知っている研究者はアメリカへ研究の場を移してしまったし、間接的に知っている今現在20代のポスドクは、正規の職につけず、結婚に踏み切れずにいるわけなのです。

成果と認められる研究には膨大な裾野…研究の中のほんのわずかな割合です。より少ないコストで結果が出ればいいに決まっていますが。いい結果がでるかどうかはわかりません。
成果のあるところにだけ投資するということ自体無理ってことは、わかっているとは思うのですが。

田中さんは会社から予算を取り付け研究室を作り、ポスドクを20人ほども採用したという。その一つの成果がアルツハイマー病に関する研究。
研究者を採用したこと自体がノーベル賞に匹敵するくらい重要な仕事なのかもしれません。
後継を育てることは、受賞記念の記念館やモニュメントを作るよりずっと大切だと思います。

番組はとても興味深くおもしろかったですが、では「どのように再生していくべきなのか」という意味では、課題を突き付けるだけで、成果はないかも…。
NHKも猫番組ばっかり作ってないで(私は猫好きですが)、そこをもう少しつっこんでほしい。

博士にまでなったのに、なぜ報われないのか 当事者に聞く「ポスドク問題」の根深さ
東洋経済オンライン 2016/02


九州大学 ある“研究者”の死を追って NHK WEB特集2019年1月18日
科学分野ではありませんが、研究者の過酷さがわかります。
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