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古今和歌集の梅

2019年03月30日


古今和歌集は恋の歌が多いけれど、梅を詠んだ歌は色っぽい歌が多いような気がします。
隠しきれない香りが、恋やままならない思いを代弁しています。

梅の花 立ち寄るばかり ありしより 人のとがむる 香にぞしみぬる
詠み人知らず 古今和歌集

少し立ち寄っただけなのに、人に聞かれるほど梅の香りが染みてしまいました。

よそにのみあはれとぞ見し梅の花 あかぬいろかはおりてなりけり
素性法師 古今和歌集

梅の花は遠くから見ていても飽きないが、色や香りは枝を折りとってよくわかるもの。
つきあって、よりよい関係ということか。

春の夜のやみはあやなし梅の花 色こそ見えねかやはかくるる
凡河内躬恒 古今和歌集

春の闇夜は困ったものだ、花は隠せても香りまでは隠せないのだから。

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やどちかく梅の花うゑじあぢきなく まつ人のかにあやまれけり
詠み人知らず 古今和歌集

家のそばに梅は植えません。待つ人の香りと間違えてしまいますから。

梅が香を袖に移してとどめてば 春は過ぐとも形見ならまし
詠み人知らず 古今和歌集

梅の香りを袖に残しておけば、春が過ぎても思い出は残るでしょう。

ちると見てあるべきものを梅の花 うたてにほひのそでにとまれる
素性法師 古今和歌集

梅の花は散って終わってしまえばいいのに、梅の香りが袖に留まっている。
香りを残して恋の思い出を残したい歌と、さっさと忘れたいのに残り香が消えない歌。人の思いは様々ですね。

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