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「白銀の墟 玄の月 十二国記」 小野 不由美著

2020年03月21日

戴国に麒麟が還る。王は何処へ―乍驍宗が登極から半年で消息を絶ち、泰麒も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎は慶国景王、雁国延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。―白雉は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!

十二国紀「18年ぶりの書下ろし新作」いやはや、すごい久しぶり、そして長い、全4巻(汗)
シリーズ全てを読んできたもの、ここまであいていると、どんな世界、登場人物だったかうろおぼえです。
Amazonのレビューを読んでも長いという感想多数。いきなりこの巻を読む人はほとんどいないはずで、ここまでのシリーズを読んできたファンだと思います。

戴国では王は消息を絶ち、麒麟もいない6年の間、偽王が統治する国は荒れ果て、人々は疲弊しています。
天命をよって麒麟が王を選び、霊獣や妖魔が登場するファンタジーでも、物語の展開は非常にリアル。出世競争あり、追われても忠義を貫く登場人物は大河ドラマや時代小説のよう。
戦争は戦略や軍隊の規模が具体的でかつ理論的に勝ち負けが決まります。主要な登場人物達は皆悩み嘆き、くじけそうになる。奸計を企み人を陥れ、人を操る偽王、そして損得から従う取り巻き達。
ヒーローが一発逆点なんてことはありません。そういうリアルな人間ドラマが十二国記。
国の産業としての鉱山、それを仕切る土非(ヤクザ)、商人、宗教や寺院も登場し重要な役割をします。
圧倒的な世界観、今回は特にファンタジー色が薄いように感じました。

私にとって今回の見所は泰麒。善なる存在の麒麟が、命がけでその存在を賭けるような選択をする。
小説自体はおもしろいのですが、とにかく4巻は長い(汗)2巻にしてテンポよく展開してくれてもいいのではと思います。
似たような登場人物も多いので、途中どんな人だっけ?とわからなくなる。
登場人物の設定リストがほしい、せめて複雑な国の組織図(内閣の組織図みたいなの)がほしい。

敵も味方も、僧侶も貧しさにあえぐ庶民もそれぞれに人生があり、思いがある、そういうひとりひとりを丹念に書きたいという作者の思いもわかりますが、それは別の巻で書いてくれてもいいんじゃないかと思う。
特に前半の王を探す部分が長いのと、後半登場人物がどんどん死んでいくのが辛い。
ラストもここで終わるのか?という気もします。

舞台を考えると、作者が生きている限りシリーズは続けられそう。
新シリーズでまた新しい展開を示してくれていいけれど。
…結局新作また読みたい自分(笑)
十二国紀が名作であることに変わりはないのです。







小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト
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