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チガヤの野原

2019年06月09日


戯奴がため我が手もすまに春の野に 抜ける茅花ぞ食して肥えませ
紀郎女 万葉集

我が君に戯奴は恋ふらし賜(たば)りたる 茅花を食めどいや瘦せに瘦す
大伴家持 万葉集

戯奴(わけ)とは下僕のような存在。茅花(つばな)はチガヤ(茅萱)のこと。
紀郎女は年配の女性で、夫の後輩家持は下僕ではなく、互いに冗談を言い合えるような関係だったらしい。

「下僕(=家持のこと)のために、わざわざ春の野に出て、チガヤを抜いてきたんですよ。たくさん食べて太りなさい」と、紀郎女が恩着せがましい歌を詠むと、家持は「卑しい下僕である私は、あなた様に恋焦がれているようです。賜りましたチガヤをいくら食べても痩せるばかりでございます。」と返します。
モテる男は気が利いた返しをしますね。なんだか楽しそうです。

写真のチガヤは食べごろ過ぎてますが、穂が出る前の白い穂の部分は甘みががあり、昔はおやつだったとか…母が子どもの頃。おしゃぶりのようにして食べていたらしい。
以前、私もやってみましたが、少し青っぽい甘さがあります。また食べたいかと訊かれれば、うーん、食べるものが何も無くなったら…ってくらいかな。

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