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やなぎみわ展 神話機械

2019年08月10日
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《女神と男神が桃の木の下で別れる:川中島》(部分) 2016年 作家蔵

やなぎみわ展 神話機械
2019年7月6日[土]~9月1日[日]
福島県立美術館
 現代美術のみならず演劇界でも忘れられないアートシーンを作り出してきた美術家やなぎみわ(1967- )。《エレベーター・ガール》で注目を浴びたやなぎは、《マイ・グランドマザーズ》や《フェアリー・テール》といった写真作品シリーズで世界的に評価を受けました。2010年からは演劇プロジェクトを手がける一方、2016年からは日本神話をモチーフに、福島市内の果樹園の桃を撮影してきました。桃の文化史的な意味を背景に、人間の歴史や運命を問いかける新シリーズを今回日本で初めて発表します。また本展に向け、京都、高松、前橋の大学、高専、そして福島県立福島工業高校と連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」が立ち上がり、マシンによる神話世界が会場に生み出されます。
 待望された約10年ぶりの本個展では、これまで以上にやなぎの汲み尽くせぬ創造の泉に迫ります。


私としては、久しぶりの現代アートです。
万人受けとは言いがたいし、何かと理解されにくいことも多い現代アートのですが、やなぎみわはそれなりに知名度あると思うけれど、どうだろう?
この既成に囚われない発想、経験とか知力とも違う、やなぎのの体、命の中から生み出されるような作品。その魅力は、作品を前にして、大きさや音や光も体感してこそ味わえるものです。
理解しようとしてもいいし、好きや嫌いの感情に任せてゆだねるのも自由。それが現代アートの醍醐味でもあるので、考えすぎずに、多くの人に触れて欲しいと思います。

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《次の階を探してⅠ》(部分)1996年 高松市美術館蔵

出世作エレベーターガールのシリーズ。もう20年以上になるんですね。
感情を表すことのないアンドロイドのようなモデル達は、彼女達がそうしているのか、社会がそう見ているだけなのか。
エレベーターガールが、現代の虚無を表しているようで、逆に底知れない心の深さを感じたり。
男性では描けないんじゃないかな…最初に見た時にそう感じたことを今でもよく覚えています。

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My Grandmothersシリーズ

代表作と言えばこちらでしょうか。
若い女性達が50年後にこうなっていたいという夢を、やなぎが特殊メイクなどでビジュアル化。
青年とバイクで旅する老婆となった女性、荒廃した未来都市で何かを語るような老婆。いずれの老嬢もアグレッシブで、なんかすごい。

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Untitled Ⅳ

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フェアリー・テールシリーズ「エレンディラ」2004年 

最初はそれほどでもないんですが、なんかあと引く作品。
童話の主人公少女と邪悪な魔女は表裏一体、あるいは同体なのかも。少女なのか、老いた魔女なのかよくわからないビジュアルも印象的。

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《神話機械》

4つのマシンが自動的に動く「神話機械」。「わたしはヘラクレス」…謎めいたせりふと音楽からはじまります。
足(にしか見えないマシン)がのたうち、震え、何かが始まる。瓶が音を鳴らすシャンデリアのようなマシン。ベルトコンベアで運ばれたどくろは、投擲マシンで壁に投げつけられる。
何かが生まれるわけでもなく、その動きが繰り返されるだけ。
神話というより、どこかの惑星、生命が誕生する前の宇宙のような空間です。

「やなぎみわ展」開幕 福島のモモ!写真シリーズも展示 2019年07月07日 福島民友

ポスターなっている「女神と男神が桃の木の下で別れる:川中島」は、福島の果樹園で撮影された作品。

「桃」の新作は、人間たちが生まれる以前の神々の話である。古事記において桃の木は黄泉の国との境に立っていて、そこで男女の神は決定的な決裂をする。

ということらしい。
夜の果樹園という発想がなかなかないですよね。闇に浮かぶ桃がエロチックであり、禍々しくもあり。

Miwa YANAGI やなぎみわ



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