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生誕120年・没後100年 関根正二展

2019年10月01日
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関根正二《子供》1919年 石橋財団アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)

関根と言えばバーミリオン、貧しかった関根は、バーミリオンなど高価な絵の具はなかなか買えず、画家仲間の家を訪ねた時に、高価な絵の具をパレットにひとすくい、かっぱらうようにもらってきた…そんな話をしてくれたのは美術教師だったかな。
この作品は、近くでじっくり見たかったのでうれしい。
子どもは無表情、虚無感すら感じられ、すでに人生の過酷さ…みたいな。頬は赤いけれど、血の通った赤みというより、炎の照り返しのようにも見えます。
かわいいとは言えませんが、一度見たら忘れられません。

生誕120年・没後100年 関根正二展
2019年9月13日~11月9日
福島県立美術館
 今から100 年前、宗教的感情にみちた作品を描き、20 歳2カ月で夭折した画家・関根正二(1899–1919)。彼は福島県白河に生まれ、東京移住後16 歳でデビュー、19 歳のときに描いた《信仰の悲しみ》(重要文化財)が二科展樗牛賞を受けますが、翌年スペイン風邪で急逝しています。対象を刻み込む卓越した素描力と、朱や青緑色の鮮烈な色彩による神秘性を漂わせた作品群は、今なおわれわれの心をとらえて離しません。
 展覧会は関根の作品約100点、資料約20点、書簡約40点に加え、同時代の文学者や画家たちの作品と資料約50点をあわせて展示します。新たに発見された作品や資料を含む、過去最大の回顧展となります。


大正時代の夭折画家、20余年の生涯を追って。関根正二の回顧展が福島県立美術館ほかで開催へ 美術手帖

牛舎
《牛舎》1915年頃 福島県立美術館

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《自画像》
1918年 福島県立美術館

福島県白河市出身、福島県立美術館にも所蔵作品があり、子どもの頃から知っている画家です。
私が10代の頃、美術教師が好む油彩画はこうしたタッチ、画風で、印象派の絵画といっしょに、教材としてよく引き合いに出されていたように思います。
10代の自画像はセザンヌの影響を感じます。思春期特有の暗さがあり、まあぶっちゃけ好きではないのだけれど、その暗さは自分の来た道でもあり、どこかなつかしい。

15歳からおよそ5年間のが家人生。
貧しく暗い青春時代、健康を害し若くして亡くなる…早世の画家、そんな型にはめて見てしまいますが、こうして回顧展としてみると、作品の見応えも共に、働いて、放浪して、恋をして、また影響を受けた人々も紹介され、彼の生き生きとした人生が感じられて良かったです。

大樹
《大樹》1915年 福島県立美術館

木登りの子どもたちが楽しそう。このデッサンはデューラーっぽいんですよね。

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《死を思う日》1915年 福島県立美術館

ちょっとゴッホの糸杉を思わせるタッチ。
この作品は常設展でずっと見ていて、小さな人影は思春期に悩む関根本人だと思っていたのですが、改めてみると、背中が丸くて、老人を描いたものなのかもしれません。

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《姉弟》1918年 福島県立美術館

赤いほっぺはいかにも田舎の子ども。
実際に見ると色彩があざやかで、ファンタジーといってもいいくらいの創造性を感じます。
色というのは不思議なもので、自分の性にあう色をひたすら使い続けるものです、
関根のバーミリオンや(たぶん)カドミウム系の色は高価な絵の具なので、制作は大変だったと思われます。

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《三星》1919年 東京国立近代美術館

謎めいた作品、真ん中が関根、3人の微妙な関係性が感じられますね。

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《神の祈り》
1918年頃 福島県立美術館

代表作の一つ。《信仰の悲しみ》と共に、キリスト教へのあこがれから描かれた作品。
しかし実際の宗教とは違う、関根から生まれたファンタジーですよね。
関根といえばセザンヌの影響を指摘されますが、このあたりの作品は、シャガールに近い感じ。

この時代なら、少ない情報をむさぼり、そこから想像、妄想を膨らませていった時代。想像力も鍛えられますね(笑)
(ゴッホが日本の浮世絵に理想の世界を見たように)現実とは異なり、実際以上に美化することもあったでしょう。それもまた画家の個性となっています。

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《信仰の悲しみ》 1918年 大原美術館
*《信仰の悲しみ》(大原美術館所蔵)は、10月8日からの展示になります。

こちらは日程の都合でみられず。機会がある方はぜひご覧下さい。

伊東深水との意外な関係、東郷青児と恋人をあらそったり、関根の人生に影響を与えた人物がいろいろわかっておもしろかった企画展でした。
デッサンや静物画も展示、花瓶のチューリップが渋くて素敵でした。

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