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ザ☆スター「坂東玉三郎」

2010年08月10日
玉三郎は普通に好きです。
それまでの歌舞伎のイメージを覆す美貌や雰囲気…が、当時二十歳くらいの玉三郎さんが注目されたきっかけだったと思いますが、その後、実際に歌舞伎座で見た「鷺娘」は本当に妖しく美しくて今も忘れられないです。
あれから何十年?(滝汗)今も、いや今の方が美しさに磨きがかかり、役者としてのすごさはずっと増しているような気がします。
今の所(私が)舞台を生で見る機会がそんなに多くないのが残念ですが。

「ザ☆スター」で玉三郎さんを取り上げると知った時は、こういうバラエティ番組を見るより、まず舞台を生で見ることだろ?
なんて思い、それほど期待していなかったのですが、深夜録画しておいた番組をさらっと見るつもりが、見始めたらおもしろくて、がっつり見てしまいました。
なにしろゲストやコメントする出演者が豪華過ぎですね(笑)
中田英寿、椎名林檎、樹木希林、川平慈英、赤井英和、堤真一…ヒデの賞賛に驚く司会の別所さん(笑)
堤真一を見いだしたのは玉三郎さんというのは知っていましたが、赤井英和や別所哲也が(本格的にという意味で)俳優になるきっかけが玉三郎だとは知りませんでした。

玉三郎さんが歌舞伎以外の舞台や演出、映画などにも積極的に手を広げた時は、歌舞伎の家柄でないことで出世の頭打ちだから、他の世界に行ってしまうのかな、それもしょうがないか…と、勝手に思ったこともありましたが、本人はとても好奇心にあふれ、いつも新しいことに前向きなんですね。
歌舞伎以外だと私は、舞台「天守物語」「マクベス」、映画「ナスターシャ」「外科室」をよく覚えています。

アンジェイ・ワイダ監督が玉三郎さんとの出会いから、映画「ナスターシャ」を撮るに至るいきさつを話しているのですが…
「素晴らしい体験、長い人生の中で会えた最も素晴らしいアーティスト」と。
最高の賛辞と今も深く思っている言葉に、ちょっとうるっとしてしまいました。スタジオの玉三郎さんも珍しく涙目でしたね。

親交のある作家真山仁氏を迎えてのお話が、どのように役や舞台を作り上げて行くか、その工程(の一端)がわかりおもしろかったです。
ベジャールは、自分の演出の舞台に立った時の玉三郎さんについてこう言っています。
「全てが反射的でありながら論理的、全てがが研究しつくされているにもかかわらず、即興的であり、全てが感覚によるものであるのに、身体と精神を緻密に操る技によって作り上げられている。」
観客が玉三郎さんから受ける印象は、例えば素晴らしいとか感動とか…、抽象的な言葉になるのだけれど、実際の玉三郎さんは、とても理論的で具体的、技術を高めること、その上で技術を感じさせない。
「必要で最小限で最大に見える感じ」という玉三郎さんの言葉からも、彼がいかに論理的に整理されているかがわかります、数学的と言ってもいいくらい。
これは、高い技術力を要求されるバレエもそうですね。舞台はゼロからつくり上げているのけれど、技を感じさせない。

私の知る限り玉三郎さんは、舞台、仕事にすべてをささげた人で、唯一の趣味が海とダイビング、今もそれは同じのようです。
14歳で歌舞伎の世界へ入り、好きだからとはいっても、家柄と格式が重んじられる伝統芸能の世界で、家柄というブランドなしで主役を張るまでになったことは、大変だったろうなと想像できます。
歌舞伎界からは中村獅童、尾上菊之助、市川海老蔵さんなどのコメントもありました。
市川海老蔵さんが「(玉三郎さんの立場は)失敗ができない」と、そうですね、家柄という後ろ盾がない、失敗したら終わりですね。
他の世界を知らず、家庭を持つこともなく、夜遊びをすることもない。舞台と自宅を往復するストイックな日々。
表面的には狭い世界に生きているこのですが、そんな言葉は陳腐に思えるほど、「芸」に対する執念はすさまじい。

玉三郎さんの魅力は、まず別格に上品な美しさだと思います。
優雅な物腰や踊りの感性は、身体能力と同じように、生まれ持ったものだと思いますが、そこに安住することなく芸を磨き続ける、それは生半可な努力ではないですね。
師匠ででもある養父母に徹底的に教え込まれたということですが、ここで満足ということがない。謙虚で勤勉、もっと良くしよう…それが毎日、舞台の度、毎瞬毎瞬だということ。
プロやエンターテイメントであり続けると、どこか慣れてきたり、それもまた心地よい味になる役者(や舞台)もいますが、玉三郎さんにはそういう「慣れ」が全くありません。
うまさをひけらかすことはまるでなく、いつも緊張感にあふれわすごみのある表現。
現状に満足することなく常に努力を惜しまない。
舞台に立ちはじめ40年以上たっても芸の瑞々しさ、気品のある美を維持しているのは、舞台に向かうその姿勢かなと感じます。
そういう意味では、歌舞伎のみならず希有な存在であると思います。

番組の最後に、会いたかった人として、玉置浩二が登場しデュエットをした時はちょっとびっくりしました、これはオチかと(笑)
いえいえ、玉置さんは嫌いではありません。結構好きだったんですが、なにしろ最近ちょっと…(滝汗)
玉三郎さんは何事にも好奇心旺盛で、世間の評価を気にしながら他者を判断することがないということをすっかり忘れてました。

ザ☆スター「坂東玉三郎」
初回放送:2010年 8月7日(土)NHK-BS2
再放送:2010年 8月13日(金)
    午後8:00~午後10:00 NHK-BShi

ザ☆スター 番組HP

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Comment
No title
わかります、あなたは、いつものワイドショーか何かを見すぎて、知らず知らずにマインドコントロールされてたんですね。ワイドショーは、世間の評価では、決してありません。
坂東玉三郎さんは、人を見る目がある、立派な人だって、わかりました。
>るいさん
るいさんがおっしゃっているのは、玉置さんのことでよろしかったでしょうか?
ワイドショーは見ないのでわかりませんが、玉置さんは才能のあるミュージシャンだと思っています。
たまたま私生活がにぎやかな時に出演になってしまって、少しお気の毒かなと見ていました。
玉三郎で検索してたどり着きました~
お久しぶりです。
坂東玉三郎様で検索していたら…
なぜかたどり着いてしまいました。(ファイナルそっちのけで…)
昔から大好きな方です。
まだ舞台は見た事がないのですが、今回の代替え公演の件、
玉三郎様の伝説がまたもや増えてしまいました。
すごい人ですね…
16日から発売のチケット争奪戦、世界選手権とどっちが大変なんだろうか。
思わずチャレンジしたくなった私。
一度は舞台を見に行きたいと切実に思ったpakuでした。
>pakuさん
pakuさん、意外な場所でこんにちは(笑)
そうですか、玉三郎さんがお好きなんですね。
実はこの記事をアップしたあと、急にアクセスランキングが上がったのでちょっと驚いてました。
検索にかかりやすいキーワードがあったのかもしれません。

>今回の代替え公演の件

そっちは、あんまり詳しくないんですが(汗)

玉三郎さんの舞台、私もたくさん見ているわけではありませんが、美しさのクオリティが違いますね。
そして慣れた感じ、型通りの感じがしない、そこが素晴らしいと。

チケット、頑張って下さい!

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