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伊藤若冲展

2019年05月07日
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右上《百犬図》個人蔵

東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展
2019年3月26日(火)~5月6日(月・祝)
福島県立美術館 企画展示室
 江戸中期、町民文化が花開き日本が世界に発信する芸術文化を生んだ時代、独学で自らの画風を創り上げた天才絵師・若冲。その繊細で華やかな作品は今も高い評価を得ている。
 1716(正徳6)年、京都の青物問屋の長男として生まれた若冲は、家業のかたわら狩野派、中国の宋原画などを学び、絵師として独自の画風を確立していく。動物や植物など生きものたちの命の輝きを見つめ、その繊細なタッチと華美な着色に彩られた画風は見る人の心を捉えた。
 3月26日に開幕する展覧会は、東日本大震災復興祈念として開かれ、1788(天明8)年の京都大火災(天明の大火)で焼け野原となった故郷を目の当たりにした若冲と、東日本大震災に見舞われた福島の復興への思いを重ね合わせた展覧会となる。
 京都から大阪に避難した若冲が描いた西福寺のふすま絵・蓮池図には、荒れ果てた京都への一筋の希望が託されている作品として展示される。
 伊藤若冲作品の単独展となっており、全国の美術館、博物館、寺社、個人所蔵の作品のほか、海外美術館所蔵作品加え、のべ約110点を展示、若冲の生き様や人柄が伝わる展覧会となる。

東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展 福島県立美術館 

期間ギリギリで見てまいりました、若冲展。期間中10万人越えだとか、さすが若冲ですね。
若冲と言えばアレ、動植綵絵やにわとりがぎゅうぎゅう詰めを連想。そうした豪華絢爛、極彩色の作品が少ないのが物足りないとの知人の声もあるのですが、そこは並外れた表現力、自在な作風、十分見応えのある企画展でした。

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〈群鶏図〉

若冲と言えば鶏、艶やかな羽の一枚一枚の緻密さには感嘆します。躍動感のある体と猛禽類の鋭い目つきは凶暴で、襲われそうなくらいに怖いです。
実際このように見えるのかというと、そうではないですよね。もっとざっくり見てしまうのが人間の目です。若冲の鶏は写実以上、鶏以上に鶏、鳥の祖先恐竜時代まで遡るような迫力です。羽、目、くちばし、脚…。西洋絵画のような緻密さは見ていて飽きません。
この作品がそうですが、鶏のお尻を描くところもおもしろい。また正面からのちょっとオマヌケな顔は漫画っぽいのもあります。鶏のあらゆる動き、ポーズを研究し尽くしています。そういえばモデル歩きみたいな鶏もありました。

ポスターにもなっている「百犬図」は、犬の顔がほとんど同じで、キャラもののような(笑)
これはわざとなのか、ちょっと不気味でもあります。犬よりあきらかに鶏が好き!…それはわかる。

鶴を描いた作品もありますが、翼、羽の隅々までとてもエレガントな曲線でみとれました。
白いオウムの作品は、若冲の白の作り方がよくわかります。
鶏、叭々鳥、鯉、鶴…動物は描いているというより、その瞬間、動物が若冲に乗移っているような、そんな生きた動物の本気が感じられます。

水墨画多数。太い筆で一気に描く、大胆な筆致、大胆でも鳥の目や脚はリアルで怖いくらいの写実です。
線描やかすれ、たらしこみや筋目描きのような緻密な計算がなければ描けない技術。その技術を総動員して…、大胆さと緻密さが融合させるのが若冲、そして時々現れるユーモア、表現は自在です。すべてが計算なのか、考えていないかのかもわからないですが、天才と言うのはこういうことか。

生き生きとした動物もあれば、薄墨で描いた「蓮池図」このような渋い作品も。
朝顔を描いた作品では、葉が黒々した墨で描かれ、花は薄墨で目だたない、とてもデザイン的です。すぐりやびわの淡い筆致も魅力的。

乗興舟(拓版画)は美しいグラデーションが魅力、シンプルで思索的もあります。
若冲の基礎は中国の絵画の模写から、やがて地元京都の自然を描くようになりました。若冲がどこに美や魅力を感じるか、そのポイントが個性でもあるのかなと思います。

4果蔬涅槃図(京都国立博物館)
重要文化財《果蔬涅槃図》

これは見ているだけで楽しい、部屋に飾りたいです。絵本のようなタッチも若冲。

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《象と鯨図屏風》MIHO MUSEUM

大作の屏風、現物を見ると大きさに圧倒されます。大胆すぎる象は真っ白で神獣のような感じ、それでいておおらかで、ふざけてるような気もします。
この巨大な象をどうやって描くのか、立ち会ってみたいと思いました。

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